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築50年超の賃貸住宅を再生 「リファイニング建築」で新築同等に

2026.09.14 10:39

 三井不動産(東京都中央区)は、松岡地所(東京都新宿区)が東京都品川区に所有する築50年超の既存共同住宅の再生事業を竣工させた。
 同事業では青木茂建築工房(東京都港区)が提唱する既存建物の再生手法「リファイニング建築」を用いた「老朽化不動産再生コンサルティングサービス」を活用。1968年築の旧館と1974年築の新館からなる共同住宅「長者丸ハイツ」を「リハイツ長者丸」として再生させた。
 立地は東京都品川区上大崎2丁目。東京メトロ「白金台」駅から徒歩13分、JR「目黒」駅から徒歩15分の場所に位置する。
 改修後の物件は敷地面積約1032㎡、延床面積約2115㎡、建築面積約443㎡。総戸数42戸の住宅を40戸へと再構成した。
 建替えを行う場合、既存建物の建築時にはなかった日影規制等の建築基準法の規制を受けることから現状より建物規模の縮小が想定されるため、事業性の確保が困難という課題があった。そこで、「リファイニング建築」を活用した再生により建物規模を維持するとともに、三井不動産グループによる賃貸マーケットニーズを捉えた商品企画を行うことで、新築に迫る賃料設定を可能とし、高い事業性を確保。また、建物の不良箇所の調査・補修と併せて耐震補強等を行うことで、建物の長寿命化も実現した。
 改修後の旧館はRC造4階建て。改修工事では従来の階段室型住戸を屋内廊下型へと変更することで住戸へのアクセス性を向上させるとともに、雨天時の利便性や防犯性にも配慮した。併せて従前は階段として利用されていた空間を住戸へ再編し、空間の有効活用を図った。またエレベーターの新設により、日常的な利便性およびバリアフリー性を向上させている。改修後の新館はSRC造(5~7階はRC造)7階建て。改修工事ではピロティや借室を有効活用し、セキュリティエリア内に駐輪場や宅配ボックス、ゴミ保管庫を新設するなど、基本性能の向上を図った。さらに既存建物にはなかった機能として多目的スペースの新設を行った。
 竣工当時未取得だった検査済証も今回の再生事業により取得。断熱性能の向上や設備更新などにより省エネルギー性能の向上にも配慮した。
 既存建物の約80%を再利用することで、同規模に建替えた場合と比較して建築費を約3割削減。工期短縮も実現している。CO2排出量は約60%削減しており、環境負荷低減と事業性の両立を図る取り組みとなった。
 三井不動産では、これまで培ってきた「リファイニング建築」の知見を生かし、今後も既存不動産の価値向上に取り組むとともに、持続可能なまちづくりに貢献していく考えを示している。




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