不動産トピックス

商業ビル最前線

2007.10.01 17:03

<商業ビルオーナーインタビュー>白樺産業 代表取締役 西原俊一氏 八王子駅前のランドマーク施設を区分所有し運営 折衝を重ねて権利を主張自社でリーシングも行う
 JR「八王子」駅前にある「八王子スクエアビル」は、再開発により建設された大型複合施設である。メインテナントとして商業施設「東急スクエア」が入居し、規模は地上14階地下3階、延床面積にして4万1987・85㎡。昭和57年に市街地再開発事業基本計画が策定され、平成9年に竣工した。
 八王子市、銀行、生命保険会社、郵便局、東急電鉄などの公的施設と上場企業、そして白樺産業(現在は親族会社プローブが保有)の6社が区分所有権を持ち、地元地権者4社が共有持分を保有する。
 昔からの地権者であり、その中で唯一区分所有権を保有する、同社代表取締役である西原氏に話を聞いた。

―開発前の様子は
西原 再開発事業案件が持ち上がったのは昭和50年代後半、同地には銀行や郵便局、生命保険会社、そして地元地権者が経営する店舗や小規模なビルがあり、権利者は計10社。一番高い建物でも4階程度で、当社は2階建ての木造・一部コンクリート造の建物でゲームセンターを経営していました。
―御社が区分所有権を選択した理由は
西原 いわゆる地元のオーナー会社である地権者は、自社の他に4社ありました。当社のみが区分所有というかたちで権利を得て独自にリーシングも行っていますが、その理由は2つあります。権利を共有持分としてしまうとある程度の権利束縛が生ずること、また当社は不動産賃貸業を主な業務としていますので、自社でリーシングを行い、賃料設定をしたほうがよりメリットがあると考えたからです。
―自社でリーシングもされるのですか
西原 1階西側と地下1階の半分をパチンコ店に賃貸しています。店舗用の良い立地を確保するため、様々な方と情報を交換して権利変換の交渉に臨みました。渋谷109の地権者に会いに行ったり、大手不動産会社の事業部長にノウハウを聞きにいったりすることで、自分のやり方に確信を持って折衝することができました。リーシングの際にも骨を折りました。パチンコ店は風俗営業のくくりになるので、誘致の際に反対の声が上がってしまい、区分所有法にある『従前の権利を侵すことは認められない』という条文を持ち出して、ようやく説得しました。
―最後まで権利を主張された背景とは
西原 「東急スクエア」の一部として東急電鉄にリーシングや管理を任せてしまえば、確かに手はかかりません。ですが、共有持分ですと売却もままなりませんし、賃料設定もそれが適切かも分かりません。当社はビル賃貸業を行っており、周囲に関係者がいたので情報を得やすかったですが、地権者の方はこれまで一切不動産に関与していなかった人がほとんどです。自分が納得するようにしないと、生涯に渡り損をすることになります。大手デベロッパーに頼るばかりでなく、自分達の権利を自分達の手で最大限に引き出す主張と努力は、必要なことです。

東京建物 伊勢崎市に北関東最大級のショッピングモール誕生 東京建物初の広域商圏型来場1100万人を予定
 東京建物(東京都中央区)は、群馬県伊勢崎市において開発を進めていた「(仮称)伊勢崎東部ショッピングモール」の概要を発表した。
 敷地面積は約10万㎡、地上5階建てで延床面積は約9万9800㎡、商業面積は約5万5000㎡。平成20年秋の開業を予定。施設の内部を、2核1モール型のショッピングモールを中心に、大小様々な専門店約200店舗を、大型スーパー、ファッション、インテリア、フード、サービス、シネマコンプレックスなどのテナントで構成する。
 同施設はJR両毛線「伊勢崎」駅北東3・5㎞に位置し、敷地南側は県道68号線、西側は国道17号線の広域幹線に接道しており良好なアクセス環境にある。また、同施設から10〜15㎞圏内は桐生市、太田市、深谷市、本庄市、高崎市、前橋市の6市を包括する高密度商圏となっており、15㎞圏内の人口は約90万人。新しいライフスタイル発信と地域コミュニティの拠点として、年間来場者数約1000万人を想定している。
 ”ゴキゲンなくらし(発見がある。満足がある。オトク感がある。)”を商業コンセプトに、30代の団塊ジュニアファミリーを中心にその両親である団塊世代まで「3世代親子」が買物を楽しめるような、新しいライフスタイルを提案していく。
 同社は、これまでにも江東区錦糸町「olinas(オリナス)」、福岡市天神「VIORO(ヴィオロ)」、神奈川県川崎市「DICE(ダイス)」などの都市型商業施設を開発してきたが、今回の開発は同社初の広域商圏型ショッピングセンターとなる。

