不動産トピックス

今週の一冊

2016.06.20 16:48

短時間で「新電力の仕組み」がわかる

かんたん開設!!1時間でわかる電力自由化入門
著 者:江田 健二
発行所:masterpeace
発行日:平成28年1月27日
価 格:1200円(税別)

 4月から始まった電力の完全自由化。一般家庭において電力会社を自由に選択することが可能になった画期的な出来事であり、「新電力(PPS)」と呼ばれる新規参入組も多数登場した。
 電車の中吊り広告をはじめ、街中のポスター、テレビコマーシャル、新聞・雑誌の広告等、様々なシーンで「新電力」について目にする機会が増えたと思うのだが、その実態を正しく把握できている人は意外に少ないのではないだろうか。特別高圧・高圧受電が主流のテナントビルではずいぶん前から新電力へ切り替える動きは顕在化していたが、ごく一部のビルに留まっているというのが実感だ。完全自由化でも「様子見」を継続するビルオーナーは少なくないのである。
 多くの識者が「メリットはあってもデメリットはない」と評価する新電力だが、なぜ切り替えに躊躇するのだろうか。それは「コストが下げられる」というメリットのみが一人歩きし、なぜコスト削減になるのか、具体的な仕組みについて理解が進んでいないためだろう。「新電力事業社が倒産したら停電になる」という誤解があるのも、その証拠だ。
 新電力についてより理解を深めるべきだ。そうした中で非常に読みやすい解説本としておススメなのが本書だ。電力自由化に至る歴史、電力自由化による具体的メリット等、タイトル通り難解だと思われた新電力を「1時間程度」で理解できるはずだ。

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