不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2007.02.26 10:22

サニックス 高強度のアラミド繊維でひび割れ補修 家屋基礎部分の劣化進行を効果的に抑制
 サニックス(福岡県福岡市)は、経年劣化等により生じた家屋を支える基礎部分のクラック(ひび割れ)補修に応じた新商品「サニックス基礎補修工事」の販売を開始した。
 基礎のひび割れは基礎内部の鉄筋の酸化や、地震時におけるひび割れ部分からの基礎の破壊など、家屋の耐力低下の原因となる。「サニックス基礎補修工事」は、基礎にひび割れが生じている家屋を対象とし、基礎部分のひび割れを補修し、さらに新たなひび割れの発生を抑えることで、基礎部分の強度を維持し、劣化進行を抑制するものである。
工事の流れとしては、まず施工範囲全面(外基礎の床下側面)の基礎上部にアラミド繊維シートを張る。その後アラミド繊維を混入したエポキシ樹脂を塗布する。ひび割れ部分には充填剤を注入して密着させ、全体にわたってアラミド繊維シートを貼ることで、それ以上の劣化を抑える。
 アラミド繊維シートとは、米国デュポン社により開発された「アラミド繊維」をシート状にしたもの。柔軟性が高く、幅1メートルで40tの重さを持ち上げる耐力を有し、かつ軽量。腐食しない特性もある。アラミド繊維は、その優れた強度性・耐久性から、高速道路や新幹線の橋脚等、コンクリート構造物の耐震補強などにも活用されている。
 今回の商品販売価格は、一般的な木造家屋1件当たりで約40万円となっている。ビル・マンションへの適用は応相談となる。

<注目の新技術>新明和エンジニアリング 機械式駐車設備の新リニューアルメニュー 低コスト・短工期改修で大型乗用車の駐車も可能
 新明和エンジニアリング(東京都台東区)は、大型セダンなどに対応した機械式駐車設備のリニューアルメニュー「収容車サイズアップ」の受注を開始した。
 垂直循環方式駐車設備(タワー型)は、近年、乗用車のサイズの大型化に伴って既存の設備に収容できる車種が減少し、稼働率が下がる傾向にあったため、同社は平成15年からこれに対応するリニューアルメニューの提供を開始した。しかし従来の改修仕様では改修前と比べ収容台数が減少することから、この度駐車台数を減らすことなく一定サイズ以上の車両を収容できる新たなメニューを追加することとなった。
 新メニューとなる「収容車サイズアップ」は、同社製の既存設備に新技術を導入し部分改修することで、駐車台数を減らすことなく、これまで収容できなかった大型乗用車や車高の高い小型ミニバン、ワゴンタイプの軽自動車の収容を可能にしたもの。その結果、入庫可能な車両台数の割合が73%と、同社既設仕様に比べ25%アップとなる。車両を積載する搬器をコンパクト化すると共に、新たに開発したケージガイド機構の採用により循環軌跡を広くしたことで、収容台数を減らさずに駐車空間を拡大させることに成功した。
 また、主要駆動装置、構造物は旧型設備から流用するため廃材はほとんど発生しない。したがって低コスト、短工期で、かつ環境にも配慮した改修が実現できる。同社の代表的な機種「RTG32BD(収容台数32台)」を同メニューで改修した場合、標準的な現地工期は12日、価格は2300万円(オプションなし、消費税別)となっている。

日立国際電気 次世代型監視カメラシステム「ISnex」開発 高度かつ自由度の高いシステム構築が可能
 日立国際電気(東京都千代田区)は、従来のCCTVシステムの性能を進化させ、「よりきれいに」「より早く」「より簡単に」「より自由に」をコンセプトとしたネットワーク監視カメラシステム「ISnex(アイ・エス・ネクス)」を開発し、システム構成製品を3月から順次販売する。
 ISnexは、最先端のH・264(MPEG―4AVC)画像圧縮技術(地上デジタル放送などに用いられているMPEG2に匹敵する画質を2倍以上の圧縮率で実現)を採用し、業界最高水準の2メガピクセル高精細カメラモデルもラインナップすることで、さらなる高画質を実現するほか、画像のちらつきやぶれを抑え、早い動きに強いプログレッシブ・IP変換対応で高効率化および高速化に成功。パソコンなしでシステム構築が可能なため簡単な設置・操作が可能で、また統一されたシステムコンセプトによる多彩な機器を取り揃え、多様なシステム構築に対応できるなど、これまでのCCTVの限界を超えた次世代型監視カメラシステムである。
 同社ではプラント、鉄道、空港など高いセキュリティが要求される重要施設から、店舗、ビル、学校など、業種問わず広く普及を目指す方針である。

