不動産トピックス

クローズアップ 家具・什器編

2012.02.13 17:23

 テナントにとって入居するビルの共有部に備わった設備は非常に重要だが、専有部分において快適な空間を生み出すのはテナントの努力次第。今回は快適かつ利便性の高い空間作りに欠かせないオフィス家具・什器を紹介しよう。

SUS 自由にレイアウトを組め設置場所を選ばない
 存在感のあるアルミ押出材を駆使したシャープなデザインが特長の収納棚「GridShelf」。4種類の基本パーツを組み合わせるだけで、自由なレイアウトが組め、あらゆる場所に設置できる優れものだ。さらに、アルミ材の小口面をむき出しにすることで独特のデザインを提供することに成功している。
 同製品を開発・販売しているのは、アルミ材の国内大手メーカーSUS(静岡市駿河区)。同社の中核事業はアルミ材を用いたオートメーション機械の製造だが、建築にアルミ材を使用できるようになったのを機に建築・インテリア分野に参入することになった。
 「従来のアルミ製の家具は高価で、固定サイズしかなく、非常に入手しにくい製品でした。しかし、当製品はパーツを追加することでレイアウトを自由に変更できるのが最大の特長です。設置場所に合わせて大きさを変更したり、分割することも可能ですから、引越しした際に設置場所に困ることはありません」(エコムスマーケティングチーム 小嶋氏)
 アルミの硬質感が魅力の同製品だが、棚板の薄さはわずか10mm。強度面で若干不安があるが、「標準サイズの場合、20kgの対荷重があるので、簡単には折れ曲がりません。また、レイアウトを横長にした場合は補強材料を入れるので強度に問題はありません」(小嶋氏)

トマトランド 万引きを未然に防ぐ超硬質防犯ケース
 DVDのセキュリティケースやセキュリティ備品など、店舗向けの防犯セキュリティ製品を多数開発する什器メーカーのトマトランド(大阪府東大阪市)では、高級化粧品や医薬品に対応した万引き防止用の防犯ケース「Dr.ロックン」を展開。万引きによる被害を未然に防ぐことができることから、ドラッグストアなどに導入が進んでいる。同社営業部の臼井氏は同製品の特長をこう話す。
 「一見透明のプラスチックケースのようですが、実はジャンボ機の窓ガラス等に使用される強化素材を採用し、例えハンマーで叩いても壊れません。ケースを壊す前に中身が壊れてしまうため、転売はもちろん自分で使用することもできません。最近の万引きは転売目的なので当製品によって万引きを諦めさせることができます」
 ドラッグストアが取り扱う商品の中には、1万円以上する高級化粧品や医薬品もあり、そうした製品は万引きを防ぐために空箱のみを陳列していたり、ショーケース内に入れて触れられないようにしている。しかし、こうした対策は現物を手に取れないため、売り上げが下落するというデメリットも大きくなるという。
 「従来の万引き対策のデメリットを克服したのが当製品です。さらに、販売した数だけ製品を補充ができるので、商品管理の手間など大幅な削減も可能になりました」(臼井氏)
 あらゆる商品に対応できるように、29種類のサイズを用意。専用解除器で簡単にケースを解除できるため、会計時の混雑も心配無用だという。

ライオン事務器 日本人の体形変化に合わせたオフィスデスク
 ライオン事務器(東京都中野区)は、下肢を中心に体格が大きくなってきた日本人の体格変化に対応し、同社の人気製品であるビジネスデスク「XDHシリーズ」をフルリニューアル。パソコン作業が急増した現代のオフィス環境に合わせた仕様にするため、デスクの高さ720mmを標準モジュールとし、袖引き出しの収納容量を増加した。
 同製品のリニューアルポイントは大きく3点、1点目は、デスクの高さが20mm高くなったことにより、足元にゆとりが生まれ、収納力がアップ。2点目は、天板上部の配線カバーには軟質樹脂を使用しており、任意の位置で天板からパソコンなどのケーブルを落とし込むことができ、高い配線処理を実現した。3点目は地震対策に配慮し、ワゴンや袖引き出しのほか、中央引き出しにもラッチ機構を採用。地震等で引き出しが飛び出して通路をふさいでしまうという危険性を大幅に軽減することが可能だ。

ドリームウェア 人体工学に基づいた腰をいたわる快適チェア
 現代のオフィス環境はデスクワークが大半を占め、特にPC作業の増大により、腰だけでなく、目、首、肩など、様々な部位への負担が増加している。中でも、椅子に座っている時の腰への負担は直立姿勢時の1・5倍もあり、体に合わない椅子に長時間座っていると慢性的な腰痛や背骨を傷める原因となる。
 そうした背景から、輸入家具の国内販売を手がけるドリームウェア(東京都新宿区)は、腰への負担を極限まで軽減するデスクチェア「DUOREST」を展開している。
 同製品は、ドイツハンブルク専門大学のマティアス・ブリニッヒ氏が、自在に動き、腰を両脇から包み込む2つの背もたれを考案。腰への負担を20~30kgも軽減することができる。
 「通常の椅子は背もたれが1枚のため、腰にかかる負担が1点に集中しますが、当製品は左右2つの背もたれが分かれているので、均等に圧力が分散して腰を優しく包み込みます。さらに、背柱を圧迫しないので腰痛の方にも優しい構造となっています」(営業企画課課長 石井氏)
 また、同製品は性能別に様々なシリーズを展開している。例えば、人気のαシリーズは座面にメッシュ素材を採用してムレを軽減している他、肘掛けの高さや座面の高さ、奥行きも調整でき、使用者のサイズにフィットさせることができるのも魅力である。

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