不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2017.10.23 12:10

フェリーチェ 「ホテルリリーフプレミアム羽田」がオープン 女性をメーンターゲットで差別化
 沖縄・大阪を中心に「ホテルストーク」「ホテルリリーフ」ブランドを展開しているフェリーチェ(本社・沖縄県那覇市)が本格的に東京に進出する。10月31日、第一号店として東京・大田区に「ホテルリリーフプレミアム羽田」を開業する。今後も同社は羽田空港近く、赤坂、上野と相次いで出店していく計画だ。

蒲田エリアに2棟 赤坂店舗は「和」で
 「ホテルリリーフプレミアム羽田」は、「京急蒲田」駅から徒歩5分に位置し、客室はダブルからデラックスツインまでの4タイプ、内装はモノクローム調・木目調・白木調の3タイプで全120室。インフォメーションや施設内状況を案内する多言語対応タブレットを全室に配備する。新ブランドとして「ホテルプレミアム」を冠する。
 同ホテルは、「ホテルストーク」、「ホテルリリーフ」と従来のコンセプトは維持しながらも、施設はもちろん、サービス含めてさらなる上質な癒しを提供する。特に女性客向けのサービスを充実させる。
 新規開発事業マネージャーの島袋悦雄氏は話す。
 「具体的には、自然派コスメブランドが手掛けるオーガニックアメニティを完備するほか、ジョキングやヨガウェアの無料貸し出し、お好みのアロマをお部屋で楽しめるなど様々なサービスを提供していきます」  朝食では、「腸活モーニング」と題し、有機穀物を使用したグラノーラやドライフルーツなどオーガニック食材を使った食事を提供する。また、ヨガのワークショップの無料開催といったソフト面での充実化を図る。
 「朝食に関しては、味だけでなく盛り付けの仕方などインスタ映えするように工夫を施しました。開業日には女性トレンドのインフルエンサーの方をお呼びしてSNS等で発信もしてもらいます」(島袋氏)
 一方、2018年春に開業を予定している「ホテルフェリーチェ赤坂」は、地下鉄「赤坂」駅より2分に位置、敷地面積約740㎡に地上9階建て、延床面積約3653㎡で全167室。1階に店舗、9階に屋外テラス併設したレストランスペースを設置する。
 「ホテルフェリーチェ」も新ブランドとして展開していく計画で、インテリアデザイナーを採用し、「出会ったことのない日本体験」をコンセプトにしていく。
 「共有部や客室含めて建物全体は『和』を徹底的にイメージしたデザインにするなど、これまでのホテルにないイメージを追求しました」(島袋氏)という。
30店舗体制目指す 海外企業との提携も
 フェリーチェは2012年、沖縄県那覇市に130室の「ホテルストーク」を開業したのを皮切りに、「ホテルリリーフ小倉駅前」、「ホテルリリーフなんば大国町」、「ホテルリリーフ札幌すすきの」を相次いでオープンさせている。2025年までには30店舗体制にまで拡大していく計画だ。
 当初は既存施設のリニューアル案件が多かったが、この1年は、新築案件が多く持ち込まれるようになった。例えば土地所有者から案件が持ち込まれた場合、当社が投資家を集めて、事業収支を作成し、設計、施工、運営までサポートしていく。場合によってはオペレーターの紹介も行っていくという。
 同社は昨年、タイの東南アジア最大規模のコングロマリット「セントラルグループ」の関連企業Baby Kiko Sdn Bhnとの間で合弁事業契約を締結。日本ではフェリーチェがホテル開発を目的とした業務提携を軸に「セントラルグループ」と協業していくという。
小田急グループが沖縄にホテル開発
 小田急グループの沖縄UDS(沖縄県那覇市)は、日建ハウジング(同)と沖縄県宮古島市下里でホテルを共同開発、2018年1月22日に「HOTEL LOCUS(ホテル ローカス)」を開業させる。
 同ホテルは宮古空港より車で約12分に位置し、敷地面積1170㎡、延床面積2665㎡、建物は鉄筋コンクリート造地上6階建て、客室は100室、料飲施設、屋外テラス、プール、ラウンジ、ショップを配置する。
 コンセプトは「この島の旅の軌跡を巡ろう」。ホテルを拠点に宿泊客が島のあちこちに出かけていき、島全体を1つのリゾートとして楽しんでもらえる「体験型リゾート」を目指す。
 「宮古島ならではのスポーツやマリンアクティビティを中心に、島に点在する食や、文化、スポット、人など、旅行者にはなかなか知ることのできないローカルの魅力をホテルオリジナルのプログラムとして編集し、豊富なアクティビティとしてお客さまに提案します」(同社)  同ホテルは、国内外からの観光需要の高い沖縄で、小田急グループが出店する初のホテルとなる。 
 小田急グループでは、「長期ビジョン2020」で、2020年度までを「収益基盤を強化し事業成長すべき期間」と位置づけている。なかでもホテル事業は、インバウンドの伸張や「モノ」から「コト」への消費意欲の変化を有望な事業機会と捉えており、エリア特性や旅行者の嗜好にあわせ、都市型ホテルやリゾート型ホテルなど、2020年度までに15店程度の出店を目指していく。 
 沖縄・宮古島では、「HOTEL LOCUS」のほか、2019年上旬に東海岸・城辺にリゾートホテルの開業を予定している。
 ホテルを運営する沖縄UDSは、UDSの子会社。沖縄は新規路線の就航や増便、LCCの就航などを背景にアジアを中心とするインバウンド数が急増している。こうした背景をもとに沖縄での事業を本格化した。

