不動産トピックス

今週の一冊

2017.11.20 16:55

人口減少社会でも安全・高成長期待できる分野

「工場・倉庫」投資のススメ
著者:三浦孝志
出版:幻冬舎メディアコンサルティング
発行:2016年7月27日
価格:1500円(税別)

 著者は26歳で不動産業界に飛び込み、約24年にわたって独自の不動産ノウハウを構築。現在は事業用物件を中心に扱い不動産会社の代表として活躍中である。本書は著者がそうした経験をもとに、安全・安心な資産形成の一手として工場・倉庫への投資を紹介するものである。
 工場・倉庫は居住用物件とは異なり、人口減少の影響を受けることがほとんどない。また、地方でも競合物件が少なく、堅実な需要を見込むことができる。加えて、地価の安い地域であれば安価で購入できる点や、維持費がほとんどかからない点などは、他の不動産にはないメリットといえるだろう。
 本書は我が国が抱える人口減少という大きな問題を前提としてマンション・アパート投資の現状をおさらいするとともに、それらと対比させるような形で工場・倉庫への投資の特徴を解説。その上で、天井高や駐車スペースの有無、稼働可能時間といった物件によって異なる条件を鑑みながら、より高い利益を生み出してくれる物件選びのポイントを紹介する。工場・倉庫への投資経験のない投資家にとって気になるのは、メリットだけではなくリスクの部分である。空室や騒音、滞納、原状回復など、工場・倉庫で起こり得るトラブルリスクとその回避策についても本書は述べられており、初めて工場・倉庫への投資を検討する投資家にとっての指南書として役立つ一冊といえる。

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