不動産トピックス

今週の一冊

2017.03.27 16:17

大手が参入しない「ニッチ」な不動産投資

不動産投資は新築木造3階建てアパートで始めなさい!
著 者:田脇宗城
発行所:あさ出版
発行日:2017年3月19日
価 格:1500円(税別)

 「3階建て」。ビル業界でも都心の繁華街にある狭小遊休地を積極的に取得し、3階建ての小規模商業ビルをシリーズ展開する不動産会社が存在する。本書で積極的に投資適格物件として推奨されているのも「3階建て」。こちらは新築・木造アパートだ。双方に共通するのは「大手の参入がないニッチ分野」である点だ。先に述べた商業ビルの狙いは1、2階に「重飲食」を誘致し、高利回りを得る。エレベーターを設置せず貸床面積を最大化させるため3階はおまけだ。テナントビルの場合、収益向上のため容積率を拡大させる方向に向きがちだが、上層階に飲食店が好んで入居するかといえば「否」である。狭小地だから大手も手を出さない。一方、新築木造3階建てアパートの場合は「構造計算等の建築法規を満たすのが難しく、開発に専門的知識が必要になるため、大手の参入が少ない」と本書は言及し、競合が少ないからこそ成功への近道であるとの認識を示すのだ。無論、ニッチ分野だけでなく、中古RC造等と比べて投資資金が早期に回収できる点、建築費が安価な点など、数字を挙げて詳細に説明し「サラリーマン投資家」にこそ最適な不動産投資と位置づける。
  ただ、少子化でも簡単に満室を実現できるわけではなく、2階建てアパート等と比較してメリットが大きいということを強調しておきたい。

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