不動産トピックス

クローズアップ 災害対策システム編

2016.12.26 10:47

 災害は突然に訪れ、また人の手によって発生そのものを防ぐことは難しい。しかし、事前の備えによって被害を減少させることや、いち早い復旧を図ることは可能だ。災害に備えるために役立つサービスを紹介する。

地盤ネットホールディングス スマートフォンをかざして地盤情報を可視化「じぶんの地盤アプリ」にAR機能を追加
 地盤ネットホールディングス(東京都千代田区)は専門的な知識を必要とせず現在地の地盤リスクを点数化して誰でも簡単に知ることができるアプリケーション「じぶんの地盤アプリ」を公開している。
 さらに今年10月からスマートフォンに搭載されているカメラ映像に合わせて周辺地域の地盤安心スコアを360度視覚化するAR機能を「じぶんの地盤アプリ」に追加している。
 このAR機能が追加されたことによって、利用者はスマートフォンをかざすことで現在地から最大300m先までの可視化された地盤情報をみることができるようになった。
 これによって、地盤リスクに応じた安心・安全な土地探しや土地選び、自然災害に備えた安全な地盤エリアを事前探索するといったような活用が可能となる。
 地盤リスクを知ることが不動産経営において資することは少なくない。例えば、新しい物件を購入する際にその土地がどれだけ安全なのかは参考になるだろう。
 また、現在所有している物件が地盤リスクを抱えていることがわかれば、その分しっかりと設備や改修などと備えを行うことでリスク低下に努めることもできるであろう。リスクの大きさによっては売却や用途変更などの判断材料とすることも可能だ。
 また、地盤ネットホールディングスは新サービスとして、良い地盤の物件だけを紹介する不動産ポータルサイトの運営も行っている。
 先月28日にはその説明会とともに新CMの発表会が行われ、山本強社長とともにCM出演者の神保悟志さん、エド・はるみさん、葵わかなさんが登壇した。
 会見において山本社長は、「安全な場所にいれば地震も水害も心配ない」と地盤リスクを知ることの重要性を主張している。

応用地質 被災現場と災害対策本部をICTでつなぐ緊急対応支援サービス「ServiBers」
 応用地質(東京都千代田区)は災害発生時の緊急対応業務を支援する新サービス「ServiBers(サバイバーズ)」を今月より販売している。
 「ServiBers」は被災現場と災害対策本部をICTでつなぐことで被害状況の情報収集・集計・報告までを自動化し、初動・復旧・復興などの各フェーズで対応すべき行動を支援する。
 例えば地震が発生した場合、「災害/気象情報」と応用地質が保有する膨大なデータベースを連動させ、瞬時に推定震度分析を色分けしてそれをモニターに表示する。その直後から災害対策本部の設置・各事業所の震度分布表作成・職員の安否確認・各拠点への被害状況報告要請・備蓄用品の確認要請など、時間軸に沿って災害対策本部が対応するべき具体的な行動内容をモニターに表示する。
 被災現場からは「ServiBers」のアプリケーションをインストールしたタブレット端末やスマートフォンで被害状況を撮影してコメントを添えて送信すると、災害対策本部で報告内容が直ちに自動集計され、各地の被害状況をスピーディかつ正確に把握することが可能となる。
 また、外部への被害状況報告や協力依頼、社内応援要員検討など災害対策本部が対応すべき復旧・復興時のみならずオペレーションをオンタイムでサポートする機能も備えている。
 このように、従来の発災時におけるアナログ的な対応によって生じていた情報の錯綜・混乱といった障害をICTの活用によってより迅速かつ的確な緊急対応に進化させた、BCP支援まで見据えたサービスとなっている。
 同サービスが誕生したきっかけは、今年4月に発生した熊本地震。応用地質が復旧の現場で見聞きした、本当に必要とされる機能が同サービスには盛り込まれている。
 応用地質は地質調査・地質コンサルタンとの国内最大手業であり、60年に渡る伝統と技術、豊富な自然災害リスクに関連したノウハウを備えている。今回新たに発売された「SeiviBers」もまた、そうしたノウハウやデータによって裏付けられたシステムだ。
 また、「ServiBers」は災害時だけではなく平時においても活用できるシステムとなっている。
 例えば、タブレット端末等を活用して現場から画像とコメントを送信し本部に集約するシステムは、平時であれば建物などのメンテナンスや点検などの状況報告に役立てることができる。
 遠隔地に複数棟のビルを所有するオーナーや、多くの建物を管理する管理会社であれば様々な活用ができるサービスである。

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