不動産トピックス

クローズアップ 遠隔操作システム編

2017.05.29 12:38

 インターネットと物が繋がったIoT製品の普及が進む中、外出先・遠隔地からでも室内に設置した製品を自在にコントロールできるサービスが広まっている。主に住居向けのサービスであるが、貸会議室などにも転用可能。導入の価値あり。

イッツ・コミュニケーションズ 子供・高齢者などの見守りホームIoTから事業者のビジネス改革までサポート
 イッツ・コミュニケーションズ(東京都世田谷区)では2015年2月から、外出先からでも家の中を自在にコントロールできるスマートホームサービス「intelligent HOME(インテリジェントホーム)」を提供している。
 「intelligent HOME」は、自宅に設置したカメラやセンサーなどのIoT機器を使用して子供の帰宅確認やペット、高齢者の見守りができる遠隔サービス。子供の帰宅時にドアに設置したスマートロックやセンサーなどが帰宅を検知すると自動撮影し、自身の持つスマートフォンに映像がメールされる。また家の中に取り付けたカメラ映像からペットや高齢者が過ごす様子も確認できるので、安心して外出できる。
 更に、離れて暮らす高齢の両親の家にセンサーを取り付けて簡易的に見守ることも可能。在宅中にトイレのドアが一定時間開かない場合、またモーション検出されない不活動状態時には家族へメールで通知される。早期の連絡機会を促し、離れていても可視化した見守りサービスを提供できる。一方、不審者の侵入時は宅内のセンサーが反応し外出先へ自動で通知する。
 また同サービスはスマートロック(鍵)の開閉、家電コントローラーを使ってエアコンや照明のオン・オフなどを自在に外出先からコントロールが可能。例えば、夏場の帰宅前に宅内のエアコンを外出先からスマートフォンを使用し稼働させれば、帰宅時には設定しておいた快適な室温で過ごすことができる。加えて、事前の空調設定と宅内のセンサーを活用すれば、ペットや高齢者が過ごす室内の室温・湿度を体温や環境に合わせ快適に保つこともできる。もちろん、遠隔操作での室温のコントロールも可能だ。
 事業戦略本部の中村京介氏は「『intelligent HOME』は利用者のニーズに合わせた複数のIoT機器(スマートロック、カメラ、センサー、スマートライト、家電コントローラーなど)を組み合わせることが可能です。個々の機器の動作連携ルールや、メール通知などを詳細に設定できるので、安心で便利な新しい生活スタイルを創りあげることができます。また、物件管理会社や、民泊運営事業者など、BtoB向けにも展開しており、スマートロックやカメラを使って民泊のお客様や、物件内覧希望者への時限式鍵の権限をメールで送ったり、貸し会議室運営など、事業者の負担軽減の目的など、ご利用いただいています」と語る。
 今月10日には、コミュニケーションアプリ「LINE@」内で「インテリジェントホーム」と友だちになると、自宅に設置した機器をまとめて「オン/オフ」にしたり、鍵を開けることもできる機能を実装。「LINE」で簡単に湿度やセンサーの状態などを把握でき、またセンサーが検知した各種通知も画像と一緒にスマートフォンへ送ることもできるようになった。

Strobo 家の異常や戸締りのチェックをLINEでできる物件管理の窓センサー
 Strobo(東京都文京区)は、IoT窓センサー「leafee mag(リーフィー・マグ)」を販売する。このセンサーは窓の戸締まりを外出先からでもスマートフォンでリアルタイムにチェック可能で、不在時の侵入者の検知や帰宅時の鉢合わせ防止などに効果を発揮する。また同製品を利用した月額制サービス「leafee Premium」も提供。安価にセキュリティが向上でき、設置コストもかからない特長を持つ。
 このサービスを開始した経緯について代表取締役の業天亮人氏は「昨今防犯への意識が高まる一方、若い世代や1人暮らし世帯、転居の多い家庭などに対しての最適なホームセキュリティサービスは見られず、また様々なサービスが受けられるとはいえ1人暮らし向けにはあまりにも高額なケースが見られました。反対に市販の防犯グッズなどではセキュリティとして頼りなく、利便性においても充分とは言えません。当社は若い世代や1人暮らしに適したホームセキュリティを提供するため、IoT窓センサー『leafee mag』を使用したプレミアムサービス『leafee Premium』を開発しました」と語る。
 また「leafee Premium」は女性向けの住居などにも最適。女性向けの単身者用住居やシェアハウス、シングルマザー向けの住居などにも導入するケースが増加している。その要因として、若年層の女性をターゲットとしたストーカー被害やいやがらせ対策などに適しているため。万が一、室内に不審者が入室した形跡が解れば、盗撮などの被害を未然に防ぐことはできる。が、合鍵を作って入室した場合などは把握しづらく、履歴も残りにくい。入室履歴が把握できる同サービスならばその様な被害を未然に防ぐことが可能。更に稼働状況の良くない物件に設置することで女性入居者を呼ぶこともできる。
 他にもLINE Botと連携した通知機能も搭載する。この機能は窓やドアの開閉を検知するとLINEに通知し、LINEのチャットで戸締まりをチェックできるといったサービス。Botに話し掛けたり、メニューでボタンを押せば戸締まりを直ぐに確認でき、セキュリティの確認にも優れている。

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