不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2005.12.19 15:11

<リスクに挑む>ササノ耐震調査事務所 50cmの深度まで調査できるレーダー探査装置 コンパクト設計ながら従来機以上の性能
 耐震工業診断などを行うササノ耐震調査事務所(神戸市中央区)は、建物外壁・内壁などの各種調査を最大50㎝の深度まで調べることができるハンディタイプの電磁波調査レーダー方式探査装置「バーンオゥル」の販売を来年1月より開始する。
 本製品は、耐震強度偽造問題で高まる建物診断需要に対応可能な、コンクリート内部の鉄筋、空洞、配管、ジャンカ(コンクリートの空隙)や構造物内部のケーブル、異物、埋設管、樹木内部の空洞などの調査に適している。アンテナ・ディスプレイ一体型のコンパクト設計なので、片手で簡単操作が可能だ。データ登録はSDメモリーカードに大容量で記録できるため、大規模な物件でも使用できる。内臓バッテリー搭載で、動作時間は1時間だ。
 また、計測データは、小型でありながら従来機と同等以上の性能を有し、専用の解析ソフトを使用することで、高精度な測定結果を得ることが可能だ。
 なお、同社は阪神淡路大震災の復興に関わった経験から耐震診断を提供している。診断の一環として長年レーザー探査業務に携わってきたノウハウを基に、調査機器販売などを手掛けるバーナム(大阪市城東区)へ本製品の開発を提案し、製品化に至った。なお、販売価格は本体250万円、解析ソフト50万円、セット価格280万円(税別)となっている。

ダイキン工業 店舗・オフィス用エアコンを新発売 業界トップの省エネ・小型化実現 室内機も防汚塗装、脱臭機能を強化
 ダイキン工業(大阪市北区)は、業界トップのコンパクト化と省エネ性能を実現し、既設配管利用に完全に対応する店舗・オフィス用エアコンスカイエア「ZEASQ」シリーズ全11タイプ計388機種を来年4月より新発売する。
 新シリーズは液冷媒を最適にコントロールし、省エネ・省冷媒化を実現する「LRC冷媒回路」を採用、新型熱交換器「クロスヒートパス熱交」により省エネ性を向上させながら現行機に対して容積13%削減(室外機高さ1170)を達成した。
 省エネ性では、圧縮機のモータ損出などを大幅に提言する「ハイブリットスクロール圧縮機」の採用で業界トップクラスの定格COP4・3(冷暖平均)を実現。定格以外での圧縮機低回転領域でも高効率を実現し、従来のインバータ機に比べ、14・0kwクラスで年間電気代を約10%削減している。更新時の既設配管利用も圧縮機故障時など配管内に不純物が多く残った際にも洗浄せずに配管の再利用が可能になった。
 また、スカイエア、ビル用マルチの室内機である天井埋込カセット形「ラウンドフロー」タイプ全62機種も同時に発売する。新開発したタバコ煙などの防汚に優れた新塗料「セルフガード」を化粧パネルに採用し、黄ばみやホコリ付着を大幅に軽減。脱臭機能技術を搭載した「電撃ストリーマ脱臭ユニット」を搭載するなど快適性を向上させた。

清水建設 車いすロボットの実証実験終了 オフィス空間や空港の配送高齢者移動システムに応用
 清水建設(東京都港区)は、ロボット技術と建築物の融合した利便性の高い生活空間創出研究の一環として、建物や周辺施設から必要な情報をセンサで取得しながら屋内・外を自由・自在に移動する「車いすロボット」を開発。福岡市の「ロボット特区」事業の一環として市内のアイランドシティ公道にて進めてきた実証実験を終了し、実用化に目処をつけた。
 実験に使用した「車いすロボット」は、市販の電動車椅子をベースに、新たに制御装置や各種センサなどを組み込んだもの。移動する環境を認識するためのレーザレンジセンサ、建物や周辺施設などから情報を取得するためのICタグアンテナ、障害物検知及び追随移動用の超音波センサなどのセンサシステム、車輪駆動用の制御装置、及び緊急停止装置などの安全装置を装備。人が乗車した状態で、自動、追随、手動の各モードで安全に移動することなどを確認した。
同社では今後、高齢者向けのロボットシステム、オフィス空間における配送ロボットシステム、空港の荷物カートやスーパー・デパートの買い物カートなど、実用性の高いロボットシステムへの応用展開を図る計画である。

