不動産トピックス

クローズアップ 機密文書管理編

2009.07.13 18:25

 テナントビルとの契約書類やビルの図面、税務関連書類など、ビルオーナーの手元にはさまざまな重要機密書類が保管されている。書類や記載された情報が流失しないために、厳重な保管が求められる一方で、書類の量は増えるばかり。そこで今回は機密書類の管理・保管サービスを紹介する。

寺田倉庫 文書ごとに最適な保管方法を判断 コスト・安全性を勘案した提案が特徴
 寺田倉庫(東京都中央区)と共同で文書管理サービス「おまかせファイリング」を提供している。
 文書の保管管理には、文書を紙の状態で倉庫やレンタルスペースなどに保管する方法と、スキャナなどを用いて電子化しデータとして保存する2つの方法が存在する。これらの方法にはそれぞれ長所と短所があり、前者は保管のために広いスペースが必要で、保存した文書を再度参照する際にかかる労力が大きいものの、コストは比較的安価である。
 一方、後者は電子化や故障などに備えてバックアップを行うため、コストはかかるが管理や参照が比較的容易であるという長所がある。
 この2つの方式の長所を生かし、短所をフォローするのが「おまかせファイリング」サービスである。
 このサービスを利用する場合、依頼者はまず保管する文書の原本を用意。これを回収した後分類が行われ、分類ごとにリスト化したものを依頼者に戻す。このリストの中から文書の性格・種類に応じて、電子化して保管する、あるいは紙のまま保管する、廃棄処分するといった分別を行い、文書の重要性や費用、スペースといった要素を勘案しながら最適な文書管理が行えるのである。
 電子化したデータの保管場所も、外部に持ち出せないデータは自社内にサーバを置いて保管したり、それ以外のデータは専用のデータセンターで保管するなどの方法を選択でき、災害・紛失といったリスクに応じた管理が行える。
 また、閲覧は電子データならパソコン上から容易に可能で、保管庫に保管された原本の閲覧には専用のデリバリーサービスも用意されている。
 「豊富なストレージを有する寺田倉庫と、電子化ファイリング技術のノウハウを持つ菱洋インテリジェンスが協力することで、1社ではできなかった『文書ごとに最適な保管方法を提案・実行する」というサービスが実現しました。企業にとって重要な機密を守りつつ、文書の保管管理が提案できます」(社長室課長 月森 正憲)

松岡紙業 書類を保管から再資源化まで一元管理 トランクルームでの保管にも対応
 松岡紙業(静岡県富士市)は文書の保管から廃棄処理までを一元的に管理する「文書の番人」サービスを提供している。
 このサービスを利用する場合、書類を内容に応じて色分けされた段ボール箱に詰め込む。
 こうして書類が詰め込まれた箱を、処分対象であれば処理センターまで運搬し、溶解処理して再資源化する。この際、書類が入った箱は開封されることなく、密閉状態で処分される。
 一方、保管用の書類であれば、浜松に所在する同社のトランクルームに送り、保管する。もちろん後から取り出しや閲覧も可能である。
 さらに、この書類に保管期限が設けられている場合、保管期限の日時まで預かった後に、自動的に処分してもらうこともできる。
 なお、保管できるものは紙の文書以外に、磁気テープや磁気ディスクといったメディアなども受け付けている。
 サービス利用にかかる費用は溶解処理の場合約20kg収納可能な段ボール箱1箱あたり1575円で回収引取りから処理まで実行。保管の場合は同サイズの箱1箱の回収・保管に1680円が必要。
 「同社は元々古紙問屋として出発した会社であるため、書類のリサイクル処理をすべて自前で行うことが出来る強みがあります」(営業統括本部部長 伊藤 元昭氏)

エコフレンズジャパン 廃棄書類の状態を追跡調査可能
 エコフレンズジャパン(東京都中央区)は機密書類の記録管理およびリサイクルを行う「ECO FRIEND PACK(エコフレンズパック)」サービスを提供している。
 同社のサービスの最大の特徴は、文書を集荷から最終処分まで状態を管理記録し、きちんと処分されたか追跡調査できる点にある。
 エコフレンズパックを利用する場合、まず専用の保管箱に書類を保管し、この箱が一杯になったらQRコードの付いた伝票を箱に添付し、携帯電話でQRコードを読み取ってメールを送ると保管箱の回収車が派遣される。
 なお、このQRコードを送付した時点から管理は始まっており、専用の管理ソフトで1箱1箱に対応した伝票番号ごとに現在の状況(改修中・廃棄処理中等)を確認することが可能。
 処理が完了すると、溶解処理の証明書が発行されるため、処理状況を確認して報告書などを作成することもできる。これにより、廃棄の過程で情報漏えいが発生するリスクを回避することができる。
 「保管箱は基本的に段ボール箱ですが、セキュリティ性能を高めるためにスチール製のセキュリティ管理ポストに収納し、オフィス内でのセキュリティ性能を高めることができます。デザイン・形状のカスタマイズにも応じており、いかなる環境にも調和します」(営業企画部課長代理 森 聖成氏)

ジェイ・アイ・エム 大量の文書・データを電子化し管理 暗号化による高いセキュリティ性誇る
 ジェイ・アイ・エム(東京都千代田区)は電子化による文書管理システム「i-Search Web」を提供している。
 このシステムの特徴は、大量の文書データを、必要な時に参照しやすい状態で保管・管理している点と、高いセキュリティ性能にある。
 登録可能なデータ量は基本システムの場合で約30万件まで登録可能。さらに、必要に応じて150万件まで登録可能数を増設することも可能である。
 このデータ登録を行う際に暗号化を行っている上に、個々の文書単位でアクセス権限を定めるとともに、アクセス履歴も管理している。これにより、閲覧する資格のない人物が不正な手段でデータを見たり、改ざんされたりする危険性を排除している。
 導入費用としては、基本ソフト100万円、データを保管するサーバーが約50万円で、さらに紙データのスキャンに際し、A4サイズ1枚約20円の費用がかかる。

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