不動産トピックス

今週の一冊

2017.10.09 14:31

2017年5月改正民法成立、転ばぬ先の杖となる1冊

ビルオーナーのための建物賃貸借契約書の法律実務(第2版)
編者:那須・本間法律事務所
発行:2017年8月20日
出版:商事法務
価格:4200円(税別)

 2017年5月、債権法に関する改正民法法案が成立し、3年以内の施行が予定されている。民法制定以来、約120年ぶりの大幅な改正であり、保証、敷金、原状回復義務など、改正内容の一部は賃貸借契約実務にも影響を与えるものである。
 本書は、2014年に発行された初版を、債権法改正に対応した内容で改訂した第2版である。事務所・店舗用のビル賃貸借を想定した建物賃貸借契約書のモデル文例が掲載されており、このモデル契約書の条項にそって、各条文の趣旨・内容とともに、関連する法令や法的論点、判例等が解説されている。民法改正によって影響を受ける条項、項目については、改正内容の解説がなされ、実務上の対応についてもコメントされているほか、改正個人情報保護法等、最新の法改正にも対応した内容となっている。
 契約条項毎に「賃貸人からの質問」というQ&Aコーナーが設けられており、不動産賃貸管理の実務に精通した弁護士(著者)の視点から、ビル賃貸においてありがちな法的トラブルから、ややマニアックな疑問にも触れられているのが面白い。「ビルオーナーのための」との表題のとおり、一般的な解説に加えてビルオーナー向けの実務上のアドバイスも記載されている。
 ビルオーナーとしては、改正民法の施行前にあわてることのないよう、予め民法改正を見込んだ契約対応を検討しておくとよいのではないだろうか。

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