不動産トピックス

今週の一冊

2011.02.07 16:38

市場ニーズに応える住宅とは?

少子高齢化時代の住宅市場
著者:米山秀隆
出版社:日本経済新聞社
発行:平成23年1月20日
価格:1800円(税別)

 これまでスクラップアンドビルドを繰り返してきた不動産業界。しかし、日本経済の先行きが不透明となり、新築物件の着工件数も減少していることに加え、環境配慮への関心の高まりにより、事業用物件・居住用物件に限らず、建物をいかに長寿命化していくかが、これからの不動産業界の課題となっている。これは、とにかく新築物件を建設して、古くなった物件は建て替えるといったように、マッチポンプ式に需要を創出していた不動産業界の構造的変化が始まっているということだろう。
 本書「少子高齢化時代の住宅市場」は、書名が表すように、今後需要が減少することが予測される不動産業界、住宅市場に的を絞った一冊。その中身は前述した構造的変化について、データを交えながら詳しく解説しているのだが、著者の持つ「市場ニーズに応える住宅とは?」という視点がぶれないので、不動産所有者にとっては物件の資産価値の維持及び向上を実現するためのノウハウ集としても活用できる点が特徴である。

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