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キヤノンマーケティングジャパン 顔認証で入退を管理「入退顔認証サービス」

2025.06.23 12:34

 キヤノンマーケティングジャパン(東京都港区)は、2023年6月から「入退顔認証サービス」を提供している。映像技術とAIを活用し、現場の課題を解決する「映像DXシリーズ」の1つだ。
 顔認証システムと入退管理システムを活用し、顔をキーとして入退室の管理を行う。具体的には、入口に設置した顔認証カメラで捉えた顔と、顔認証システムに登録済みの顔を照合。一致したら共通IDを入退管理システムに通知し、入室権限がある場合にドアが解除される。入退管理システムに登録された情報には、どのドアを通行可能か、利用可能な時間帯かが含まれている。万が一カメラが止まってしまった等でシステムが利用できない場合には、カードにアクセス権を付与し、カードリーダーで読み込ませ入室することも可能。
 サービスの特徴は、ネットワークカメラを利用し暗い場所や逆光といった、従来のカメラでは認証が難しかった場所でも高い認証性能を実現することだ。構造上カメラを正面に置けない場合も、見下ろす形で設置ができる。キヤノン独自開発の高性能顔認証エンジンを搭載し、マスクや帽子などを着用していても高い精度で顔認証ができる。長時間稼働に対応した産業用パソコンを採用、低コストで長期間安定して運用可能。システム保守に加入することで、障害発生に対応している。
 従来のICカードによる管理手法の懸念点であるカードの劣化や紛失、さらには貸与によるなりすましのリスクなどが「入退顔認証サービス」では防止できる。また両手がふさがっている際もハンズフリーで入室可能だ。
 アフターサービスとしては24時間365日体制のコールセンターが設けられている。障害が起きた場合、コールセンターが専門の部署につなぎ、対応を行う。
 ソリューションデベロップメントセンターの映像ソリューション企画部映像ソリューション企画課課長の絹村謙悟氏は、「お客様のご要望に寄り添いながら、カメラの機種選定や配置場所を提案します。逆光や日当たりの強い環境下でも問題なく動作するよう、現場環境に応じて最適な設置を案内します」と話す。
 導入ケースとしては、サーバー室や役員室などセキュリティ強化が必要となる重要なエリアに一部導入するなどの方法が考えられる。現在は主に製造業の工場などに導入を行っているが、今後は大型のオフィスビルなどに導入を目指していく構えだ。
 NVS企画本部NVS企画部NVS企画第二課チーフの小柳隆平氏は「業務における映像コンテンツとAI活用を社会のスタンダードとして定着させていくことを目的に、まずはオフィスビルや製造業のお客様を中心に業務効率化の可能性を広く紹介したいと考えています」と今後の展望を語った。




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