エフェックス 「前橋マーキュリーホテル」取得
 「ホテル1-2-3」ブランドを全国11カ所で展開しているエフェックス(東京都品川区)ではこのほど、「前橋マーキュリーホテル」(群馬県前橋市)の運営権を伊藤園ホテルズ(東京都豊島区)から取得した。同ホテルは1973年に開業した前橋市のフラッグシップホテルで、延床面積は約1万㎡。本館と新館があり、客室数は75室と多くはないが、最大700名が入る宴会場や結婚式場などを併設している。
 エフェックスでは外壁はもちろん、排水などを中心に数億円をかけて改修工事をスタートさせる。12月1日に「ホテル1-2-3 マーキュリー」としてリブランドする。
 「新たに大浴場を作り、セントラルキッチンを設けるなど大幅な改修を施し、デザインホテルとして再スタートします。新たにホテルの目玉として、群馬県内の地域食材等を使用して宴会料理の強化を図っていきます」(吉村原夫社長)
 これまで同社は、宿泊特化型ホテルのみを運営してきたが、宴会場を併設するフルサービスホテルも行うのは初めてのこととなる。
同社はもともと地域活性化・店舗コンサルティング等を手掛けてきたが、2003年にビジネスホテルに参入、新築・既存関わらず運営を積極的に受託。昨年には海外進出第一弾として、ベトナム・ハノイ市内に「ホテル1-2-3ハノイ」を開業させた。
 同社では今後も、東京をはじめ主要都市で120室程度のホテルを手掛けていきたいという。

リブマックスが出店ラッシュ
 不動産総合サービスのリブマックス(東京都港区)のホテル事業が拡大の一途を辿っている。特に都心部での出店が著しく、神奈川のほか、東京都内では20店舗、うち今年に竣工した施設は4店舗にものぼる。
 同社のホテル事業は、多くが既存の建物のリノベーション・コンバージョンだった。しかし、ここ1~2年は新築案件が増えているという。それは他社が敬遠する小さな土地にホテルを出店しているからだ。
 「ホテルリブマックス」の殆どは100室以下だ。具体的には80坪程度の土地で、延床300~500坪を確保できれば運営を受託する。当然、建設コストもその分低くなり、施主にとっても投資しやすくなる、という訳だ。

リログループが新ブランド展開
 ワールドリゾートオペレーション(東京都新宿区)は「ゆとりろ(YU-TO-RELO)」ブランドとして、箱根を皮切りに西伊豆、熱海、軽井沢の4エリアにグループ展開を図り、10月には、「洞爺山水ホテル和風(かふう)」(北海道洞爺虻田郡)を、「ゆとりろ洞爺湖」としてリブランドオープンさせる。
 同ホテルは、JR「洞爺」駅より道南バスで約20分に位置、部屋数全61室、大浴場、露天風呂、エステティックサロン、宴会場などを併設する。同社は今後も、積極的にリゾート施設の取得・受託運営事業を行っていく計画だ。

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