不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2007.02.26 10:23

ケネディクス不動産投資法人「神南坂フレーム」を改修 外装変更・テナント入替で商業施設の価値向上を図る
 ケネディクス不動産投資法人(東京都港区)は、保有物件「神南坂フレーム」について、名称変更および施設リニューアルを行うことを決定した。
 東京都渋谷区神南一丁目に位置する都市型商業施設「神南坂フレーム」は平成17年8月、同法人が資産運用を開始時に取得した29物件のうちのひとつで、取得価格は99億円。投資比率は全体の6・4%で、現在同投資法人が所有する全66物件の中でトップである。
 平成17年3月竣工、地上7階・地下2階建て、延床面積は6302・58㎡今。回建物ファサード(外装)の変更と、テナントの一部入れ替えを行う。賃貸可能面積3944・84㎡のうち480㎡に相当する複数のテナントから平成18年12月31日付の解約書面を入手している。
 今回のリニューアルは施設の刷新や認知度向上キャンペーン、テナントリミックス等を行うことで、都市型商業施設としての価値向上を目的とするもの。同物件は「フレーム神南坂」として今年4月20日に新規オープン予定である。

<ポートフォリオ拡充>プレミア投資法人 東陽町駅前のオフィスビルを取得 取得価格は43億1000万円
 プレミア投資法人(東京都港区)は、東京都江東区のオフィスビル「プレミア東陽町ビル」取得の契約を締結した。物件の引渡しは5月を予定している。これにより、同法人のポートフォリオにおける運用資産総額約1039億円のうち、オフィスビルへの投資比率は50・7%、レジデンスは49・3%となる。
 同物件は東京メトロ東西線「東陽町」駅徒歩約3分に位置する。同駅から東京の主要ビジネス街である「大手町」駅までの所要時間は約9分。また、幹線道路である永代通りに面しており、優れた交通利便性を有している。平成18年10月竣工。鉄骨・鉄筋コンクリート造地上7階建て・地下1階、延床面積は5054・32㎡。現在のテナント総数は1で、総賃貸可能面積3857・04㎡のうち1220・83㎡を占め、全体の稼働率は31・65%となっている。鑑定に基づく純利益は約2億936万円である。
 床には高さ100㎜のフリーアクセスフロアを採用し、光ファイバーの引き込みルートも確保される等、OA化対応が施されている。天井高は1階が3・20m、2〜7階が2・75mと十分な執務空間が確保されている。入退室管理は機械警備システムになっており、24時間出入りが可能である。
 取得先は同物件の10分の7を所有するオリックス・リアルエステート(東京都港区)および10分の3を所有するケンプラススリー(東京都港区)で、取得価格は43億1000万円。

三菱商事/日本政策投資銀行 共同でヘルスケアファンドを設立 医療機関・介護事業者支援今年3月から運用開始予定
 三菱商事グループ(東京都千代田区)と日本政策投資銀行は、医療機関や介護事業者の経営支援・事業再生を目的としたヘルスケアファンドを共同で設立する。
 現在、不動産投資の対象としてヘルスケア分野が注目を集め、病院や介護施設をターゲットとしたファンドも幾つか組成されている。今回設立される「トリニティヘルスケアファンド(仮称)」は、国内トップレベルのヘルスケア関連子会社群を有する三菱商事と、重要な社会インフラである医療・介護分野への支援を重点課題とする日本政策投資銀行のバックアップにより、不動産取引や財務リストラによる一時的な財務面の改善のみならず、実務的にも医療機関・介護事業者の収益改善を支援し、地域社会によりよい医療・介護サービスの提供体制が確立されることを目指す。
 運用助言は三菱商事と日本政策投資銀行の共同出資により設立するヘルスケアマネジメントパートナーズ(東京都港区)が行う。同ファンドの運用開始は3月末の予定。

ラサールインベストメントマネージメント アジア太平洋地域で6億米ドル相当の物件取得オープンエンド型不動産ファンドを組成
 ラサールインベストメントマネージメント(米国イリノイ州シカゴ)はパートナー企業と共同で、アジア太平洋地域で初めてとなる、常時自由に換金可能なオープンエンド型の不動産ファンド「アジアプロパティーファンド」を組成した。「アジアプロパティーファンド」はアジア太平洋地域を対象とし、最初のポートフォリオにはオーストラリア、シンガポール、香港、韓国に位置する6億米ドル相当の5物件が組み込まれている。
 ラサールと共同で同ファンドを設立したパートナー企業はプルーデンシャルplcの子会社である不動産投資顧問会社で、日本市場にも積極的に投資を展開する予定。募集単位は百万米ドル(米ドル建て)、設定日は今年12月。運用期間は無期限である。

