不動産トピックス

クローズアップ 防災製品編

2015.10.26 17:53

 冬も近づいてきて火災の危険性に対して注意が集まる季節となってきた。しかし、どんなに気をつけていても火災は起こるときには起こってしまうこともあるだろう。火災を起こさないための備えだけではなく万が一の事態に備えることも重要。火災に備えた製品を紹介する。

Clotho パッケージ型消火設備をメンテナンスリースで提供
 総合卸売事業やシステム開発事業、コールセンター事業を行うClotho(東京都墨田区)は、モリタ宮田工業(東京都港区)の製造するパッケージ型自動消火設備「SPRINEX」を共同販売している。
 同製品は従来の水道直結型スプリンクラーと比べて、高い消火性能や感知スピードの速さ、誤作動の少なさ、メンテナンスの簡便性、放射による二次災害の少なさなど様々な利点がある。一方で設備導入費は少額ではないものの、Clothoではそれをメンテナンスリースで提供することで利用者の負担を減らしている。「導入時にメンテナンスリースを組める会社は他にはなく、ここが当社の強みとなっています。導入後のメンテナンスや法定点検費用もリース料に含まれているため、お客様には安心して導入してもらえます」と同社Clothonet事業部の山本尚史氏は語る。
 今年4月から消防法施行令の改正によって、小規模・大規模に関わらず介助が無ければ避難できない高齢者・障害者が入所する施設にはスプリンクラー設備の設置が義務化された。同社は介護事業所を相手とした取引も多いため、今回の法改正に伴いSPRINEXの取り扱いを始めた。
 「SPRINEXはこれまでに社会福祉施設やホテル、飲食店、多用途テナントビルなど幅広く導入されている製品です。全ての建物に導入できるわけではありませんが、消火設備の設置を考える際にお持ちの物件が条件に合致していれば選択肢の一つとして是非ご検討いたきたいと思います」(山本氏)


プラス 大事な書類を守るために延焼を防いで時間を稼ぐ
 文具・事務用品・OA関連商品・事務機器の開発・製造・購買・販売を行うプラス(東京都港区)は、表面が燃えにくい材料を用いた段ボール製の文書保存箱「ワンタッチストッカーD型 フタ式 防炎タイプ」を販売している。
 帳簿書類などの長期保管用に欠かせない文書保存箱。一般的に軽量で丈夫な段ボール箱が利用されているが、万が一火災が発生したら、と不安に感じることもあるだろう。
 同製品は表面に燃えにくい材料を使用した段ボールを採用し、火を近づけても容易に着火せず、炎が出にくいため燃え広がりにくくなっている。プラスが行った防炎性能比較テストによると箱の下から角にバーナーで約10分間火を当てたところ、同社従来タイプの段ボールは燃え尽き中身の書類にも延焼が見られたのに対して、防炎タイプには穴が空いたものの炭化して燃え広がらず中身の書類も無事という結果が得られている。この燃えにくさによって大切な書類の延焼を遅らせることができ、また初期の火災対応・避難に必要な貴重な時間を稼ぐことができる。

リンテック21 地震発生後の通電火災を防ぐ
 屋内の地震対策の専門メーカーとして各種製品の製造・販売を行うリンテック21(東京都港区)は、感電ブレーカーアダプター「ヤモリ」を製造・販売している。感電ブレーカーは大地震発生後の通電火災を防ぐための用品である。通電火災とは、大地震の際に発生した停電が電力会社によって復旧され電気が再通電した際に、地震によって損傷した電気コードのショートや地震で転倒した電気ストーブやヘアドライヤーなど熱源を持った電気製品が可燃物に触れてしまうことが起因となる火災である。通電火災を防ぐためには地震発生後にブレーカーを落とすべきだが、その余裕がない場合も多い。こそで自動的に電気の供給を遮断する感電ブレーカーが必要となる。
 感電ブレーカーには分電盤タイプやコンセントタイプ、簡易タイプがあり、「ヤモリ」は簡易タイプに分類される。タイプにより価格や機能は様々であるが簡易タイプのメリットは安価であることや購入者自身での取り付けが可能であること、それによって普及させやすいことが挙げられる。また、「ヤモリ」は動作部分が箱でおおわれているため汚れや埃による動作不良が起こりづらいことに加え、簡易タイプの中でも誤動作が少ないということが特長である。
 内閣府は今年3月31日、今後10年間で感電ブレーカーの設置率を25%目標とすることを閣議決定しており、感電ブレーカーは今後飛躍的に普及するものと思われる。
 「どのタイプの感電ブレーカーをお選びになるかはお客様がおかれている環境次第ですが、簡易タイプがお客様の建物に合っていると思った場合には、是非当社の『ヤモリ』をご使用ください」(リンテック21 MK営業部 三橋正明氏)

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