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シナネンホールディングスグループ 今年10月「シナネンアクシア」設立 建物維持管理事業4社統合

2023.06.05 11:11

 シナネンホールディングス(東京都港区、以下シナネンHD)は今年10月1日に、グループ内の建物維持管理事業を展開する子会社4社を統合。新たに総合建物メンテナンス会社「シナネンアクシア株式会社」を設立する。本格始動に向けて、最終調整に取り組んでいる。

2012年インデス買収 建物維持管理事業へ参入
 1927年創業で、エネルギー・住まい・暮らしの総合サービス事業を展開する企業グループの持株会社。「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」をミッションに掲げ、消費者向けのエネルギー卸・小売周辺事業、法人向けのエネルギーソリューション事業、非エネルギー事業(自転車、シェアサイクル、環境・リサイクル、システム開発、抗菌、建物維持管理)などを提供してきた。
 そんなシナネンHDが建物維持管理事業に参入したのは、2012年に集合住宅のメンテナンス会社インデス(東京都町田市)を買収したことに端を発する。元々消費者や法人向けでのエネルギー事業に関係が深く、多角化戦略の内容にも合致していたため。以降は、ガスシステム(名古屋市昭和区)、タカラビルメン(茨城県龍ケ崎市)、サンフィール(東京都渋谷区)と、M&A等を通じて拡大してきた。現在では非エネルギーセグメントの中核事業にまで成長している。

各社有するリソース 高品質なサービス集約
 10月に誕生するシナネンアクシアは、本社オフィスを新宿区新宿4丁目の「FORECAST新宿SOUTH」6階に構える。従業員数は今年3月末時点で、1344名(出向者・パート・契約社員含む)。居住用建物やビル、病院、商業施設のメンテナンス、運営受託及び共用部管理などのサービスを提供する。今回の統合についてタカラビルメンの中込太郎社長は「各社が有するリソースと、各エリアに密着・提供してきた高品質なサービスを集約させます。集約した情報等はより広範囲に、ワンストップで提供が可能なサービスに変えていきます。特に様々な施設や用途での運営管理における、総合建物メンテナンス業を提供できることは大きな強みと認識しています」と語った。
 また、LPガス等のエネルギー事業を全国各地で行っている強みも生かせる。各地に支店・営業所などを有しており、これらと連携することでより広範囲でのサービス提供が可能になる。エネルギー分野の知見を生かして、ライフサイクルコストの見直し等も積極的に提案可能だ。設立に向けて今後は、全国規模でのサービスの平準化を目指す。これまで4社が各社で提供していたサービスが、統合後の新会社においてはすべての事業エリアで提供できるようベースを構築している。4社統合からの質の高いサービス提供に向けて、最終の詰めが進行中だ。

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