不動産トピックス

クローズアップ 置き食品編

2015.03.30 13:40

 オフィスの「置き食品」サービスといえば「オフィスグリコ」が有名だが、近年は健康ブームも相まってスナック菓子以外の食品も求められるようになってきた。今回は総菜、野菜、フルーツなどをオフィスに配達している企業を紹介する。

写植サービス「オフィスおかん」提供
 代々木エリアに拠点を構えるおかん(東京都渋谷区)。同社はオフィス向けに社食の簡易版・食事補助・福利厚生として惣菜や食事などを提供するプチ社食サービス「オフィスおかん」を展開している。
 代表取締役CEOの沢木恵太氏は「『オフィスおかん』は、当社が提供する和惣菜や玄米ご飯、スープやドリンク類など食事全般を提供できるようにオフィスに冷蔵庫あるいは付属のボックスを常設していただき、従業員が食事をしたいタイミングで50円~200円を支払った上で利用していただけるサービスとなっております」と語る。
 「オフィスおかん」で提供する食品の種類はトータルで約50種類。惣菜に関しては特に地方の惣菜店と連携することでこだわりの食材を調達している。「惣菜店は各地にありますがマーケットの縮小に伴って工場の稼働率を余している状況です。惣菜店が元々ターゲットとしていなかったオフィスに食品を提供することで遊休スペース・遊休リソースの活用を目指しています」と沢木氏は言う。
 中小規模事業所への導入が拡大しており、「スペースをとることを避けたい」という理由から常設の冷蔵庫や付属ボックスはコンパクト仕様となっている。企業が社員食堂を設置するためには数千万のコストがかかることが通例であるが、「オフィスおかん」では初期費用を一切必要とせず、月額3万円から利用することができる。
 「私自身が経営コンサルタントとして忙しく働いていた時期があり、当時はオフィスグリコを食事の代替として使用していました。利便性や安さ、お手軽感などがありましたが食事と捉えてしまうと健康的ではない。同じような形で健康的で安心できる食事を提供できるサービスはないかと思い『オフィスおかん』の提供を開始しました。現状では都内23区限定でサービスを提供しておりますが、メニューをさらに拡充し、大阪や名古屋などの都市圏に拠点を拡大していくことを目指していきます」(沢木氏)
Techouse Officeに新鮮なフルーツを配達
 Techouse(東京都渋谷区)では、オフィス向けカットフルーツの定期配送サービス「フルーツハウス」を今月10日から開始した。
 フルーツ事業企画部の杉山大幹氏は「青果店でカットされた新鮮なフルーツを当日中にオフィスに配達させていただいております。フルーツはミシュラン『5ツ星』ホテルに納入されている品質の高いものとなっており、1食200円というコンビニなどの相場よりも安い価格で味わうことができます」と話す。
 オフィスに配達するフルーツの仕入れは青果店オーナーに任しており、季節や旬に合わせたフルーツが提供される。フルーツは生鮮食品のため「美味しく食べられるのは2日間」と杉山氏は言う。配達は週2回。2日間で食べきることのできる分量のフルーツを配達し、不良在庫は全て持ち帰るようにしている。
 「食べたい人が食べた分だけ料金をお支払いいただくというシステムになっており、導入費用は一切かからないことが『フルーツハウス』の特長です。冷蔵庫が無い場合は当社がレンタルを行い、爪楊枝や貯金箱などの備品も全て貸し出します。導入企業は約12社、検討段階の企業も増えてきております」(杉山氏)
 オフィスのリフレッシュメントサービスとしては江崎グリコが展開している「オフィスグリコ」が有名だ。しかし、スナック菓子はカロリーが高く女性やダイエットを気にしている人にはなかなか消費されないという現状がある。一方、フルーツはスナック菓子と比べて約10倍~20倍の差が出るほど低カロリーで「実際に導入いただいている企業でも女性にウケがいい」と杉山氏は自信を見せる。
 「朝食を食べない方やデスクワークが忙しく食事の時間を取ることのできない方が増えてきています。フルーツであれば朝食、おやつの時間、夕飯後などいつでも食べることができ健康的な生活を送ることができます。試食サービスも行っておりますので、ご興味がある方がいればウェブから申し込んでいただければと思います」(杉山氏)

KOMPEITO 生産者とオフィスワーカーを野菜で元気にする
 KOMPEITO(東京都渋谷区)は、オフィスに旬で新鮮な野菜を配達するサービス「OFFICE DE YASAI」を提供している。
 CTOの黒木信吾氏は「野菜は全国で提携している農家や生産者から仕入れており、週替わりで商品のラインアップが変わります。導入費用は1万2000円からとなっており、冷蔵庫はレンタルで貸し出し、50円~100円というワンコインで野菜を食べていただけます」と語る。
 同社が提供する野菜は群馬県の食品工場で洗浄され、商品の衛生面が確保されている。「仕事をしながら手を汚さずに食べることができる」ことも特長のひとつで、朝食や休憩時間、夜食などでの利用ニーズが多い。
 「オフィスを快適にしたい方や社員の健康を考えている企業に導入していただいております。野菜に関心を持ってもらうことが一番の目的ですが、オフィスに様々な色の野菜が配達されることで元気になるという予想外のメリットも出てきているようです。企業によってはミーティングスペースに冷蔵庫を置いていただき、アイスブレークや休憩の合間にコミュニケーションツールとして使用しているところもあります」(黒木氏)
 農家などの立場からすれば自分たちが生産した野菜が誰に食べられているのかわからない状況であった。しかし、同社が野菜をオフィスに配達することで誰に野菜を食べてもらえているかがわかりモチベーション向上にもつながっている。
 「当サービスを活用することで生産者もオフィスワーカーも野菜で元気にすることができます。オフィスで野菜が当たり前に食べられるような文化の普及を目指して今後もビジネスを展開していきます」と黒木氏は意気込む。

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