不動産トピックス

クローズアップ システムソリューション編

2013.01.07 16:17

 不動産業界のIT化は他業界に比べて遅れているといわれている。従来の不動産業界の泥臭さも必要ではあるが、業務を効率化することで営業力の強化やコスト削減につがなることもあるだろう。今回のクローズアップでは、「システムソリューション」をテーマにして、不動産業に特化したシステムソリューションを紹介する。日頃、非効率な業務にお悩みの読者は導入を検討してみてはいかがだろうか。

コンシスト 不動産に特化したセミオーダー型業務システム
 コンシスト(東京都千代田区)は、日本政策投資銀行の関係会社として情報システムソリューションを展開しており、不動産会社向けにセミオーダー型業務システムとして「不動産管理スケルトンパッケージ」を提案している。
 不動産業界のIT化は他の業界に比べて遅れているといわれているが、実際に賃貸管理業務に関する契約書類の作成などを未だに手書きで行っている不動産会社も多いのではないだろうか。同社が提案するシステムは、「物件管理」「取引先管理」「契約管理」に加えて、「請求管理」「入金管理」「支払管理」「会計連携」といった不動産賃貸管理業務に必要な基本機能を備えており、従来手書きで行っていた業務を大幅に効率化することが可能となっている。
 こうした業務システムが不動産業界への普及が進まない理由のひとつとして挙げられるのは、システム導入費用が高額である点だろう。この点については、同社の業務システムは基本的な機能に絞り、従来カスタマイズでしか叶えられなかったユーザーに合わせた機能の調整をセミオーダーとして無償対応していることから同社比で3割の費用削減を実現。さらに競合する不動産管理システムと比較しても導入費用が低く、導入障壁となっていたコストの問題も解消しているのが特徴といえる。
 「当社の不動産管理システムは、中小・中堅企業を対象としていますので、基本機能に絞り導入費用を抑えています。とはいえ、企業によっては基本機能に付け加えてほしい機能もあると思います。この点については、オプション機能の追加やカスタマイズも可能となっておりますので、クライアントの方のご希望に沿ったシステムのご提案が可能です。また、当社は日本政策投資銀行の関係会社であることから、企業として高い信頼性を担保している点もユーザーの方からご評価いただいています」(ソリューション事業本部 第3グループ長 プロジェクトマネージャー 矢田 昌宏氏)

みずほ情報総研 不動産業を対象とする顧客動向分析システム
 みずほ情報総研(東京都千代田区)は、不動産業を対象とする顧客動向分析システム「CATS―SC」を販売している。
 不動産分譲においては、モデルルームや販売拠点におけるアンケートや訪問記録などでユーザーの声を集め、顧客対応に活用することが重要となる。しかし、実際には収集した顧客情報がモデルルームや拠点ごとに管理されるなど、本社と各拠点、拠点間における情報共有が課題となっているという声も聞かれる。
 「CATS―SC」は、購入見込み客の属性管理だけでなく、問い合わせから契約、引き渡しに至るまで取引・折衝履歴を体系的に管理することにより、顧客情報資産の有効活用を支援するパッケージソフトウェア。システム内部で顧客情報資産を時系列に蓄積し、本社サーバーで一元的に管理することで、本社・支店・販売拠点での情報共有を実現する。情報の分析機能では、対象範囲を前者や地域など自由に指定可能とするほか、認知媒体、予算、年収といった項目から任意の組み合わせでクロス集計を行うなど、各項目の依存関係を定量的に比較することもできる。その他、アンケートの集計、営業週報の作成、分譲物件の「販売状況図」の作成など、各販売拠点における定型業務を自動化する。また、不動産業において要望の多い「地図情報エクスポート機能」は、特定の条件で抽出したユーザーの所在地データを出力することができる。このデータを地図ソフトに読み込ませることにより、見込み顧客の分布を把握することができる。本システムは、頻繁に変化する販売拠点での利用を想定し、WEBシステムを採用しており、クライアントPC側はWEBブラウザを搭載していれば利用を開始することができる。同時に、厳格な管理が求められる個人情報をクライアントPCには残さないため、情報管理面での安全性向上にも寄与する。

弥生 簡単入力の会計業務ソフト
 業務ソフト「弥生シリーズ」を提供する弥生(東京都千代田区)は昨年11月、新たな機能を拡充した「弥生13シリーズ」を販売。また個人事業主向けに「青色申告応援プロジェクト」を昨年12月から開始している。
 「弊社調査によると年収500万円以下の個人事業主の方で白色申告している割合は約30%となります。白色申告に比べて青色申告は記帳方法が複雑ですが、65万円の控除を受けることができる、赤字を繰り越せるといったメリットを享受することができます」(マーケティング本部 広報 谷口 祥子氏)
 とはいえ、個人オーナーの多くは帳簿付けについては税理士にまかせっきり。自ら帳簿を付けるとなると、複式簿記による記帳が必要な青色申告に対して高いハードルを感じるのではないだろうか。同社が展開する「弥生会計」は、日々の帳簿付けから決算書の作成まで、専門的な知識が無くても誰でも簡単に入力できるのが最大の特徴となっており、これまで税理士にお任せだった個人オーナーでもすぐに会計業務をはじめることができる。また、不動産のテンプレートも用意されており、煩わしい設定も必要ない。
 「『青色申告応援プロジェクト』では個人事業主向けに青色申告のメリットと節税ポイントに関するセミナーを随時開催しており、個人事業主の青色申告のサポートも行っています」(谷口氏)
 右肩上がりの不動産市況の頃は、どんぶり勘定でも不動産経営は成り立っていたかもしれない。しかし、現在は不動産不況化の真只中である。個人オーナーといえど、基本的な会計の知識を学び、自身の不動産経営における財務的な問題点をしっかりと把握しておくべきであると言えるだろう。

リーフワークス 不動産会社向け物件検索システム
 WEBシステムのパッケージ製品を提供するリーフワークス(滋賀県高島市)は、不動産会社に好評の物件検索システム「サーチプラスfor不動産」に会員機能を追加し、会員限定物件や検討中リストなどの機能が使用できるフルパッケージ版をリリース。ASP版、ダウンロード版での提供を開始した。
 今回リリースしたフルパッケージ版は、サーチプラスfor不動産の「マルチアカウント版」に加えて会員機能が追加された製品となり、会員制の物件検索サイトの運営に必要な機能一式を全て盛り込んだ、フル機能のパッケージとなる。
 追加された主な機能として、会員機能は登録を行いログインすることで様々な機能が利用可能となるのが特徴。管理者では、会員の登録情報のCSVダウンロードや、検討中の物件を確認することが可能となる。また、お気に入りリストを使用することも可能。気に入った物件や検討中の物件をお気に入りに追加することで、物件の比較や後日の確認、携帯・スマートフォンからの問い合わせもできる。製品の価格は、ダウンロード版が24万8000円。ASP版が初期5万2500円、月額3万1500円となっている。

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