不動産トピックス

クローズアップ 落雷対策編

2012.10.29 17:54

 今日、ビルにおける電力はますます重要度を増している。オフィスにはOA機器が、住宅にはIT技術が組み込まれた家電製品が並び、電気やガス、水道までも電力で制御されているビルも珍しくない。現代のビルにおいて、電力とはまさにライフラインの筆頭といっていいが、その電力供給に対して大きな脅威となる可能性を持っているのが「落雷」だ。特にここ数年、ヒートアイランドなどの影響などによりその回数や規模は大きくなりつつあるという。落雷対策としては古くから避雷針があるが、精密機器が増加した現在、さらに多角的な対策が必要とされている。

落雷抑制システムズ 雷対策を根本から変える「真の避雷針」雷を落とさないバリアーを発生
 落雷と聞いて思い浮かべるのが避雷針。しかし避雷針は雷を「避ける」ものではなく、雷を誘導して安全に「落とす」ために設けるものである。また落雷時、架線を伝わってビル内に流れてくる電流を防ぐための遮断システムなどもあるが、これも雷が落ちることを前提とした設備である。
 落雷抑制システムズ(横浜市中区)の「PDCE」は従来の落雷対策の概念を覆す製品。落雷を抑制することができる「真の避雷針」だ。雷のシステムを簡単にいえば、雷雲の下部に溜まったマイナス電荷と地面に溜まったプラス電荷の間の通電だ。まず雷雲から地面へ向けた「先駆放電」が始まると、地面からも雷雲へ向けた小規模な「お迎え放電」が始まる。そして両方からの放電が繋がり、より大きな放電となったものが落雷だ。つまり落雷を防ぐためには雷雲からの「先駆放電」か、地面からの「お迎え放電」を防げばよいのである。
 「PDCE」は建物上部に一種のキャパシタ(蓄電器)を装備し、雷雲に対する面にマイナス電荷をもたせることで「お迎え放電」を抑制し、落雷を防ぐという仕組みだ。高さ20mに設置した場合の有効範囲は半径100m。この範囲内の効果は99%だという。ビルはもちろん空港やアンテナ、ゴルフ場や学校などでも効果が期待できる。これまで地上120mの高さを誇る「牛久大仏」や地球深部探査船「ちきゅう」などにも設置され効果を上げている。雷が落ちたときの対策も重要だが、これからの落雷対策は「落とさない」という観点も必要だろう。

東北物産 多様なSPDラインアップで総合的落雷対策
 落雷対策で気をつけなければならないのは、雷の直撃だけではない。電力線や通信線などを伝わって建物内に侵入する「雷サージ」への対策もまた重要なのである。
 「雷サージ」とは、落雷の影響により発生した高電圧などを指す言葉だ。例えば送電線などに雷が落ちた場合、通常よりはるかに大きな電力が架線を伝わってビル内へと流れることになるが、これによりビル内のあらゆる電気機器が多大な影響を受ける。電化製品の故障やIT機器のデータ消失の他、場合によってはエレベーターやセキュリティなどビルの機能そのものに影響を及ぼす可能性もあるのだ。
 こうした事態に備える機器として「SPD(サージ保護デバイス)」が知られている。その仕組みは一般的に、過度な電流(サージ)を分流して地面のアースなどに流すもの。東北物産(秋田県秋田市)のPSDは電源用からネットワーク用、電話回線用、監視カメラ用、テレビアンテナ用などをラインアップし、ビル内のあらゆる機器に対応している。同社では製品の販売・施工以外にも雷害リスク診断や保護システムの提案なども実施。ビルにおける総合的な落雷対策が可能となっている。

サンコーシャ 効率的な管理・監視ができるスマートSPD
 ビルの落雷対策製品として一般化している「SPD(サージ保護デバイス)」だが、サージを分流させる以上の機能をもつ製品は少ない。サンコーシヤ(東京都品川区)の「Smart SPDシステム」は、「雷サージ計測機能」を搭載。雷サージの計測情報を記録するほか、情報を演算することで機器の交換推奨時期を表示する。故障や劣化などで機能が失われる前に交換することが可能となり、雷に対して無防備な期間を無くすことができる。
 SPD本体には雷サージ電流計測機能を搭載。計測により得られた計算値からSPDの劣化度合いを演算し、交換推奨時期をランプで知らせる。さらに雷サージを受けた回数も表示でき、SPDの効果を確認できる。
 さらにカラー液晶モニターを接続すれば、最大50台の「Smart SPD」の情報が表示可能となる。LANに接続することでパソコンからの遠隔監視も可能。交換推奨時期の表示やサージ情報などの各種情報を一元管理できるため、より効率的かつ計画的なPSDの運用につながる。


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