不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2006.03.20 14:01

松下電工 不正入室を防ぐ共連れ検知センサ発売 アクティブ型距離画像方式 高度なセキュリティを実現
 松下電工(大阪府門真市)は3月21日、入退室時における「共連れ検知センサ」を発売する。
 共連れとは正規の入室者に続いて不正入室しようとする行為のこと。
 検知方法はリアルタイムで対象物の形状と奥行きを計測する「アクティブ型距離画像方式」で行う。具体的にはカメラから照射した光が対象物に反射して戻る時間を計ることにより対象物までの距離を算出。これにより10cm程度の間隔まで人数を把握できる。
 一般の入退室管理システムと接続することができるため、後追い検知やすれ違い検知などの運用も可能だ。また、同社の統合型セキュリティシステム「e-SG」と接続すると、通常特定ゾーンの手前に設けられるインターロック室(共用エリアと制限エリアの扉が同時に解錠しないよう制御された部屋)の設置も可能である。さらに検知エリア内に2名以上いる場合は制限エリアに入室できないという「単独認証」や共連れ検知時にリアルタイムで映像をセンター装置に表示させる「カメラ連動」の機能もある。
 設置場所は屋内の天井埋込型。取り付け可能な天井高さは2.4~3mとなっており、検知エリアは取り付け高さに依存しない約2m~約1mとなっている。
 なお価格(税込)は39万9000円。2006年度の販売数は3億円を目標としている。

旭トステム外装 金属系外装材「Vスパン」発売 光の角度で表情が変わる外装 シンプルでモダンな意匠を実現
 外装建材総合メーカーの旭トステム外装(東京都江東区)は3月よりシンプルモダンな意匠の金属系外装材「Vスパン」を発売する。
 ネーミングの由来は、V溝部が光の角度によって表情が変わって見えることから変化(Variation)の頭文字Vをとったもの。
 特長としてはアルミニウム55%を含み、亜鉛メッキを施してあるガルバリウム鋼板を使用している。
 また塗料の表面張力を利用して凹凸感をつくり、金属の質感を高めたファインメタリック塗装で仕上げる。
 これによって従来品の「スパンサイディング」10色に加えて、「Vスパン」4色が品揃えとなった。色の中身は重厚感のあるインゴットシルバーに加え、新色にはトステムのサッシ色シャイングレーと同系色の「シャーブラス」、和風のテイストを感じさせる「赤銅(しゃくどう)」、グレーメタリック系で落ち着きのある「青鉄(せいてつ)」となっている。
 なお、価格は約1万2700円/坪(3857円/㎡)。

INAX シックハウス症候群を抑え快適な湿度を保つ健康建材 インテリアウォールのヌリカラットが新登場
 INAX(愛知県常滑市)は4月1日、健康建材「エコカラット」の塗りタイプ仕上げ材「ヌリカラット」を発売する。
 エコカラットは室内の湿度が高くなると湿気を吸収し、低くなると放出するしくみ。人間にとって快適な湿度状態(40~70%)を保とうとする性質があり、ニオイの原因物質を吸着する作用がある。
 今回発売される「ヌリカラット」はエコカラットの塗りタイプで珪藻土の2~3倍の吸放湿量がある。珪藻土とは小さな粒子のなかに多くの空気層をもち調湿・断熱・遮音・脱臭性などに優れ、ホルムアルデヒドなどのVOCを吸着してシックハウス症候群を抑えるとされる壁材のこと。既存の壁紙の上からの施工も可能だ。
 INAXは健康を考えたインテリアウォールとしてこれを積極的に推進していく。
 形状は20kg缶(着色剤以外)。参考材料価格としては上塗り材(パウダー)が1680円/㎡、上塗り材(サンド)が1680円/㎡など。

