不動産トピックス
過熱する投資市場の現場から
2006.03.06 17:14
＜主要テナント退去対策＞日本ビルファンド投資法人 解約通知に対して早期対応 保有物件を三井不動産と交換ポートフォリオの強化を図る
日本ビルファンド投資法人（東京都中央区）は、ＪＦＥビルディングを三井不動産（東京都中央区）に９１０億円で譲渡し、交換物件として、虎ノ門琴平タワー、ゲートシティ大崎、西新宿三井ビルディング、パレール三井ビルディング、信濃橋三井ビルディング、の５物件を交換で取得する。
ＪＦＥビルディングは、昭和４９年６月竣工、地下鉄線「大手町」駅徒歩１分に位置する、地上１８階・地下１階建て、延床面積６万２９４９・１３㎡のオフィスビルだ。
同投資法人は、ＪＦＥビルディングの全体を賃貸しているＪＦＥスチール（東京都千代田区）より、平成１９年３月３１日を解約日とする解約通知を受領した。そこで、同社からの賃料収入がポートフォリオ全体の総賃料収入に占める割合は１１・２％、全賃貸面積に占める割合は１１・５％という重要性を踏まえ、ＪＦＥビルディングを三井不動産（東京都中央区）に譲渡し、三井不動産より、５物件を取得することとした。
これにより①ＪＦＥビルディングのテナント退去に対する早期の対応、②交換取得５物件の安定したキャッシュ・フローの確保、本投資法人の資産運用方針に合致した資産運用の実施、③競争力のある交換取得５物件の取得によるポートフォリオの強化、を図ることとなる。
なお物件譲渡価格は、９１０億円。交換する５物件の取得価格は、総額１１１億１０００万円だ。
＜新規上場ＲＥＩＴ紹介＞トップリート投資法人 ３月１日東証に上場、初値は５７万８０００円 住信、新日鉄、王子不のノウハウ活用
トップリート投資法人（東京都中央区）は、３月１日、東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場した。
同投資法人は、①オフィスビル・商業施設・住宅の三用途を主要投資対象とし、投資対象地域は三大都市圏、全国主要都市としながら、ポートフォリオ全体の安定性と成長性を追及する「総合型ポートフォリオ運用」、そして②住友信託銀行（大阪府大阪市）、新日鉄都市開発（東京都中央区）、王子不動産（東京都中央区）、その３社の関連企業が有する取引先企業を含めた幅広いネットワーク、不動産に関する開発力、仲介力、運営管理力、投資運用力、技術力等を最大活用しながら、運用資産の着実かつ安定的な成長を図る「スポンサーの最大活用」を重点戦略とする。
前述２点の重点戦略実現のため、スポンサー企業から不動産の開発、仲介、運営管理、投資運用等の多様な業務の経験者を結集して設立されたトップリート・アセットマネジメント（東京都中央）に資産の運用を委託。同社は、スポンサー企業が永年培ってきた不動産や金融についてのノウハウや理念を受け継ぎ、同投資法人の投資主価値の最大化を目指す。
資産運用開始にあたり、①平成１３年１０月竣工、地上４０階・地下４階建て、延床面積２６万７１３２・６７㎡からなる「晴海アイランドトリトンスクエアオフィスタワーＹ棟」の区分所有権（３〜１５階：２万４０００・７６㎡）を３３０億円、②平成元年４月竣工、地上９階・地下１階建て、延床面積１万６３・０５㎡の「赤坂王子ビル」を９６億６０００万円、③昭和３４年１１月竣工、地上９階・地下１階建て、延床面積５５１１・８３㎡の「神田パークプラザ」を５１億５６００万円、④平成６年１２月竣工、地上１２階・地下１階建て、延床面積１万６２０６・３４㎡の「ファーレイーストビル」の２〜５階、６階部分を１５億２０００万円、⑤平成３年６月竣工、地上１２階・地下２階、延床面積６７１４・０９㎡の「日鉄本町ビル」を１１億円、⑥平成５年竣工の大型ショッピングセンター、５万６３５１・４２㎡の「相模原ショッピングセンター」を１２０億円で取得した。
上場日当日は、初値５７万８０００円、終値５７万５０００円となり、公募価格５５万円を上回る順調な滑り出しとなった。
福岡リート投資法人 キャナルシティ博多のＳＰＣ区分を取得 施設の一体運営を確立 魅力の維持・向上図る
福岡リート投資法人（福岡県福岡市）は、キャナルシティ博多のＳＰＣ区分の優先匿名組合出資持分３４億円分を取得した。
キャナルシティ博多の専門店、大型専門店、映画館、劇場、アミューズメント施設、ホテル等、商業部分を取得・保有することのみを目的とした特別目的会社シーシーエイチブリッジ（福岡県福岡市）が所有する区分のうち、同投資法人が既に保有しているオフィス区分を除く部分。客室数３７０室のグランド・ハイアット・福岡、１００を越える専門店から構成されるキャナルシティ・オーパ運営ショッピングモール、劇団四季の福岡シティ劇場等にあたる。
今回の取得により、キャナルシティ博多ＳＰＣ区分から得られるキャッシュフローを原資として、同投資法人の優先出資比率に応じた配当を見込み、また、キャナルシティ博多の一体運営を将来にわたり確立する。
