不動産トピックス

クローズアップ 空気清浄機編

2012.02.06 13:47

 換気が怠りがちになる冬季は、空調の使用などによる乾燥など室内空気環境が悪化しかねない。快適な空気環境の実現は、オフィス内のみならずビル全体の課題だ。花粉のシーズンも近づく今、室内空気環境について今一度見直したい。

盛和工業 光職場採用の「プロ仕様」
 「スーパー・クリーン・シリーズ」は、盛和工業(横浜市都筑区)が展開する光触媒を利用した空気清浄機シリーズ。多くの医療機関や福祉施設、大学などに納入実績のある「プロ仕様」の製品だ。
 光触媒とは光を照射することで起こる化学反応の一種。一般的には殺菌作用を持つ酸化チタンが知られているが、同社の製品もこの作用を応用したもの。例えば室内に漂ってアレルギー反応を起こすVOC(揮発性有機化合物)の種類は数百におよぶといわれているが、同社の空気清浄機はこのVOCのみならず臭気や煙草の煙、ダニの死骸、花粉、排ガスからウイルス、細菌まで除去する効果が確認されている。この効果をもたらす光触媒セラミックフィルターは東京大学や科学技術支援機構と共同開発したもの。従来の光触媒フィルターに比べ気孔が入り組んだ構造をしており、より高い性能を実現したという。
 空気清浄のメカニズムは3段階で、まずプレフィルターと集塵効率99・7%のHEPAフィルターが煙や臭い、花粉などをキャッチ。続いて光触媒セラミックフィルターが有害物質を分解し、残った汚れや臭いを特殊吸着分解フィルターがカットするというもの。
ラインアップも幅広く、卓上タイプなどの家庭用から天井はめ込みタイプ、建物全体の処理も可能な大型プラントタイプまで用意。さらに使用状況やニーズに応じたオーダーも可能となっている。
「光触媒は日本が誇る世界一の技術です」と話すのは同社会長の栗屋野氏。技術が可能にした高性能空気清浄機は、新たな潮流になりつつある。

三協エアテック 加湿・空気清浄の一台二役
 三協エアテック(大阪市北区)の「うるおリッチPV」は、空気清浄機と加湿器の機能を併せ持った「空気清浄加湿機」。機能を使い分けられるほか、同時運転も可能だ。
 加湿には「透湿膜式」を採用。水中の不純物が透湿膜で遮断され、一般的な「気化式」や「蒸気式」に比べて清浄な水蒸気で加湿することが可能だ。消費電力も少なく、省エネかつクリーンな加湿を実現したという。
 加湿・清浄の仕組みはまず「プレフィルタ」が比較的大きな粉塵を除去。「プロテイドフィルタ」が小さな粉塵を除去するとともにウイルスなどを不活化・殺菌。「透湿膜」が湿度を与え、「プラズマイオンベイパー」がプラズマイオンと水蒸気を安定して放出する。細菌・ウイルスの殺菌・不活化および徐塵効率はいずれも99%以上という性能を実現。1台で約150m2まで対応し、キャスター付きで移動も可能だ。
 同社環境機器部の青木氏は「空気清浄と加湿というオフィスワーカーの希望をかなえる製品です」と話す。天井埋め込みタイプも用意されており、様々な場所での使用にも対応している。

アイズ・オン モーターの無い静音設計
 アイズ・オン(東京都港区)が展開する「JUNFU」シリーズは、オゾンといわゆるマイナスイオンと利用した除菌・脱臭装置。臭いの発生や菌、カビ等の繁殖を抑制して自然に近い爽やかな空気をつくりだすという。
 強い酸化力で除菌やウイルスの不活化、脱臭などに効果があるとされるオゾンは以前から浄水場での殺菌など様々な分野で採用されてきた。「JUNFU」はその効果を室内の除菌・脱臭に応用。さらに空気中の原子や分子がマイナスに帯電したいわゆるマイナスイオンの発生機能も搭載した。マイナスイオンに包み込まれたオゾンはイオン風(マイナスイオン生成時に生じる)に乗り、部屋の隅々まで拡散するという。
 ラインアップは壁掛け式の「BU―001」と、車載用に開発された「VU―001」の2機種。「BU―001」は26mmの厚みをもつ約120mmの正方形で、コンパクトながら約14畳までの除菌・脱臭が可能。「VU―001」は最大直径66・7mm、高さ112・4mmで、車のカップホルダーにすっきり収まるサイズ。こちらは約4・5畳までと車載用には充分な性能を備え、ACアダプターを使えばデスク上などでも使用可能だ。いずれもフィルター型の空気清浄機とは異なりファンがないため運転時はほとんど無音。ホテルなどで多く採用されているというのもうなずける。使用状況にもよるがメンテナンスは月に1回程度、内蔵されたオゾンおよびマイナスイオン発生部を綿棒などで拭うだけという簡便さを実現した。
 同社代表の河野氏が「小型で静か、経済的な除菌・脱臭装置です」と話すとおり、小規模のオフィスなどに導入しやすい製品といえる。現在は性能を強化した即効性の高いモデルも開発中という。

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