三井不動産 霞が関に事務所と店舗の大型複合ビル竣工 オフィスエリアの幅広い飲食ニーズに応える店舗
 9月26日、三井不動産(東京都中央区)が、社団法人東京倶楽部と共同で建て替え事業を推進してきた「東京倶楽部ビルディング」が竣工した。
 規模は地上14階地下1階、敷地面積は4722・71㎡、延床面積は1万4364・13㎡。内事務所部分が1万2226・42㎡、店舗部分が2119・71㎡となる。低層部1階から3階の商業施設「霞ダイニング」は10月25日にオープンする。
 同施設は千代田区霞が関3丁目、東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅より徒歩2分、千代田線・日比谷線・丸の内線「霞ケ関」駅より徒歩6分、政治経済の中心に立地する。
 飲食店の集積が少ない霞が関エリアにおいて、都心のオフィスワーカーや都心生活者を主なターゲットとする「大人のためのプレミアムダイニング」で、日本初進出2店を含んだ飲食店9店と生花店1店で構成されている。
 低層階の商業施設「霞ダイニング」内に開店する店舗で目玉となるのは、日本初出店となる、最高品質と独自の調理法で全米大人気のステーキハウス「RUTH‘SCHRISSTEAKHOUSE(ルースクリスステーキハウス)」、アジア初出店で、ベルギーやイタリアに店舗を構えベルギービールの種類でギネスブックにも認定された本格ビアカフェの「DeliriumCafeTokyo(デリリウムカフェトーキョー)」。
 その他にもランチニーズから夜のバー利用、しっかりした食事まで、幅広い飲食ニーズに応えるバラエティに富んだ個性的な店舗がオープンする予定だ。

コマーシャル・アールイー 佐世保市に商業施設を新規開発
 コマーシャル・アールイー(東京都中央区)は、長崎県佐世保市において商業施設の開発に着手することを発表した。当該地は佐世保市大和町、西九州自動道「佐世保みなとIC」より約2㎞、JR佐世保本線「日宇」駅より約1㎞に位置する。国道35号線沿いで交通利便性が高い立地で、近隣には大型家電量販店や中型専門店が建ち並ぶ。佐世保市は平地が少なく、今回の物件と同程度の面積を有する商業用地は非常に貴重であり、面積的にも他の商業施設に比べ優位性を持つとしている。
開発予定の土地面積は5676・60㎡、建物規模は2階建ての鉄骨造で延床面積にして5689・42㎡。平成20年3月の竣工を予定。テナントにはスポーツ用品を扱う「ヒマラヤ」が内定しており、その他のテナントに多くの集客を見込めるテナントを誘致していく。
 同社は、他にも上期中に九州エリアで2件、北海道エリアで1物件の商業施設物件を着工しており、平成19年11月から20年3月にかけて、それぞれ竣工を予定している。

丸井グループ 大阪難波以来の出店「有楽町マルイ」オープン
 10月12日、JR「有楽町」駅前に誕生する複合商業施設「有楽町イトシア」の各店舗として、都心部では同社最大規模となる「有楽町マルイ」がオープンする。
 同社はこれまでにも大井町店の閉店など、店舗のスクラップ&ビルド戦略を推進してきており、全国の主要なマーケットへの出展による効率的な店舗ネットワーク作りを行ってきた。
 「有楽町マルイ」は、大阪難波以来の新規出店となり、これにより丸井の店舗数は東京都内で10店舗、全国で23店舗となる。「有楽町マルイ」の売場面積は地上1階から8階まで延床にして1万8500、売上予測を初年度で220億円としている。
 今回の店作りのポイントは「心からお買物を楽しんでいただくための空間づくり」、「『お客様の声』を起点とした店づくり」、「『ファッションセラピー』をテーマに2つの領域拡大にチャレンジ」の3点。また、買物の合間にくつろげるように、店内3カ所にタイプの異なるカフェを設けている。

イオンモール 羽生市に新生イオンモール初出店のSC誕生
 11月2日、埼玉県羽生市に”新生”イオンモールとして初出店となる「イオンモール羽生」がオープンする。
 同SCは、埼玉県企業局が整備した「羽生下川崎産業団地」内の商業系エリアに出店するもの。幹線道路に面しているため広域から集客を見込めると同時に、開店日より東武伊勢崎線「羽生」駅から同SCへのバス路線開通も現在申請中となっている。商圏は約60万人、20万世帯(自動車30分圏)を想定している。規模は、敷地面積23万2806㎡、延床面積は11万3783㎡、商業施設面積は8万8208㎡。3階建ての構造。イオンモール初の取り組みとして、同SCの屋根面に約1000㎡におよぶソーラーパネルを設置し、約100kwhの太陽光発電を行う。
 「ジャスコ羽生店」を核店舗とし、約285mのモールに、埼玉県初出店となる57店や、イオンモール初出店となる35店を含む計24の専門店を展開する。

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