プロスペクト・レジデンシャル投資法人 京都市内の新築マンションを取得月額賃料約460万円の見込み
 プロスペクト・レジデンシャル投資法人(東京都千代田区)は、京都市下京区の新築物件「プロスペクト河原町五条」の取得を決定した。
 「プロスペクト河原町五条」は、京阪電気鉄道京阪本線「五条」駅より徒歩約3分に位置。周辺はビジネス街と繁華街が接する地域である。竣工は今年1月で、延床面積1928・13㎡、鉄筋コンクリート造地上12階建て。1Kタイプ49戸、店舗2戸、事務所1戸で、主に単身者向けの物件となっている。月額賃料は共益費込みで461万1000円を想定している。
 デザイン性が高く、さらにオートロック・防犯カメラなどセキュリティ面の充実のほか、ウォシュレット、BS・CSアンテナなども備え、光ファイバーインターネットにも対応。利便性を兼ね備えた新築優良物件であることが取得の理由となった。取得先は倶蘭堂ビル(京都市北区)で、取得額は8億300万円となっている。

日本リテールファンド投資法人 敷地10万㎡超のショッピングセンターに別棟新築 名古屋市郊外の「ワンダーシティ」完成後スポーツクラブ等に賃貸
 日本リテールファンド投資法人(東京都千代田区)は、愛知県名古屋市西区に所有するショッピングセンター「ワンダーシティ」において別棟を新築する。
 「ワンダーシティ」は同法人が平成17年3月に159億円でアイテックス(愛知県名古屋市)より取得した複合型の商業施設で、延床面積5万4054・47㎡のワンダーシティ本棟、延床面積1万362・94㎡のワンダースクエア棟など全12棟の建物と、収容台数約3000台の駐車スペースを有する。
 基礎商圏、広域商圏共に首都圏郊外部に匹敵する人口密度を持つエリアに立地し、国道302号線と県道451号線に接するため、車でのアクセスが良好。主なテナントとして、ジャスコ、ケーヨーD2、スポーツオーソリティなどが出店している。
 平成18年にショッピングセンターの進入口拡幅と主要道路からの視認性確保のため4億円で取得した隣地の1851・28㎡と合わせ、全体の土地面積は10万8574・40㎡である。
 今回新たに商業施設一棟を建設することで、既存ショッピングセンターのバリューアップを図ることを目指している。延床面積3627・68㎡、鉄骨造地上3階建て。完成後はスポーツクラブ等に賃貸することが予定されている。建築費は総額で8億5000万円。施工は竹中工務店、竣工予定は今年8月となっている。

キャピタランド J-REITの投資口を取得 ビ・ライフ投資法人の投資口13%と同投資法人運用会社の株式を取得
 キャピタランド(本社シンガポール)は、ビ・ライフ投資法人(東京都渋谷区)の投資口13%を32億3000万円で取得、同時にビ・ライフの資産運用会社であるモリモト・アセットマネジメントの株式33・4%を2億40万円で取得する。
 キャピタランドはアジア最大の不動産会社のひとつで、同社のポートフォリオは20カ国90都市以上に及ぶ。日本では既に、間接的に保有する子会社キャピタランド・ジャパン(東京都千代田区)を通じて2つの私募ファンドを運営しており、合わせて1920億円の資産規模を目標としている。
 今回の取得によって、キャピタランドはビ・ライフのメインスポンサーのモリモト(東京都渋谷区)に次ぎモリモト・アセットマネジメントの第2位株主となる。

西武ホールディングス ハワイの所有資産譲渡を決定 グループ有利子負債の圧縮図る
 西武ホールディングス(埼玉県所沢市)は、米国子会社であるロケラニリゾートコーポレーション、マウイプリンスホテルLLC及びモアニコープ(いずれも本社米国ハワイ州)が、米国ハワイ州マウイ島のリゾート事業に係わる資産の譲渡を決議したことを発表した。
 今回、ロケラニリゾートコーポレーション所有のマケナゴルフコースとマウイ島販売用地、及びマウイプリンスホテルが所有する同ホテルを5億7450万米ドルで、モアニコープ所有のマケナウエイストウォーターコープ株式を50万米ドルで、それぞれ米国の有限責任会社へ譲渡する。この譲渡が今年3月期の連結財務諸表における税引前利益に与える影響額は約512億円(120・74円/米ドルで換算)の益となる見込み。

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