<リスクに挑む>ナブテスコ 誤検知を防いで出入りをスムーズに 斜め進入・速足接近に対応した自動ドア用のセンサー新発売
 自動ドアの国内シェアは約50%を誇るナブテスコ(東京都港区)が3月16日、自動ドア用無目付複合式センサー「ND-602ハイブリッドセンサー」を発売した。
 本商品はマイクロ波ドップラー式(電波)と近赤外線反射式の2つの検知特性を一体化したもの。
 マイクロ波検知部では起動用として斜めからの進入や早歩きによる接近に広い検知エリアで対応するため、検知エリアに抜けが生じない仕組みとなっている。降雪や微小な飛遊羽虫などの影響も受けにくい。
 近赤外線検知部ではドア付近にある物体の静止を検知し、自動ドアの安全性と通行性を向上させる。また、方向検知機能ではドアから遠ざかる人・物を検知させず、ドアが開いている時間を短縮できる。
 そのほか特定小電力無線局「移動体検知センサー」の技術基準(ARIB STD-T73)に適合しているため使用する際に免許が不要なので使用場所を選ばない。

<注目の新技術>アール免震 装置・構造の単純化で従来免震の半額実現 M8クラスの地震を許容 既存建物への使用も可能
 アール免震(東京都千代田区)では、ダイナミックデザイン(東京都新宿区)が開発した免震技術・BSL(Ball-point Slider)免震装置を販売している。
 「BSLの最大の特徴は従来の免震装置よりもコストパフォーマンスに優れていることです」(横塚氏)
 従来の免震装置は世知に建物総施工費の約2割のコストがかかることに比べ、BSLは5%という低価格での設置を可能としている。通常、免震装置を設置するには建物基礎に打ち込む杭を深くする必要が生じるが、この工法では杭が短くて済む上に2重基礎構造も不要だ。
 また、掘削を深く行わないことから山止めも最低限で済み、土木工事の低減から残土の排出も少なく工期短縮とともにコストの大幅削減を実現している。
 免震装置の仕組みは凹部材球面のすべり受材に凸部材球面のダクタイル鋳鉄製スライダー本体が組み合わさり、地震による横揺れを受けると前後左右にスライドすることで建物を水平に保つ。そして上部基礎とスライダー本体との間に表面をフッ素コーティングされたすべり板を配することで水平方向の揺れを吸収する。
 マグニチュード8クラスの地震に耐え、何度も地震を許容できるので部材の取り替えは必要ないという。
 「従来型免震装置の無駄を排除することで、合理的な免震建築物を建築することができます。また、1階床上レトロフィットにも対応するため、既存建物の免震化にも活用することができます」(横塚氏)

TOTO クリーンドライ高速両面タイプ発売 モデルチェンジで乾燥時間短縮
 TOTO(福岡県北九州市)は4月3日、トイレ・洗面空間用ハンドドライヤー「クリーンドライ高速両面タイプ」のモデルチェンジ品を発売する。
 特徴は手のひらと甲の両面にジェット温風を吹きつけて水滴を吹き飛ばすことと業界最少(高速両面タイプ200V使用の場合)の運転音を実現させたこと。今回のモデルチェンジでは「ツインファンモーター」と「狙い撃ちノズル」の搭載により乾燥時間が100V仕様で3~5秒、200Vハイパワー仕様では3~4秒となり、風速は業界最速、乾燥時間の短縮化を実現した。
 なお、価格(税込・工事費別)は100V仕様で18万6900円である。

スラブ補強工法研究会 錢高組東北支店社屋で新工法の試験 振幅を約3割減少可能 たわみ改善効果あり
 鴻池組(大阪市中央区)、五洋建設(東京都文京区)、錢高組(大阪市西区)、大日本土木(岐阜県岐阜市)、飛島建設(東京都千代田区)、高周波熱錬(東京都品川区)の6社を構成会社とする「スラブ補強工法研究会」は、新開発のスラブ補強工法を錢高組東北支店社屋のリニューアル工事で試験使用した。
 対象建物は1964年竣工のRC造3階建て。2~3階のオフィス床における積載荷重が増加し、歩行時の振動がやや過大になっていたところを「スラブ補強工法研究会」によって振幅の約3割減少が確認された。
 従来のH形鋼補強や鉄板貼付工法と比べた本工法のメリットには、設備配管を避けて設置可能なため配管の撤去が不要な点、補強部材が比較的軽量なため効率よく作業できるなどがあげられる。

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