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JR東日本 街の名称「TAKANAWA GATEWAY CITY」に決定 KDDIは2025年春に本社を移転

2023.05.22 11:52

 東日本旅客鉄道(東京都渋谷区、以下JR東日本)は、JR「高輪ゲートウェイ」駅周辺において推進している「品川開発プロジェクト」について、街の名称を「TAKANAWA GATEWAY CITY」に決定した。街開きは2025年3月を予定している。
 「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」のビジョンを掲げており、JR東日本はKDDI(東京都千代田区)とともに街の設備や街の人に関するデータを収集・分析するデータ基盤の構築を通して、新たなサービスの創出を可能にするまちづくりを進める。なおKDDIは2025年春を目処に「TAKANAWA GATEWAY CITY」への本社機能の移転を予定している。
 両社は2020年12月、場所や時間にとらわれない多様な働き方や暮らしを創出する新しい分散型まちづくり「空間自在プロジェクト」の実現に向け、基本合意書を締結した。同年10月からは離れていても同じ場所にいるかのようにチームでのコミュニケーションが可能になる「空間自在ワークプレイスサービス」の提供を開始。今年1月からは画像解析技術と連携した都市データを連動型ロボット配送サービスの検証を実施している。両社は街の設備データや街に関わる人のデータなど異なる分野のあらゆるデータを収集分析し、分野をまたがってデータを活用し合えるプラットフォーム「都市OS」を構築。「TAKANAWA GATEWAY CITY」では、この都市OSを活用し街から得られるデータに加えて、JR東日本が持つ鉄道や駅のデータ、KDDIが有する人流データなどを収集しデジタルツイン上で分析することで、「街に関わる人に快適なサービスの開発」、「防災シミュレーションを活用した強靭なまちづくりの推進」、「ロボットを活用したサービスの開発」の提供を行うとしている。
 「街に関わる人に快適なサービスの開発」では、オフィスの入退場記録データや鉄道データ、商業データなどを組み合わせ、分析した結果をリアルタイムにフィードバックすることで、「TAKANAWA GATEWAY CITY」に関わる人に最適な暮らしを推奨するサービスの開発に着手する。
 また、「防災シミュレーションを活用した強靭なまちづくりの推進」では、デジタルツイン空間に作成した屋内外の3D都市モデル上に、実際の街から取得した人流データや街の設備のデータを掛け合わせることで、精度の高いシミュレーション環境の構築が可能である。非常時の避難シミュレーションや防災計画の検証など、安心安全なまちづくりに向けた取り組みに活用される。

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