不動産トピックス

クローズアップ 照明設備編

2014.03.17 10:58

 照明の省エネと言われて、真っ先に思い浮かべるのがLED照明だろう。震災以降、需要が急激に伸び、今では新築ビルはもちろん、既存ビルへの導入も進んでいる。しかし、照明の省エネは何もLEDだけではない。本特集では、既存光源に代替する照明、省エネを実現する安定器、最先端照明の有機ELなど、バラエティに富んだ照明設備を紹介する。

 「照明の省エネといえば、皆さんはLEDなどのランプに目がいきがちですが、実は蛍光灯に入っている安定器を省エネ型に変えるだけで省エネ出来ることをご存知でしょうか」
 このように話すのはビルメンテナンス業とともに環境商材を取り扱うサンビル(東京都品川区)の首藤公明氏。同氏によると、一般的に「40W2灯用の蛍光灯」の場合、「銅鉄型安定器」が内蔵されているが、JIS規格で規定されている3万時間をこえて長時間使用すると定格消費電力以上の90Wから100Wの電力を消費するようになる。この「銅鉄型安定器」を「VF型蛍光灯インバーター安定器」に交換することにより消費電力を約60W程度まで削減できるという。
 「当社は、LED照明などへの器具を更新すること無く、安定器の交換だけで実現するビルの省エネ提案を行っています。更に、この安定器に交換すると、2灯用の蛍光灯でも一灯点灯が可能になりますので、駐車場や廊下などで一層の節電が可能になるし、蛍光管の寿命も約1・5倍になりますので、更に経済的です。また、安定器の発熱量も銅鉄型の半分になりますので空調に対する負荷を低減することができ、空調温度を高く設定することによる省エネも可能です。この安定器の価格は1台につき5500円(工事費別)と安価ですので、投資回収期間が短いのも特徴の一つです」(首藤氏)

 「当社は昨年11月に設立し、高効率照明であるCCFL照明を中心に、お客様のご要望に沿った照明をご提供することが可能です」(取締役事業本部長 森安 晃生氏)
 まだCCFL照明に馴染みのないオーナーも多いと思うが、長寿命と省エネ性の高効率照明という点ではLED照明と同等の性能を有している照明である。さらに、冷陰極蛍光管であるCCFL照明はこれまで長年使われている自然光に近い熱陰極蛍光管である蛍光灯とよく似た構造を持っているので、蛍光灯の代替照明としても違和感のない光を提供することができるのが特徴だ。そうした意味でも、蛍光灯の代替照明として、オフィスは勿論、発熱・チラつきが少ないので、製造工場の検査・品質管理工程での利用、優しい光と飛散防止機能で幼稚園や学校・病院や老人ホームなどで普及が進んでいる。
 「当社としても今後、取引先のCCFL照明メーカーとコラボレーションして、今後は当社ブランドのCCFL照明を特殊なものも開発・販売する予定となっています」(森安氏)

 岩崎電気(東京都中央区)は、屋内の高天井の節電に貢献するLEDランプ「LEDioc LEDアイランプSP 170W」を3日に発売した。
 同製品は、工場、倉庫、体育館等で広く採用されているメタルハライドランプ400W高天井用照明(セード灯)の器具はそのまま、LEDランプと電源ユニットを交換するだけでLED化が可能。メタルハライドランプ400Wと比較し、消費電力を約56%削減、170Wで同等以上の明るさを達成する。
 また、高効率LEDパッケージを採用。専用レンズと組み合わせる同社独自の配光設計により、メタルハライドランプ400Wと同等以上の明るさを実現した。高天井用照明器具(セード灯=ホルダ+セード)のランプと安定器をLEDランプと電源ユニットに交換するだけで、セードなしでも使用可能。大幅な節電とともにCO2排出量の削減、ランプ交換費用の低減や廃棄物削減ができる高効率LEDランプとなっている。加えて、セードなしで使用した場合、定格寿命は約5倍の6万時間となり、夏場高温となる工場・倉庫の使用温度上限は+50度まで対応する。

東芝ライテック(神奈川県横須賀市)は、薄型・均一面発光の有機ELパネルを搭載した「有機ELブランケット」4種類をラインアップし、4月21日から受注を開始する。
 LEDでは均一発光を実現するためにスペースや構造体が必要なのに対して、有機ELは構造体が不要であり高源寺がいた平面均一発光の薄型光源という特徴を有している。今回発売する「有機ELブランケット」は、発行面の輝度均斉度(=最少輝度/平均輝度)0.858の均一発光、薄さ3mmの有機ELパネルを採用。これにより、薄型の器具デザインが可能となり、点灯時には壁面にアクセントをつけ、消灯時には器具の存在感を感じさせない「空間に溶け込む照明」を実現している。

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