不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2005.12.26 13:47

松下電工 既存のパソコンで運用・管理 入退室管理システムを新発売 防犯設備等との連携可能 総合システムへ発展も
 松下電工(大阪府門真市)は、既存の汎用パソコンを利用して運用管理できる、入退室管理システム「デイリチェッカー」を21日より発売した。
 同システムは、入退室管理が必要な扉などの出入り口が4ヶ所までの建物・オフィスを対象としており、コントロールユニット、非接触ICカードリーダー、非接触ICカードで構成される。専用のセンター装置が不要で、操作はホームページを見るようにクリックするだけの簡単操作。カードには偽造が困難な非接触ICカードを採用し、暗証番号と組み合わせて使用できるテンキー付も用意し、必要に応じたセキュリティレベル構築にも対応する。小規模な建物やオフィスなど大規模なシステム導入が難しいユーザーに58万2750円〜という低価格帯での入退室管理システムを提案していく。既存の汎用パソコンによるOALANなどの既存ネットワークを活用することが可能なため、ローコストなシステム導入が可能。防犯センサや照明・空調設備と接続して総合的な遠隔制御システムに利用することもできる。
 カード登録は最大で3000枚、履歴管理は最大6万件まで可能だ。

日立空調システム 個別運転可能な室外ユニット発売 ワイド気流ウイング等で省エネ制御運転が可能に
 日立空調システム(東京都港区)は、複数台の室内ユニットを個別運転できる機能を備えた店舗・オフィス用パッケージエアコン「HiインバーターIVX省エネの達人」(室外)と、ワイド気流ウイングを搭載したシステムフリーZ室内ユニット「てんかせ4方向」を来年4月から順次発売する。
 室外ユニットは、業界トップクラスの冷暖平均COP4・86(50・112型)を実現し、1台のユニットで複数台の室内機を独立して運転する「個別運転機能」を80型以上の機種に標準搭載することで室内負荷に追従した無駄のない空調を実現した。
 一方、「てんかせ4方向」は、吹出し口に装備したワイド気流ウイングにより、部屋全体に均等に気流を届ける「ターゲット気流」を可能とし、無駄の少ない省エネ運転を行うことができる。
 リニューアル時に既存配管・配線を利用できるスピードリニューアルに対応し、圧縮機故障履歴のある既設空調機でも配管洗浄なしで配管の再利用が可能になった。
 なお、希望標準小売価格は40型、61万7000円からとなっている。

西松建設 現場管理に高速認識ICタグゲート開発 ビル向け入退室管理へも展開
 西松建設(東京都港区)は、ヨコハマシステムズ(横浜市西区)と共同で、3000人を超える大規模な建設工事における就労者の入退場管理システムを開発した。これは、既に戸田建設(東京都中央区)と共同開発済みの、ヘルメットにつけた無線ICタグと、その情報を感知するゲートを組合わせて作業員の入退場管理を行う「ICタグ入退場システム」を改良し、大型建築現場に適用したものだ。
 開発したのは、高速認識ICタグゲート「ウォーキング・スルー・ゲート」。1秒間に1人の通過時間を実現し、複数のゲートを集中管理することで入退場者のゲート通過時間を大幅に短縮することができる。無線LAN対応なので、ゲートから離れた場所でも設置可能だ。ICタグを装着していない作業員についてはゲート通過時に音声と音で警告する機能を装備する。
 なお、イオンモールから受注した大型SCの建設現場(福岡県直方市)では、4台のゲートを導入し、作業管理を大幅に効率化した。
 今後は、大規模建設工事現場への適用を進める一方、汎用の入退場者管理システムとして、学校・工場・オフィスビルなどへの展開も図っていく予定である。

三協アルミ アルミ樹脂複合パネルシステムを発売 省エネ・耐侯性能が従来に比べ向上
 三協アルミニウム工業(富山県高岡市)は、アルミ樹脂積層複合板をユニット化した外装パネルシステム「ロフス(ROFS)パネル」を発売した。樹脂とアルミの複合板にフッ素樹脂焼付塗装を採用しているため耐侯性に優れ、メタリックのある意匠を特徴としている。芯材に、ポリオフィレン系の樹脂を採用したことで熱伝導率を抑えることができるため、室内区冷房の効率がアップすることによる省エネ効果を発揮。アルミ(0・5+0・5)との複合板にすることで平米あたり5・5という軽量化を実現し、セメントやコンクリート、金属素材に比べて躯体への負担を軽減しながら施工性を向上させた。また加工もしやすいため、折り曲げ加工や・アール曲げ加工・切り加工などを応用しながら外観表現の幅が広がる。
 アルミの地に対応するドライシール工法(タイト材方式)と、スチール下地に対応するシーリング工法(オプション)の2つの工法で施工が可能、カラーバリエーションは、スーパーメタリックシルバーとシャンペンシルバーの2種類となっている。

<注目の新技術>三井住友建設 1フロア3~4日で施工 30階建で5ヶ月工期短縮 オールPCa工法大林組と共同開発
 工場であらかじめ製作された鉄筋コンクリートパネルを利用して施工するプレキャスト(PCa)工法がビル・マンション建設で主流になってきているが、現場打ちのコンクリート工事と併用するのが一般的だった。
 この程、三井住友建設(東京都新宿区)と、大林組(東京都港区)では、柱・梁などの主要構造部に現場打ちコンクリートがほとんど存在しないオールプレキャストコンクリート工法である「LRV工法」(大林組)および「スクゥラム工法」(三井住友建設)をそれぞれ独自に開発、このほど両社共同により工法の統一化を前提とした特許出願を行い、両社にて共同研究を進めていることを発表した。
 この工法は、基準階躯体を1フロアあたり4〜3日の標準工期で施工することが可能である。本工法を採用した場合、30階程度の建物で従来のPCa部材と現場打ちを併用した施工法と比較し、最大5・5ヶ月程度の工期短縮効果を見込むことができる。
 また、躯体部材を全て品質管理の行き届いた工場にて製作することから、より高品質な構造躯体を確保することができ、かつ高いコンクリート強度を必要とする柱・梁の全てをPCaト化することにより、その他床など各々の部位に適したコンクリート強度とすることができるので経済的な建築が可能だ。

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