不動産トピックス

クローズアップ チャネルマネージャー編

2018.01.22 14:15

 ホテルや簡易宿所、ゲストハウスなどインバウンドや国内観光客、ビジネスマンをターゲットにした不動産が盛り上がっている。今年6月には民泊新法が施行を予定し、旅館業法の緩和もされるなかで、新規参入を狙うのは大手も中小も同様。ただ実際に運営を進めていく上で集客に必要なのは国内外のOTA(宿泊予約サイト)での物件掲載。その運用をうまく、手間なくできるのがチャネルマネージャーだ。民泊向けに展開していた事業者がサービス範囲を拡大し、スキマとなっている簡宿へ拡大している。

サムライ・インターナショナル
簡易宿所向けチャネルマネージャー展開 ターゲットは新規開業の簡易宿所 「楽天トラベル」など国内大手ともAPI連携へ
 サムライ・インターナショナル(東京都渋谷区)は10日、ホテル・簡易宿所向けのサイトコントローラー(チャネルマネージャー)システムとして「Air Profits Hotel(通称:エアプロホテル)」をリリースした。同時に有力宿泊予約サイトである「Booking.com」、「Expedia」、「Agoda」との公式API契約も発表。従来の「Air Profits」でAPI連携していた「Airbnb」も加えて、ホテルだけでなく民泊チャネルからの集客も可能にする。2016年に民泊向けに展開を始めた「Air Profits」を開始し、これまで3000室超の実績をつくってきたノウハウを今度はホテル・簡易宿所向けにも生かす。 
 代表取締役の岡田塁氏によると「『Air Profits』展開当初からゲストハウスなどの簡易宿所運営者からの問い合わせが多くあった」と言う。その理由を聞くと「これまで大手ホテル資本が導入できる価格帯のものはありました。しかし、小資本のゲストハウスなどが参入してくると、彼らをカバーするサイトコントローラーはほぼなかった」とのこと。訪日観光客の急増によりゲストハウスは増えている。同社は先行者として参入することで、大きなシェアを獲得したい構え。 
 「1年以内の目標として2000室の導入を目指したい。サイトコントローラーは宿泊施設の場合、だいたい導入されているがリプレース(交換)は非常に煩雑です。そのため、一度導入されれば長期に渡って利用して頂くことが見込める」(岡田氏) 
 今回の「エアプロホテル」の機能としては、各サイトで入った予約を同期することによるオーバーブッキングの防止、予約時のメッセージ機能や、チェックイン・チェックアウト情報のカレンダーへのインポートや宿泊者情報などを集積した顧客管理機能が搭載されている。料金は1部屋あたり月額980円か1部屋あたり年額9800円の2プランがあり、30日間の無料トライアルが可能となっている。 
 岡田氏は「今後、早い段階で『楽天トラベル』など国内有力サイトとの提携も進めていきたい」と話す。2017年のインバウンド数は2800万人超となり、ホテル業界への追い風は未だ強い。その追い風を十二分に生かすためにも、このようなシステムの導入の検討は欠かせない。

手間いらず 
AsiaYoと提携、台湾人観光客の集客力強化
 手間いらず(東京都渋谷区)は展開するオンライン宿泊予約サイトの一元管理システム「TEMAIRAZU シリーズ」で昨年12月、AsiaYO CO.,Ltd.(台湾台北)が運営する台湾民泊仲介サイトの「AsiaYo」とシステム連携を開始した。 
 台湾からの訪日客数が増加するなかで、AsiaYoの本格的な日本進出の足掛かりともなる。今回のシステム連携で、「TEMAIRAZU シリーズ」を導入している宿泊施設は販売チャネルの拡充により台湾の訪日客数の増加を見込めるとともに、一元管理で稼働率アップや収益向上を測ることが可能となる。 
 AsiaYoは2013年創業。同社の展開するプラットフォームには1万3000室以上の掲載がある。 
現在、訪日客の観光強化を図るために、著名ブロガーとの連携やSEO(検索エンジン最適化)、ソーシャルメデアなどのWEBマーケテング、アジアの様々な企業とのタイアップによるコラボレーションを行っている。

エアホスト
主要OTAと新規接続
 自動管理ツールのチャネルマネージャーを「AirHost」を展開するエアホスト(川崎市宮前区)では旅館業取得済みのユーザー向けに、これまでのAirbnb、Agoda、AsiaYoに加えて、Booking.com、Expedia、また関西、九州地域で集客力のある自在客を新規接続先として追加している。 積極的に集客を進めていきたい民泊ホストのニーズに応えたもの。このサービス強化による料金変更はないという。

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