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「品川インターシティ」開業25年 日鉄興和不動産が新施策を発表

2023.12.11 11:16

 日鉄興和不動産(東京都港区)などが所有・運営管理するJR「品川」駅前の超高層複合ビル「品川インターシティ」が、1998年の開業から25周年を迎えた。これを機に、日鉄興和不動産では品川エリアにおける街づくりのコンセプトを「つなぐ・つながる街」と定め、今後の施策を展開するとしている。
 「品川インターシティ」は3棟のオフィス棟・商業棟・ホール棟で構成される超高層大型複合ビルとして、1998年12月に開業。かつて広大な貨物ヤードなどが存在した「品川」駅港南口の開発の端緒となったプロジェクトである。本プロジェクトでは「品川」駅港南口の利便性を向上させるべく、単なる建物の開発で終わらせるのではなく、駅の東西をつなぐ自由通路「レインボーロード」や広大な緑地を有する「セントラルガーデン」の整備等を行うことにより、駅周辺のインフラ整備に大きく貢献してきた。
 「品川インターシティ」の開業後は国内外の優良企業がオフィスを構え、品川エリアはビジネス街として発展。港区は23区内でもとりわけテクノロジー関連の事業所が多く、特に港南地区は港区内でもテクノロジー関連企業の集積が最も進んでいる。日鉄興和不動産の三輪正浩社長は「『品川インターシティ』は開業から多くのテック企業にご入居頂いて参りました。コロナ禍でテナント企業の入れ替わりはあったものの、現在も多くのテック企業にご入居頂き、満室で稼働中となっています」と述べる。2003年には「品川」駅が東海道新幹線の停車駅となり、近年では羽田空港の国際化に伴い、品川エリアは東京ならびに日本の玄関口として広く認知されるようになった。エリア内では今後も複数の大規模再開発が控えており、また将来的にはリニア中央新幹線の始発駅の設置も予定されていることから、さらなる発展が期待されている。
 「つなぐ・つながる街」の街づくりコンセプト策定に合わせ、日本の鉄道発祥の地の1つである品川の特性を生かし、レールをモチーフとしたロゴマークや10種類のアイコンを制作。「品川インターシティ」の開業25周年を記念して作成されたキービジュアルでは「ビジネス街じゃ、終われない。」をテーマに掲げており、開業25周年の様々な企画の展開が予定されている。
 その第1弾として、今月7日から2024年2月14日までの期間、「品川インターシティ」に隣接する緑地空間「品川セントラルガーデン」にて、最先端技術とイルミネーションを組み合わせた「品川XRアクアガーデン~ビルの合間できらめく海中散歩~」が開催中である。期間中は約40万球のイルミネーションが「品川セントラルガーデン」を彩り、Psychic VR Lab(東京都新宿区)が提供する最新のXR(クロスリアリティ)技術により、現実空間のイルミネーションと海中を模した仮想空間を重ね合わせた新しい体験を参加者に提供する。ヘッドマウントディスプレイを用いた体験は予約制となっているが、予約なしでも楽しめるコンテンツとしてスマートフォンアプリ「STYLY」を用いたAR鑑賞も用意している。
 今月4日に行われた記者発表会では、三輪正浩社長が「品川インターシティ」開発の経緯や、開業から現在までの25年間で行われてきた街づくりへの取り組みなどを紹介。「品川」駅周辺では今後も大規模な再開発プロジェクトが計画されているが、「周辺の再開発と協力しながら街の魅力を一層高め、今後も地域の発展に貢献したい」と述べている。

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