不動産トピックス

クローズアップ 緑化編

2012.03.26 16:10

 屋上緑化の助成制度の広がりと共に導入が進む建築物への緑化。現在はテナント企業に環境配慮の考え方が浸透し、本格的な緑化工法を取り入れるビルが増えている。さらに、無機質なオフィスビルに緑を取り入れることによって労働環境の向上も図れる実用性の高い緑化工法も続々登場。今回は、快適環境や意匠性を向上させる緑化工法に注目した。

日本地工 簡単施工で大規模緑化を実現
 大地の力学的要素に着目し、その力を効果的に機能させるアンカー、接地製品・工法などを展開する日本地工(埼玉県川口市)は、植物を育む土の生化学機能を強化・向上させる緑化資材の開発にも注力している。同社を代表する緑化資材がカセット式多機能緑化システム「マジカルグリ~ン」だ。
 同システムは各パーツを組み合わせたカセット式を採用したことで簡単施工を実現。ポット形状になった緑化基盤を敷き詰めるだけで施工でき、現場での植栽もスムーズに行える。また、屋上の防水改修工における一時的な撤去も比較的容易に行えるので、施工コスト・期間の大幅な削減が可能。さらに、屋上平面だけでなく、傾斜や壁面、折半屋根などの多用途に導入できるのも魅力だ。
 「一般の緑化システムは土壌の上にマルチング材を設置するなど、飛散対策を別途行う必要がありますが、当製品は土壌全体がケースで覆われ、土壌の飛散や流失の心配がありません。また、自社開発製品のため、製品製造から導入時のコンサルティング、施工・メンテナンスまで一貫したサポート体制を整えています」(同社環境緑化課 栁澤 美里氏)
 導入後のメンテナンスも基本的に手間がかからない工夫がなされている。例えば、ポット植え込み式のため、植栽した一部の植物が枯れた場合でもポットの差し替えによって簡単に捕植ができる他、自動灌水装置によって年間単位で制御が可能である。

共和ハーモテック ヨーロッパでポピュラーなジャカゴを使用した石詰めの緑化壁
 近年、都市の空間設計として意匠性を重視する「ランドスケープ」という考え方が浸透し、独自のデザインを求めるユーザーが増えてきた。それに伴い、従来土木工法のひとつであるジャカゴを利用した石詰めの修景材に注目が集まっている。
 数多くの土木製品を開発・展開している共和ハーモテック(大阪市淀川区)は、土留や護岸工事の技術を応用した新型都市景観工「ディアウォール」を開発した。
 「ヨーロッパではジャカゴを使った石詰めの壁はポピュラーです。北京五輪のメインスタジアム『鳥の巣』の設計デザイナーがアメリカのワイン工場の壁面一面に導入した建築が有名で、それを知った国内の設計事務所からの引き合いが増えています」(同社景観デザイン室 室長 星野淳一氏)
 同製品はカゴ内に石材、木材などの自然素材や現地発生コンクリートガラを投入出来ると同時に美観に優れた垣根・壁を構築できる意匠性の高さが最大の魅力。ジャカゴ下部地面にツタ類を植栽し、カゴ表面にツタを絡ませることで緑化が可能になった。
 「カゴ内に不織布を貼れば、土を入れることも可能です。内部の土に植栽することで大規模な緑化も施せます」(星野氏)
 カゴ内に鉄骨支持材を内蔵したり、RC壁などの躯体に固定すれば耐震性を損なうことなく、薄型の壁を構築することができる。設置場所やデザインに合わせたオーダー形状の対応が可能、また、大型重機を使用しない施工の簡単さも魅力といえる。

杉孝 生産からメンテまで一貫体制
 杉孝(川崎市川崎区)が展開する「SUGIKO緑化ウォール」は、生産から施工、メンテナンスまで、一貫体制で行う壁面緑化システムだ。
 ラインアップは4タイプ。30cm四方の緑化パネルを組み合わせて設置する「SR‐P」は、設置したその日から緑地が確保される。独自開発のパネルは植物配列も細かく組み替えも自由で、企業のロゴマークやキャラクターなどを壁面緑化で表現することも可能だ。
 つる性植物を巻付ける金網とプランターを一体化させた「SR‐C」は、事前に農場で養生を行うため設置初期における高い緑被率を可能にした。厳しい風環境にも耐える壁面緑化を実現できる。
 つる性植物を巻付けるワイヤーやネットなどをシステム化させた「SR‐F」は、植物を登はんもしくは下垂させるシステム。ワイヤーやネット、メッシュ、マットなど様々なタイプがあり、状況に応じた緑化が可能。  工事現場の仮囲いに緑化を施した「SR‐K」はレンタルも可能。設置から維持管理、解体まで一貫して行うため、工事現場のマイナスイメージを手軽に払拭できる。
 同社都市緑化部の並河部長は「壁面緑化はメンテナンスを行わないと見栄えも悪くなり、枯れてしまうこともあります」と強調。施工件数日本一の実績も、生産からメンテナンスまで一貫して行うシステムの賜物だ。


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