不動産トピックス

クローズアップ リスク対策編

2006.11.13 15:00

清水建設 土地調査・浄化工事を一貫して実施
 清水建設(東京都港区)は、土地の調査・浄化工事を一貫して行うシステムを開発し、実績を上げてきた。
 同社の土壌汚染対策技術への取り組みは、対策法が施行される以前からエンジニアリング事業本部の環境分野において土壌汚染対策専門の研究開発が進められてきており、平成13年9月より、土壌汚染対策を環境ビジネスの一環として位置付けるための本格取り組みを開始したのが始まりである。
 土壌環境対応システムの概要は、リスク分野のソリューションとして環境リスクを評価するリスクマネジメント、環境デューデリジェンスや環境レポートによる不動産評価、ISOコンサルティングなどのソフト部門と対策プロセスとして、土壌調査・評価と堀削除去、安定化、浄化を行う原位置修復を行った後、モニタリングサービスを行い、再開発や開発型証券化、土地信託などのサポートといった土地活用まで踏み込んだ総合的な支援サービスを提供するシステムとなっているとのこと。
 具体的な対策技術としては、調査関連では、油・揮発性有機化合物を対象とした油質蛍光反射検知器による調査では、リアルタイムで連続深度測定が可能であり、調査工期短縮による約40%のコストが削減できる。
 また、ポータブルGC/MSによる調査は、データベースを搭載することで物質名を同定でき、迅速に結果を判定、臨機応変な対応を可能にし、低コストの調査も可能にするなどのメリットの大きな方策として評価が高いという。
 「土壌環境リスクにはイメージや信頼感を失うリスクや汚染により周辺環境に被害が及んだ場合の損害責任、浄化・修復のための膨大な費用や操業停止による事業リスクなど様々なリスクが考えられます。これらの様々なリスクを分析し、土壌リスク対策を常に考えていく事が大切です」(土壌環境本部 計画部 担当 部長 塩澤一利氏)

篠塚研究所 建物の地震PML評価 レベル1~3で建物情報を判定
 篠塚研究所(東京都新宿区)は、建物の地震PML評価を行っている。PMLは、予想最大損失額を呼び、不動産証券化に伴うエンジニアリングレポートの1つとして一般化しているもの。
 同社では、地震リスク評価にあたり、地震リスク解析ソフト(リスクデザイン)を利用し、4段階で評価している。
 レベル1では、建物の基本情報に基づいて評価をしている。設計図書が提供された場合は評価として反映させる。所在地・建物の竣工年・構造形式・階数・基準床面積などの情報から、建物個別のPML、年間地震リスク、リスクカーブを診断する。
 レベル1・5では、現地調査は行わず、設計図書の資料による地盤の増幅特性の計算結果や建物各階の応答結果でPML評価を行う。構造計算書を含む設計図書、ボーリングデータ、建物価値の情報から、建物個別のPML、年間地震リスク、リスクカーブを診断する。
 レベル2では、レベル1・5の業務に加え、現地調査を行った上で、PML評価を行う。構造計算書を含む設計図書・ボーリングデータ・建物価値の情報から、現地調査報告・建物個別のPML・年間地震リスク、リスクカーブを診断する。
 レベル3では、建物の応答計算などを詳細に実施してPML評価を行う。構造計算書を含む設計図書、ボーリングデータ、建物価値の情報から、現地調査報告・各種解析結果・建物個別のPML・年間地震リスク・リスクカーブを診断する。
 レべル1・5では、現地調査は行わず、設計図書の資料による地盤の増幅特性の計算結果や建物各階の応答結果でPML評価を行う。構造計算書を含む設計図書、ボーリングデータ、建物価値の情報から、建物個別のPML、年間地震リスク、リスクカーブを診断する。
 レベル2では、レベル1・5の業務に加え、現地調査を行った上で、PML評価を行う。構造計算書を含む設計図書・ボーリングデータ・建物価値の情報から、現地調査報告・建物個別のPML・年間地震リスク、リスクカーブを診断する。
 レベル3では、建物の応答計算などを詳細に実施してPML評価を行う。構造計算書を含む設計図書、ボーリングデータ、建物価値の情報から、現地調査報告・各種解析結果・建物個別のPML・年間地震リスク・リスクカーブを診断する。

REIC 地震情報に関する調査を実施 緊急地震速報活用法を研究・開発
 REIC(NPO法人地震情報利用協議会)(東京都新宿区)は、地震観測網から得られる情報をリアルタイムに有効活用し、地震災害軽減のための社会的基盤を整えていくため、平成15年に設立された。関連行政機関を中心に、企業や公共施設、地方自治体との協力体制づくり、システムやデータの標準化、様々な調査や研究などを行っているという。
 REICでは、主に分野ごとの緊急地震速報システムの開発を目指しており、「防災現場関係者への専用防災システム」、「医療関係者への災害時広域医療救護活動支援システム」、「消防署における消防発動体制支援システム」、「各家庭における情報家電・IP電話による自動防災システム」、「既設ダムに向けた即時被害予測と警報システム」、「学童・学校職員への緊急速報を用いた防災教育支援システム」、「発電所・工場プラント向け防災システム」、「緊急地震速報活用のためのFM文字多重チューナーシステム」、「特定利用者への講習移動通信を活用した通信システム」、「屋外作業および屋外レジャー用通信システム」、「緊急地震速報を活用したエレベータ自動制御装置」、「ビル設備の中央集中監視装置」、「家庭内LPガス自動遮断システム」など、分野別利活用のプロトタイプの開発を行い、開発支援企業から開発の請負を行っているという。
 「地震対策はあらゆる場所で必要になってきます。その場所にもっとも相応しいシステムを分野ごとに開発していきたいと考えています」(専務理事 藤縄幸雄氏)

日立協和エンジニアリング 10年以上の豊富な土壌調査実績 浄化量が約3分の2に9日間の工程期間短縮
 日立協和エンジニアリング(茨城県ひたちなか市)は、10年以上に及ぶ豊富な土壌調査実績を持ち、今年、東京都環境局に選定された土壌中有害物質オンサイト迅速分析法を提案している企業である。
 土壌オンサイト迅速分析は、従来の方法より分析に関する負担は増加するというものの、「適切な汚染土壌の現場判断」、「適切な汚染土壌の現場判断」、「不要な浄化作業の抑制」、「工期の削減」を実現し、浄化作業のコスト低減が図れるという。公定法においては、浸透溶出が6時間かかるものが、オンサイト迅速分析においては、自公転脱泡溶出となり水銀なら3分間で分析できてしまうとのこと。また、フッ素に至っても30分間で分析可能だ。
 汚染土壌調査には、「オンサイト分析車」を使用する。オンサイト車の中には、吸光光度計・重金属測定装置・油分計・自公転脱泡溶出装置・ガスクロマトグラフ(VOC測定)・水銀計の6点を搭載し、汚染土壌分析をするという。対応成分は、VOC及び、鉛・カドミウム・砒素・六価クロム・フッ素・水銀・油分などである。
 このオンサイト分析を公定法に併用すると、事前調査からの予測よりも「浄化量が約三分の二」になり、「工程期間を9日間短縮」することが可能だという。

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