不動産トピックス

クローズアップ 防災製品・サービス編

2011.02.07 16:36

 いつどこで起こるか分からない災害に対して、どのような対策を講じるか。BCPなどにより、テナント企業も防災意識が高まっている昨今、オフィスビルの防災対策はビル経営の中でも欠かせない取り組みの一つとなっており、各社幅広い防災製品を展開している。

エイアンドエィティー エレベーターの閉じ込めに対応する備蓄BOX
 エイアンドエィティー(群馬県桐生市)は、エレベーター用防災用品である「エレベーターチェア」を販売している。
 いつ起きるか分からない大地震。エレベーターは地震時に緊急停止することもあり、エレベーター利用者の安全確保を目的として、エレベーター内備蓄BOXを設置するオフィスビルも増えつつある。ただ、エレベーター内の一定スペースを占有するという点や備蓄BOXへのいたずら等、少なからず課題も抱えている。エイアンドエイティーが販売する「エレベーターチェア」はこうした問題点を解消するべく様々な特徴を有している。
 まず、通常の備蓄BOXと同様に飲料水やライトなどを備えているだけなく、平常時には椅子としても使用できる。平常時にも用途があることで、スペースを占有することがデメリットとはならない。また、非常時にはトイレとしても使用することが可能である点も特徴的である。地震時には素早く救援隊が来るとは限らない。エレベーター内に長時間閉じこめられた際も、トイレとして使用できることから、利用者に安心感を与えるという効果もある。
 さらに、いたずら防止のために非常用ボタンを設置されており、収納品の盗難被害も防ぐことができる。  「現在、公共施設やマンションを中心に導入実績を伸ばしています。昨年にはスタンダードタイプに加えて、省スペースが可能なスリムタイプの販売も始めました」(東京オフィス マーケティング部 開発営業課長 二宮 俊彦氏)

クボタシーアイ 災害に強い消火設備配管用パイプ・継手
 クボタシーアイ(東京都台東区)は、水道・下水道・建築設備・通信エネルギー市場向けに、災害に強いライフラインや住環境の構築に貢献できる商品の充実に注力している中で、耐震性や耐食性など配管設備の長期的な信頼性を高め、大幅なコスト縮減を実現できる消火設備配管用のポリエチレンパイプ・継手を発売している。
 同製品は、「消火用ポリエチレンパイプ・継手」は、地震や老朽化の影響を受けにくい管財として、火災発生時に確実に放水できる機能が求められる消火設備配管に適している。
 様々な施設の敷地内で、消火用水を水源から消火栓へ送水する管路に採用できるが、特に神社仏閣などの重要文化財や工場・大型商業施設における消火設備配管として、施設建設時や老朽化設備リニューアル時のコスト削減も実現する。
 また、金属管に比べて重量が約7~8割軽量であることから、人力でも取扱いが容易で、施工にかかる時間も大幅に削減することができる。
 さらに、鉄道軌道付近では電食の心配がないため、金属管に比べ管路寿命が長く、維持管理コストも抑えることが可能である。

セコム オンラインでAEDの日常点検実施
 セコム(東京都渋谷区)は、AED(自動体外式除細動器)の点検をオンラインで自動的に行う「セコムAED」の販売を開始している。このサービスは、セコムがセキュリティシステムで培ったオンラインによる監視ノウハウを生かし、日本で初めて、AEDをオンラインで自動的に管理する画期的なシステムである。
 その特徴は、オンラインでAEDの日常点検をすることで、機器異常が確認されたときは契約先に連絡し、いち早く正常な状態に戻すことができる。これにより、契約先が行うAEDの日常点検の負担を低減する。
 また、消耗品である電極パッドやバッテリーの使用期限が切れていないことをセコムがオンラインで管理し、使用期限が切れた場合は契約者に連絡。あらかじめ送付してある交換用消耗品の交換忘れを防ぐことができる。
 さらに、AEDの持ち出しをオンラインで管理することができ、AEDを使用された場合、契約者の消耗品の発注忘れを防ぐことも可能である。
 なお平成16年9月に発売した「セコムAEDパッケージサービス」は、契約件数は約5万6000件(平成22年10月25日現在)。また、同社によると同社製のAEDを使用し、約400名の尊い命を救うことができたとしている。

PAGE TOPへ