ジョイント・リート投資法人 Ｓ―ＲＥＳＩＤＥＮＣＥ京橋を取得 単身生活者等の堅調需要見込む
ジョイント・リート投資法人（東京都目黒区）は、２月２７日、Ｓ‐ＲＥＳＩＤＥＮＣＥ京橋を取得した。
同物件は、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線「京橋」駅徒歩１分、京阪本線「京橋」駅徒歩３分に位置する、平成１８年２月竣工、地上１５階建て、延床面積６１１８・３７㎡の店舗・共同住宅複合物件である。
同投資法人は、大阪の主要都市である梅田、淀屋橋、心斎橋などへのアクセス性の高い地域であることから、単身生活者等を中心に堅調な需要を見込む。竣工前物件の取得だったこともあり、検査済証の交付、遵法性の維持、また瑕疵性が認められないこと等を売買代金支払い条件とすることで、工事完了・建物引渡しリスクの回避を図った。
なお物件取得先はキャピタル・エッジ（大阪府大阪市）で、取得価格は、２７億７４０３万１９７９円となっている。
野村不動産オフィスファンド投資法人 クリスタルパークビルを取得 特長的な外観の視認性等評価
野村不動産オフィスファンド投資法人（東京都新宿区）は、第一ビルディング（東京都中央区）より、クリスタルパークビルの土地・建物の区分所有権を取得した。
ＪＲ線、京王井の頭線「吉祥寺」駅徒歩２分に位置する、平成３年１０月竣工、地上１１階、地下２階建て、延床面積６４６２・１９㎡の事務所・店舗・倉庫複合ビルである。
同投資法人は、新宿・渋谷・大手町等へのアクセス性の良さ、また吉祥寺駅周辺の百貨店、ホテル、映画館等の商業集積も大きいこと、特徴的な外観による視認性の高さや基準階面積約１７９坪という規模、さらには床加重５００㎏／㎡の設備スペック等を物件取得にあたり評価した。
今回取得したのは、地下２階、２階〜８階、１０階及び１１階、地下１階と９階の一部で、取得価格は３７億円だ。
同ビルの入居テナント総数は１１で、稼働率は１００％。想定ＮＯＩは１億８０００万円となっている。
ケネディクス不動産投資法人 「船橋」駅徒歩３分の事務所店舗・複合物件 レランドセンタービルを取得 物件価格は２２億５２３０万円
ケネディクス不動産投資法人（東京都千代田区）は、レランドセンタービルを取得した。
同物件は、ＪＲ線「船橋」駅徒歩３分に位置する、平成元年４月竣工、地上８階・地下１階建て、延床面積５９７０・１２㎡の事務所・店舗複合ビルだ。
同投資法人は、今回の物件取得にあたり、「東京」駅まで２５分、「千葉」駅まで１４分というアクセス性、「船橋」駅から続くペデストリアンデッキ直結という立地、共用部分に吹き抜けや中庭が採用された開放感のある構造等を評価。テナントについても、大手不動産会社、大手生命保険会社、信販会社の支店・営業所等が同ビルに拠点を構えており、分散化され安定した企業が入居している。千葉県内２番目の人口を擁し、駅の乗降客数は千葉支社内最大である。
なお、物件取得先は、万仁土地（東京都千代田区）で、取得価格は２２億５２３０万円だ。
日本レジデンシャル投資法人 地下鉄「月島」駅徒歩２分 生活利便性高い立地が強み ３月竣工予定の新築物件を取得
日本レジデンシャル投資法人（東京都千代田区）は、パシフィックレジデンス月島を取得する。
同物件は、東京メトロ有楽町線、都営地下鉄大江戸線「月島」駅徒歩２分に位置する、地上９階建て、延床面積２０３６・０６㎡からなる、平成１８年３月竣工予定の共同住宅だ。
同投資法人は物件取得にあたり、都心部主要ビジネス街・商業中心地へのアクセス性、生活利便性の高さ等、を物件取得にあたり評価した。
竣工前物件ということから、建築工事の進捗状況等を、同投資法人に定期会議で報告すること等を売買代金支払の条件とすることで、工事完工・建物引渡しリスクの低減を図った。
物件取得先は、三井不動産（東京都中央区）で、取得価格は、１１億７６４６万２３３円だ。
ジャパン・シングルレジデンス投資法人 ８月竣工予定の共同住宅を取得 工事完工・物件引渡リスク回避
ジャパン・シングルレジデンス投資法人（東京都港区）は、（仮称）シングルレジデンス駒沢公園の信託受益権を取得する。
同物件は、東急田園都市線「駒沢大学」駅徒歩１３分に位置する、平成１８年８月竣工予定、地上３階建て、延床面積１１８４・３８㎡の共同住宅である。
同投資法人は、物件取得にあたり、「渋谷」エリアへの交通アクセスに優れ、また駒沢オリンピック公園総合運動場が存する等、良好な居住環境を評価した。竣工前物件の取得とあり、検査済証の交付を受けること、買主によるデューデリジェンスにより瑕疵が発見されないこと等を売買代金支払い条件とし、工事完工・物件引渡しリスクを回避する。
なお、物件取得先は藤和不動産（東京都中央区）で、価格は７億８５５万円だ。
