不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2006.10.16 17:01

鹿島 建築物の表面温度をミズで下げる保水性ソフトコンクリートを開発 50~70%の吸水性を実現断熱性能向上して省エネ
 鹿島(東京都港区)とジオスター(東京都文京区)は、保水性ソフトコンクリートを共同開発した。
 2社が5年前に開発した保水性コンクリートは、普通コンクリート配合に天然素材である植物繊維を加えることで、強度・耐久性を落とさず水を浸潤させるもので、水路や護岸、緑化パネルなどに使用されている。
 今回開発された保水性ソフトコンクリートの新種、保水性ソフトコンクリートの吸水性は、50~70%であり、これまでの保水性コンクリートの保水率の最大値35%を上回る。サイズは縦横30cm、厚さ2・5cmで、表面に断熱材としてセラミック塗料を塗っている。軽量骨剤を使用しているため、比重0・6で水に浮き、ノコギリでの加工が可能である。
 様々な用途が考えられるが、鹿島建設の環境本部・地球環境室環境計画担当・担当部長の柵頼信夫氏によると、ヒートアイランド対策の一つとして非常に有効であるという。今年の8月に川崎市の4階建てビル屋上で行った実験では、施工しない場合と比べ、最上階天井裏の温度は平均5度下がった。
 「一口に『ヒートアイランド対策』といっても、建物の造りや用途によって、対応策は異なります。やみくもに屋上緑化や当製品を取り入れても意味がありません。重要なのは、適切な手法を組み合わせて結果を出すことです」(柵頼氏)
 夏場の実感が多いため、開発から商品化まで時間がかかった。今後は、冬場の断熱効果の観測や、夏場の一定期間、大学校舎を借りての電気メーターの観測などを行い、どの程度のコスト削減になるかを詳しく調査し、鹿島の手掛けるヒートアイランド対策事業に組み込む予定だという。

三菱電機 ビルマル4機種を12月に発売 新しい冷媒の圧縮方式低外気温でも暖房可能
 三菱電機(東京都千代田区)は、12月下旬より、ビル用マルチエアコン「ズバ暖マルチY」4機種を順次発売する。
 本製品は、昨年7月に発売した寒冷地向け店舗・事務所用ヒートポンプ式インバーターエアコン「ズバ暖スリム」に搭載された、冷媒を気液二相状態で圧縮することで低外気温度時の吐出温度上昇を抑制し、低外気温度時での暖房能力を維持する「フラッシュインジェクション回路」を搭載することにより、マイナス15℃の低外気温度でも定格暖房能力を維持することが可能。暖房運転可能な温度領域はマイナス20℃からマイナス25℃へ拡大した。
 暖房起動時のフラッシュインジェクション最適制御により、外気温度がマイナス10℃の時の立ち上がり能力は従来に比べ40%アップしている。また、外気の温度で着霜状態を検知する「新霜取制御」を採用しており、無駄な霜取を行わないため、暖房運転可能な時間が延長する。  なお、本製品に接続可能な室内ユニットの内、4方向天井カセット型には、床や壁などの温度を赤外線で計測する広角可動センサーのムーブアイパネル(別売)が取り付け可能であり、室内上下の温度ムラを解消することができる。定格冷房能力は22・4~56kw、定格暖房能力は25~63kw。価格はオープンとなる。

関西測量工事 ひび割れの幅と位置座標を計測 離れた場所からの計測可能に
 関西測量工事(大阪府箕面市)は、ひび割れの幅と位置座標を測る計測システム「KUMONOS(クモノス)」を10月6日から販売開始した。
 測定ポイントにレーザー光を照射し、反射して戻ってくるまでの時間を測定することで距離を測るノンプリズムトータルステーションと、従来使用されているクラシックスケールとを組み合わせることにより、離れた場所から、ひび割れの幅と位置座標を正確に測定する。最大観測距離は350m、最小観測幅は0・077mm/10mだ。
 計測データはCADデータへ自動的に変換されるため、正確な3次元データ化が可能となる。また、同機を2台以上使用して計測し、データ化の段階で合成することも可能である。
 価格は約350万円。なお、全国展開のレンタル会社によるレンタルも展開していく。

