不動産トピックス

クローズアップ 窓遮熱編

2012.07.23 17:29

 梅雨も明け、今年も暑い夏がやってきた。昨年に引き続き今夏も省エネ・節電はビルオーナー必須の取り組みであるが、空調の音頭を通常よりも高めにする「我慢の省エネ・節電」を今年もテナントに強いるわけにはいかないだろう。そこでお勧めなのが「窓の遮熱」。その手法は塗料の塗布やフィルムの貼付、ブラインドの設置など様々であるが、太陽熱の影響を軽減し空調負荷を低減するには、どれも効果的である。我慢のいらない省エネ・節電をぜひ目指していただきたい。

染めQテクノロジィ 15%以上の省エネを実現する遮熱塗料
 染めQテクノロジィ(茨城県猿島郡五霞町)は、窓の遮熱に効果を発揮する塗料「遮熱WINDOW」を開発・販売している。
 日差しが強い真夏は、窓からの太陽熱の侵入による室内温度の上昇が顕著に見られ、その結果、空調負荷が高まり、現在ビルに求められている省エネ・節電の取り組みが阻害されるケースも多く見受けられる。空調の省エネは高効率の空調機器への更新が最も効果的な手段であるが、外気温との関係を踏まえて、窓の遮熱を行うことも必要不可欠な取り組みである。
 染めQテクノロジィは、もともと自動車や建築用の塗料メーカーとして実績を重ねてきた。こうした実績をもとに新たに開発されたのが染色型塗料「染めQシリーズ」である。最先端のナノテクノロジーによりあらゆる素材に塗布が可能となった同シリーズは、トイレ便器からカーペットのリニューアルといった用途にも活用され、大きな反響を得た。この技術が活用されたのが遮熱塗料「遮熱WINDOW」となる。その特徴は、優れた省エネ性能と長期間効果が持続する点にあり、夏季の室内温度上昇を防ぐことでエネルギー使用量を15%以上削減でき、さらにその効果は10年以上持続するという。
 「当社は塗料業界に流通革命を起こすべく、新製品の開発や販売網の構築など積極的に取り組んでいます。『遮熱WINDOW』の開発もまさにそうした取り組みの一環です。同製品は窓だけでなく、屋上や外壁、アスファルトにも塗布することができますので、より効果的な省エネを実現することができます」(藤倉氏)
 遮熱シリーズ製品は窓だけでなく、屋上や外壁には「遮熱ROOF」、「遮熱WALL」、アスファルトにも塗布することが可能(「遮熱ROAD」)。

トーソー コントラクト向けブラインドのラインアップ拡充
 総合インテリアメーカーであるトーソー(東京都中央区)は、従来の住宅向けブラインド製品のラインアップに加え、昨年からオフィスビルなどのコントラクト向けの製品開発にも注力している。
 「現在、ブラインド市場においても省エネ・環境は重要なキーワードとなっており、窓に対する省エネ対策の必要性が叫ばれるようになっています。オフィスビル向けの様々なブラインドが市場に出そろっていますが、当社はコントラクト向けブラインドの分野においても他社に先駆けて省エネ・環境性能を意識した製品開発を行ってきました」(経営企画室長 笠井 浩太氏)
 コントラクト向けのブラインド市場において、同社は立川ブラインド工業、ニチベイに次ぐ第3位のシェアを持つ。とはいえ、これまで住宅向け製品が中心であった同社が、昨年からコントラクト向け製品の開発に注力している背景には、笠井氏が話すように省エネ・環境配慮に対するニーズが高まっている点が挙げられる。こうしたニーズに応えるため、昨年10月には清水建設と共同で「グラデーションブラインド」を開発。同製品は自然光を採り入れることで、日中に使用する照明の数を減らすことを可能としており、電力コストの削減にもつながる省エネ型ブラインドとなっている。
 「今後は省エネ・環境に対応する製品開発と提案型営業を軸にオフィスビル市場のシェアを伸ばしていきたいと考えています」(笠井氏)
 また、同社は6月1日からブラインド・ロールスクリーンなど窓周り製品の上部カバー「マルチバランス」の販売を開始。同製品の導入により、デザイン性と断熱性能の向上が可能となる。

住友スリーエム 日本初のCPマーク対応の窓ガラスフィルム
 住友スリーエム(東京都世田谷区)は、6月下旬から「防犯性能の高い建物部品」に認定され、「CPマーク」に対応した窓ガラス用遮熱フィルム「3MスコッチティントウインドフィルムNano80CP」の販売を開始している。
 日本初の「CPマーク」に対応した遮熱性能、ガラス飛散防止性能を有した窓ガラス用フィルムである同製品。3M独自の薄膜積層技術を用いた、特殊ポリエステルのフィルムを200層以上積層した多層構造のフィルムである。窓ガラスに貼付することで、暑さの原因になる太陽光線の赤外線を90%以上、紫外線を99%以上カットするので、空調負荷の低減と窓際の快適性を実現し、併せて室内の家具や調度品などの褪色を抑制する。高い遮熱性能を実現しながら、可視線透過率83%を実現しているので、ガラスに貼付してもガラス本来の持つ透明性を損なわないのが特長となる。
 また、同製品は従来の反射タイプの遮熱フィルムのように金属膜を用いていないため、携帯電話などの電波環境に影響を及ぼさず、JIS規格のガラス飛散防止性能を満たしており、人体衝突や地震などによりガラスが割れた際のガラス片の飛散を抑制する効果を発揮する。

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