不動産トピックス

クローズアップ 遮熱製品編

2013.03.25 16:43

 省エネ・節電対策はビルオーナーにとって必須の取り組みとなっている。屋上や窓の遮熱対策は効果的にビル内の温度を下げるため、空調の使用エネルギー量を削減も期待できる。今回遮熱製品にスポットをあて、遮熱塗料や遮熱断熱フィルムなど各社の製品を紹介する。省エネ・節電対策を検討してるオーナーは是非参考にしてみて欲しい。

住友スリーエム 夏冬を通じて省エネ・節電に貢献する透明遮熱断熱フィルム
 ウインドウフィルムのパイオニアである住友スリーエム(東京都世田谷区)は夏冬を通じて省エネ・節電に貢献する透明性が高い遮熱断熱フィルム「3M(TM) スコッチティント(TM) ウインドウフィルム LE65CLAR」の販売を行っている。
 昨年の省エネ・節電への意識の高まりから、夏季の空調負荷の軽減に効果的な透明遮熱フィルムが多くのオフィスビル、商業施設などで採用されている。透明性が高く眺望を遮らない特性や、自信をはじめとした災害時にガラスの飛散を抑制する機能も評価されていることに加え、通年で空調負荷の軽減効果を発揮する遮熱性能と断熱性能を両立したウインドウフィルムへの期待が高まっているという。
 「3M(TM) スコッチティント(TM) ウインドウフィルム LE65CLAR」は透明性、遮熱、飛散防止に加え、冬季の断熱性能を兼ね備えたウインドウフィルムとなっている。金属層を持つポリエステルフィルムという構成により窓ガラスから室内へ侵入する日射熱を焼く40%カットする遮熱効果があり、夏季の室温上昇を抑制。さらに金属層とその室内側に施したハードコート層の最適化によって室内の熱を効率的に反射できるので、室内が暖かい冬季には窓ガラスから室外へ出ていく熱量を20%軽減する効果を発揮し、室温低下を抑制する。
 また、ハードコート層があることで施工作業性や日常のメンテナンス性を損なうことがないうえ、JISが定める飛散防止性能や紫外線カットの特性も兼ね備えている。

ミラクール 高い遮熱効果を発揮 多くの建物に採用実績あり
 遮熱塗料「ミラクール」を販売しているミラクール(東京都中央区)。「ミラクール」は太陽エネルギーに含まれる熱の元となる近赤外線を効果的に反射し、建物の屋根や壁の温度上昇を抑制することにより室温上昇を防ぎ、冷房負荷を低減することができる。建築物の表面に塗装するだけで高い効果を発揮するため、短期工施工を実現。建て替えの必要がない環境対策・コストダウン対策として評価を得ているという。
 施工素材や施工領域を選らばないことも大きな特徴。コンクリート、各種鋼板など様々な建材に対応が可能となっている。カラーバリエーションも豊富で17種類ラインアップ。既存の屋根に合わせた設計を組むことが可能でビルや工場、住宅のほか道路や畜舎などでも採用されている。
 「従業員のために夏場の労働環境を改善したい」、「電気料金を削減したい」と考え、導入を決める企業が多いという。同社には実際に塗装をした企業から「施工する前は屋根が手で触っていられないほど熱かったが、施工後は触れるようになり、表面温度も最大11.4度下がった」、「塗装後は猛暑日は倉庫内がひんやり感じる位に屋根からの輻射熱が減った。熱線膨張の為か朝晩に変な音が聞こえていたのが『ミラクール』塗装後には一切音がしなくなった」など喜びの声が寄せされているという。
 「ミラクール」は平成8年から発売されており、全国各地で数千件以上の実績がある。「リピーターとなる企業もおり、うれしく思っています。遮熱塗料を販売している会社はいくつもあります。低価格を売りにしているところもありますが、中には2.3年で効果を発揮しなくなったケースもあるようです。しっかりと見極めることも大切でしょう」(常務取締役 深江典之氏)

日本中央研究所 真球状粒子を応用した遮熱塗料
 平成18年設立の日本中央研究所(東京都江東区)。酸化物セラミック粉(シリカ、アルミナ、複合酸化物)の企画・開発・販売や、遮熱対応建材の企画・開発・製造・販売を行っている。
 同社の主力製品である「アドグリーンコート」は世界最高峰の超微粒子・真球無孔質ファインセラミック(アドマファイン)を用いた遮熱塗料となっている。通常、セラミック系の遮熱塗料は多孔質で非熱伝導性の中空セラミックバルーンが採用されているが、アドグリーンコートには真球状で無孔質、表面がなめらかな0.5ミクロンの微粒子を採用した。このため赤外線領域の反射率のみならず、排熱性も高くエアコン効率の向上や省エネ・省CO2に高い効果が期待できる。粒子も密で塗布後の塗料表面もなめらかでざらつきが無く、汚れが付着し難いことから効果が長期間維持されるという。実際同社には「夏場エアコンの設定温度を20度から28度に変更しても快適に過ごせるようになった」、「6年たった今でも機能性は落ちていません。建物の美観も保たれています」とコメントが寄せられている。
 「テナントを誘致する際『遮熱塗料を塗っている』ということは一つのメリットになると思います。また『省エネ対策』は永遠のテーマだと感じています。建物の規模にもよりますが、地上5階建て程度のビルであれば、10%から15%の電気使用量の削減ができると思います。」(営業部 田口道之氏)
 日本だけに留まらず海外への販売も行っている同社。今後もさらなる拡大を目指していくという。

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