不動産トピックス

クローズアップ 窓ガラス編

2011.03.21 17:30

 空調の効率を高めるためにも、窓などの開口部の性能を向上させることは必要不可欠である。また、結露が発生すればカビの発生源ともなり得るので、重要な建材の一つといえるだろう。今回は窓ガラスに関して取り上げる。

大信工業 気密性の高い内窓を展開
 大信工業(東京都八王子市)は、樹脂製サッシの「内窓プラスト」のラインアップの一つとして、「内窓インスリード」を発売した。
 同社は、樹脂成形メーカーであり、原料を樹脂製サッシに適した配合を行っているため、気密性が高く、断熱効果を有している。札幌市内のオフィスビルで実証実験に取り組み、同ビルの二重窓の内窓を同社が展開する高断熱窓に交換し、データを計測。重油消費量を年間に換算すると約30%の削減を可能にしている。
 また、同製品は結露の発生を防ぐことはもちろんのこと、遮音効果や耐久性においても優れている。さらに、施工時には、建築用ホッチキスを使用して取り付けるので施工時の騒音発生の低減に寄与している。
 同社では、同製品の開発から施工まで一貫して行い、ユーザーに応じて必要な場合は新しい金型を生産するという。
 「同製品は、オーダーメード製品になっております。まずは現地に出向いて採寸を行い、設置環境に合わせてどの形状がベストなのか提案をします。下地が付くのであれば、コンクリートや鉄骨の柱が通っている箇所でも窓を二重窓にすることは可能です」(首都圏営業 マネージャー 青木 啓至氏)
 その他にも、工場で製品化して出荷するため、現地での作業時間を減らし、工期の短縮化はもちろんのこと、内窓の施工は足場を組む必要がないので、入居テナントの業務を中断せずに設置することができる。オプションとして、提携先のリース会社とのリース契約により、同製品を導入することも可能となっている。

トステム/新日軽 高い断熱性能とシンプルなデザインを追及
 トステム(東京都江東区)はグループ会社の新日軽(東京都江東区)と共同で空気層12mmの複層ガラスが標準仕様のビル用サッシを開発し、トステムでは「プローゼ100」として、新日軽が「RMGー100」の商品名で同時に発売した。
 同製品は、室内側のフレームを隠してしまうフレームイン構造により、ガラス中央部の面積を従来の枠見込100mmのビル用サッシと比べて10%広く、断熱性能がHー1からHー2に1ランク向上させているため、CO2排出量の削減に貢献する環境配慮型商品となっている。窓を中心とした開口部の断熱化をはじめ、採光性と同時に遮音性においても優れている。
 デザイン面では、片引き窓を連窓(窓をつなげて使用)する場合、FIX部のガラス面を内外入れ替えることができる構造のため、外壁面と揃えてフラットにする設置方法や面落ちさせて陰影を演出する設置方法など、建物の意匠に合わせた自由なデザインが可能である。
 また、連窓部材をスリムな50mmにしているので内外観とも意匠性を統一でき、シンプルかつスタイリッシュなデザインを実現できるのはもちろんのこと、片引き窓とFIX窓の外形寸法を一本化し、内観からのデザインを揃えている。
 品種は片引き窓、両袖片引き窓、一方片引き窓、FIX窓となっており、カラーは6色をラインアップ。亜鉛ダイカスト製のクレセントやアルミダイカスト製の把手が標準装備されている。

不二サッシ 断熱性の高い中間空気層12mmの複層ガラスに対応
 不二サッシ(川崎市幸区)は、ビル用環境配慮サッシComfort(コンフォート)シリーズの 「Comfort CF」を発売した。
 同製品は、可動障子の見付寸法を25mmに統一することにより、FIX部・可動部ともに寸法を細くし、透明感のあるシャープな意匠を実現している。さらに室内側からは、可動障子の框が内部から見えない隠し框構造となっており、障子断面と部品共通化をしたため、同社のカーテンウォールへの組み込みが可能である。
 同製品のガラスの溝幅は20mmと36mmの2種類をラインアップ。5mmの単板ガラスから断熱性の高い空気層12mmの複層ガラスまで対応し、ガラス部分を含めた厚さが26mmまでの複層ガラスに使用することができる。
また、防火設備に必要な最小枠の見込み寸法70mmを基本とした断面構成のため、防火性能に優れているのはもちろんのこと、眺望性が高く、開放的なファサードを可能にしている。開口バリエーションはFIX窓、たてすべり出し窓、インペイ式突出し排煙窓を取り揃えている。

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