ソルクス 地震時に電気機器を制御 安全な避難経路等を確保 照明コントロール等日常でも使える機能
 ソルクス(東京都港区)は、地震センサーの信号を受けて瞬時に動作する避難補助機器「ディジディム」の販売を開始する。日本市場に合わせたヘルバー社(英国)のシステムを使用し、照明などを制御して避難路を確保。気象情報システム(東京都文京区)との協力体制で初年度1500システムを見込む。
 この装置は地震センサーや緊急地震速報の信号を受け、瞬時に家中や施設内の照明を点灯し、視界を確保。同時に、電動カーテン・電動シャッターを開け避難系をを確保する。また、こたつのコンセントなど火の下となる部分の電源を遮断するマンションや公共施設においては、それらに加えてエントランス自動ドアのロック解除などを自動で行い、地震時の避難をスムーズにするための制御を行うことが可能。将来の緊急地震速報にも標準で対応する。
 緊急時のみならず、「一括おでかけボタン」、「おかえりセンサー」が作動し、日常で使用できるため、いざという時に作動しない、使い方が分からないといったトラブルを防ぐ。あかり制御などの各種オプションも用意している。

<ビルをもっと安全に>
東芝エレベータ メモリーカード記録部内蔵型防犯カメラシステム パソコンでも画像データを保存可能
 東芝エレベータ(東京都品川区)は、メモリーカード記録部内蔵型防犯カメラシステム「トスミール NEO(ネオ)」を開発し、今年12月より販売を開始する。
 新開発した防犯カメラシステムは、ハードディスクドライブにかわり、業界初となるメモリーカードを新たに採用している。従来の記録媒体は、エレベーターのかご上に設置していたが、メモリーカード記録部は防犯カメラに内蔵した。そのため、ユーザーが必要に応じてかご室内で記録データを取り出すことができる。また、取り出したメモリーカードは、防犯カメラに付属の専用再生機で簡単に再生可能なほか、パソコンでも画像データを保存することが可能だ。
 また、人間の網膜を応用した技術で、カメラの捕らえた映像を特殊なアルゴリズム技術により暗いところから明るいところまで幅広く表現することが可能な「ダイナミックレンジ補正技術」をエレベーター内の監視カメラとして国内で初めて搭載。これにより、従来ガラス越しやエレベーターの扉が開く事による外光によって見えづらくなっていた映像をより分かりやすくすることができる。また、ネットワークカメラ機能も搭載しているのでユーザーの既存ネットワークに接続することが可能であり、エレベーターかご室内をはじめ、建屋内の天井やエントランスホール、駐輪場やごみ捨て場などの屋外にも監視用防犯カメラシステムとして利用することも可能だ。
 販売価格は工事費込みで40万円(税別)、販売目標は1万台を予定。

タムロン 監視カメラ用の汎用バリフォーカルレンズ 現行モデルから光学性能を向上
 タムロン(埼玉県さいたま市)は、10月6日より、監視カメラ用の汎用バリフォーカルレンズModel・13VM2812ASⅡ(マニュアルアイリス)、13VG2812ASⅡ(DCオートアイリス)、望遠バリフォーカルレンズModel13VM550ASⅡ(マニュアルアイリス)、13VG550ASⅡ(DCオートアイリス)を発売した。
 いずれも、現行モデルの機構設計を見直し、光学性能をより発揮できるよう改良されたもの。汎用レンズ2種の焦点距離はf=2・8~12mm。NDフィルターの工夫によりF1・4から最小絞りまで高解像な画像を実現した。望遠レンズ2種の焦点距離はf=5~50mm、ズーム比は10倍。非球面レンズ2枚を採用し、全焦点域で高解像、高コントラストな画像を実現した。また、DCオートアイリスの最小絞り値は従来のF/180からF/360にまで向上させ、ダイナミックレンジを拡大し、屋外の明るい被写体においても白トビのない画像を映すことが可能になる。
 価格は、13VM2812ASⅡが約3万5000円、13VM550ASⅡが約4万円。

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