奥村組/ほか 9社共同で新鉄筋コンクリート梁工法を開発 優れた耐震性発揮し自由な設計も可能に
 大林組、大本組、奥村組、鹿島建設、五洋建設、清水建設、竹中工務店、戸田建設、松村組の9社は、明治大学工学部平石久廣教授の指導のもとで共同研究を進めてきた「降伏機構分離型鉄筋コンクリート梁工法(RCHIS梁工法)」について、日本建築総合試験所の建築技術性能証明書を取得した。
 免震建築物などの一部の建築物を除いた一般の建築構造物では梁端部の主筋が降伏し、地震のエネルギーを吸収することで大地震にも耐えうるよう設計されているが、これによりコンクリートに大きなひび割れや圧壊が生じるなど、何らかの重大な損傷が起き、変形が進むにつれ最終的には梁が崩壊する結果となりうる。
 これに対し、今回開発されたRCHIS梁は梁端部の主筋の一部をアンボンド(付着除去)化することで、梁端部で鉄筋とコンクリートを分離している。地震時には付着除去区間の主筋が降伏し、従来より多くの地震エネルギーを吸収するため、梁のひび割れは梁端(柱際)のみとなり、地震後の補修がほとんど必要ない。この新技術により、これまで困難であった、梁端部に梁せいの3分の1までの大きな設備用開孔を設けることが可能となった。したがって自由度の高い設備設計が可能となり、部屋の中を通過していた設備用配管を部屋の端部に設置できるため、より大きく快適な空間を得られる。今後実用化を推進していく。

東芝ライテック 紫外線を99%カット誘虫率も大幅に低減 UVカット膜付ランプ発売
 東芝ライテック(東京都品川区)は、外管表面に紫外線を99%カットする透明膜を採用し、昆虫の寄りやすさ(誘虫率)を同社水銀ランプとの比較で約4分の1まで低減した「UVカット膜付メタルハライドランプ」を3月から発売する。
 屋外の照明や街路灯などには昆虫が集まりやすく、新たな光源が求められていた。このニーズに応え開発されたUVカット膜は、紫外線による被照射物の色あせを抑えるほか、昆虫の多くが感応しやすい400nm(ナノメートル)以下の短い波長の光を低減するため、人間には明るく見えても、虫の眼からは暗く見え、昆虫を引き寄せにくくすることができる。ランプ自体にUVカット膜を形成しているので、水銀ランプ、低始動電圧形、メタルハライドランプなど今まで水銀灯用安定器を使用していた場合はランプを交換するだけでいい。
 希望小売価格は、掲載写真の「MF250・L-J2/BUPSUVS」型で1万6485円(税込)である。ラインナップする7機種合計で年間3万本の販売を目指す。

ブレス 新触媒で高い有害物質分解効果 消臭・防カビ・抗菌効果を発揮
 ブレス(東京都品川区)は、昨年10月より販売を開始した自社開発の有害物質分解施工サービス「オールチタンコーティング(AT254)」をオリックス・インテリア(大阪府堺市)に提供、1月から「アピエオールチタンコーティング」としての販売も開始した。
 「オールチタンコーティング(AT254)」はチタニア系化合物の新触媒に防カビ剤「スーパーオール254」を配合したもの。高い有害物質分解効果、消臭効果、防カビ・抗菌効果を発揮する一方、無色・無臭で、安全性は財団法人日本食品センターの各種データをクリアし実証済みである。エアコンや空気清浄機と異なり、電気代などは不要。さらに光触媒とは異なり、押入れの中など明かりのない場所でも効果を発揮する。噴射機により簡単な施工を行うだけなので、作業時間は床面積80で2〜3時間ほど、施工後6時間で硬化が完了。掃除などによる剥離も起きず長期的な効果が期待できる。なお、「アピエオールチタンコーティング」の販売価格は1平米あたり1500円である。

PAGE TOPへ