セルコンテクノス 日本初エコマーク取得したPVCタイルの販売を開始 完全リサイクルシステム構築
 セルコン(神戸市中央区)グループの建装事業会社であるセルコンテクノス(大阪市淀川区)は、環境対応型ホモジニアスタイル(置き敷きタイプ)「リファインバックエグザ」の販売を開始した。
 この製品は、同社が取り組む塩ビ廃床材リサイクル循環システム「eRECYCLED」により、塩ビタイルの裏地部分に廃床材再生塩ビを使用し、塩ビリサイクル率51%以上を達成した製品化により日本初のPVCタイルにおけるエコマーク認定を取得している。現在、工場では同製品の完全リサイクルシステムを構築しており、資源循環および廃棄物の削減を実現した。なお、タイルのサイズは500㎜×500㎜×5㎜、置き敷き施工することによって簡単なメンテナンスやリニューアルに対応、フリーアクセスフロア下地でも使用できる。梱包は10枚(2・5㎡)がワンケースとなっており、価格は税別で平米あたり8900円だ。
 セルコンテクノスでは、インテリア商品および内装仕上材の企画・開発・販売を通して、地球環境へ貢献するリサイクルシステムを導入。不要になったオフィスのタイルカーペットの再生などにも取り組んでいる。

<注目の新技術>西松建設/戸田建設 メッシュコンクリート剥離防止工法を新開発 ポリプロ製メッシュを採用し在来工法から30%工事費削減
 既設コンクリート構造物の表面にエポキシ樹脂で繊維メッシュを接着させることによりコンクリート片の剥落を防止する「PPネットライニング工法」を西松建設(東京都港区)と戸田建設(東京都中央区)が開発した。
 剥落防止用の繊維メッシュとして新しいポリプロピレン製の三軸繊維メッシュを採用し、メッシュ表面に特殊処理を施すことにより、エポキシ樹脂との付着性能を向上させたことで、高い押し抜き性状を確保した工法となっている。
 従来の合成繊維メッシュでは、施工時の構造物隅部への追随性が悪く、剥離や施工性の課題があったが、新工法に使用する本繊維メッシュは、繊維の厚さを従来の3分の1(メッシュ本体部で0・20〜0・25、メッシュ交点部で0・50〜0・60)にしたことで現場での曲げ加工が容易になり、構造物の隅々へ追随するため施工性が大幅に向上した。
 また、施工性が向上することによって工期が短縮できるだけでなく、含浸樹脂の使用量が抑えられることにより、従来の合成繊維メッシュ工法と比較して30%程度の工事費低減が可能となった。現在両社では、戸田建設技術研究所内で実証施工を行い、長期暴露試験を実施している。
 今後は、高架橋を主なターゲットとして、道路、鉄道系発注者へ積極的に提案していく一方、岸壁や擁壁等既設の土木構造物、ビルなどの建築構造物外壁およびスラブ等の剥落防止への適用拡大も図っていく予定だ。

大阪ガス/ヤンマー マイクロコージェネの用途を拡大 25KWクラスで排熱の冷房用途利用を実現
 大阪ガス(大阪市中央区)とヤンマー(大阪市北区)は共同で、排熱の排熱の冷房用途への利用を実現した「25kwガスエンジンマイクロコージェネレーションシステム」を、このクラスで初めて開発し、12月20日より発売を開始する。
 ガスコージェネレーションシステムは、省エネ性に優れたシステムとして全国で2700台以上、大阪ガス管内でも1500台以上設置されるなど年々普及が進んでいる。しかし、従来のマイクロコージェネの排熱は、回収温水温度65〜75度程度と低く、主に給湯用途に限られていたため、福祉施設、温浴施設、店舗、工場、ホテルなどに採用が限られていた。
 本システムでは、排熱回収温度を従来の75度〜83度までアップさせることで、排熱投入型ガス吸収冷温水ジェネリンクとの組み合わせが可能となり、このクラスで初めて排熱の冷房用途への利用を実現している。これによって電気負荷に比べ給湯負荷の少なかったオフィスビルや商業施設への普及を図る。
なお、現行の25kwタイプでは複数台運転制御が5台まで可能だったが、本システムでは8台まで増やし、200kwクラスまで対応できるようになった。

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