週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

耐火被覆工事の實川耐工 米・業界団体に日本企業で初加盟 知見取り入れ施工品質のさらなる向上狙う

2026.06.22 10:41

 耐火被覆工事を行う實川耐工(東京都江戸川区)はこのほど、米国の耐火被覆工事の業界団体である全米耐火被覆工事業者協会(NFCA)に加盟した。日本企業としては初の加盟となる。
 實川耐工は2017年4月に設立。高層オフィスビルやマンション、物流倉庫や行政施設など年間140件ほどの耐火被覆工事を実施している。大規模再開発での実績も積み重ねており、直近では「麻布台ヒルズ」や「習志野市役所」などで施工した。
 實川大貴社長は今般のNFCA加盟について「世界の知見と日本の技術力の橋渡しをしていきたい」と話した。同氏によると、耐火被覆工事は国や地域によって鉄骨の下地や内容物の密度などの基準が異なり、技術面にも違いがある。それぞれに長所が挙げられるが、日本の耐火被覆工事の業界で海外の知見を日本で共有する動きはほとんどなかった。
 NFCAは米国の業界団体として、米国内で耐火被覆工事業務を行うための「SFRM請負業者認定」や、高い施工品質を保証する「UL認定SFRM請負業者プログラム」などを提供している。
 實川氏は「それぞれの国・地域に長所があると思う。NFCAで得た知見を生かして、日本の現場でもより高品質な施工ができるようにするとともに、業界内での知見の共有にも取り組んでいきたい」と話す。「技術大国」とも呼ばれる日本のノウハウを「世界に知らしめたい」とも意欲を見せる。将来的には海外展開も視野に入れる。
 「私自身、今も現場に出て耐火被覆のための吹き付け工事を行っており、技術力では誰にも負けない自信がある。こうした技術力を世界に共有することで、日本の知見を世界に共有していきたい」(實川氏)
 實川耐工もそうした技術力に自信を持つ。技術力と併せて特徴となっているのは、施主との伴走や工期厳守の企業姿勢だ。實川氏は「丁寧な仕事はもちろんだが、工期に間に合わせることや施主の事情に考慮した施工も大事な要素だ。社員の平均年齢が25歳という若さだからこその柔軟さも当社の特徴のひとつとなっている」と語る。こうした姿勢と取り組みが評価されて、大規模プロジェクトでは数々の表彰を受けている。
 対応できる物件も幅広い。耐火被覆工事業者のなかには、高層物件での経験が限られて対応できないケースも多い。同社ではこれまでオフィスから住宅、物流施設などの幅広いタイプの物件で工事をこなしてきた。
 耐火被覆工事は新築時だけでなく、改修も必要だ。實川氏に業者選びのコツを問うと「(1)実績(2)アセットに偏りがないか(3)アフターフォロー/メンテナンス(4)自主検査」の4つのポイントを挙げて、次のように説明する。
 「実績が多いことや住宅だけでなくオフィスや倉庫などさまざまな物件でこなしていることはその業者の経験値の高さになる。年数が経過すると補修や、場合によっては改修も必要であり、アフターフォローやメンテナンスの体制、加えて被覆材の厚みや施工・材料の適切さを自主検査でチェックできる体制を整えていることも安全性の観点から不可欠だ」
 もちろん同社もこの4つのポイントを押さえる。今回のNFCA加盟を通じて同業他社に先駆けて世界水準の知見を取り込むことで、さらに一歩先に進もうとしている。




週刊不動産経営編集部  YouTube