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経済的残存耐用年数のレポート作成 鑑定法人エイ・スクエアとSOMPOリスクマネジメントが協業

2026.04.06 10:18

 全国100以上の不動産鑑定事務所と連携し、全国対応で不動産鑑定などのサービスを提供している鑑定法人エイ・スクエア(東京都中央区)は、国内の投資用不動産や企業不動産などを対象とした「経済的残存耐用年数査定サービス」の提供を開始した。このサービスは、SOMPOグループでリスクコンサルティングサービスを提供するSOMPOリスクマネジメント(東京都新宿区)と共同で開発したもので、ビジネスモデル特許を取得。両社は業務提携契約を締結しており、それぞれの強みを生かした連携でサービスを提供する。
 サービスの提供を開始した背景について、鑑定法人エイ・スクエアの大森利社長は次のように述べる。
 「昨今の建築費高騰の影響などから、建物の老朽化が進行する一方で既存の建物をいかに長く活用するかがオーナーにとっての重要な課題となっています。当社は大企業や不動産ファンドだけではなく、中小規模の不動産オーナーからの鑑定業務のご依頼をいただくことが多いのですが、老朽化した建物に対して金融機関からの融資を得るのは容易ではありません。そのため建物の経済性を合理的に説明できる意見書が求められていました。他方、SOMPOリスクマネジメントはアセットマネジメント会社やファンドなどからご依頼をいただいてエンジニアリングレポートサービスを提供されています。投資用不動産の減価償却費は税法上の法定耐用年数をもとに算出するのが一般的ですが、法定耐用年数は建物の実際の使用可能年数より短いことが多く、より実態に即した減価償却期間の変更のための合理的な根拠となるレポートが求められていました」
 今回両社が提供を開始した「経済的残存耐用年数査定サービス」は、鑑定法人エイ・スクエアが得意とする市場性・経済性からの視点と、SOMPOリスクマネジメントが得意とする建物の物理的な評価を組み合わせたもの。対象の不動産の物理的な耐用年数や、予測される収入と費用から算出されるネットキャッシュフロー(NCF)による経済的限界年数、物件固有の個別性といった複数の指標を総合的に分析し、合理的な年数を「経済的残存耐用年数」として提示する。
 両社では同サービスの活用場面として、金融機関の融資判断におけるリスクの判断指標や、企業の税務会計上の減価償却費の見積りの算定根拠となる耐用年数の評価、IFRS適用会社などにおける不動産の時価評価、減損会計の適用を検討する際の資産の回収可能期間の算定などを想定している。両社は今年度100件(3000万円)程度の受注を目指し、既存顧客を中心として訴求を図っていく構えだ。




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