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「六本木ヒルズ」開業20周年 カラフルなインスタレーションを期間限定で展示

2023.05.01 11:32

 森ビル(東京都港区)らが開発を手掛けた大規模複合施設「六本木ヒルズ」が先月25日、開業から20周年を迎えた。中核となる超高層ビル「六本木ヒルズ森タワー」には外資企業やIT関連企業をはじめ有名企業が多数テナントとして入居しており、その人気ぶりは開業から20年が経過した今も衰えていない。オフィス・商業・住宅・文化施設などを集約し、年間約4000万人が訪れる「六本木ヒルズ」は、東京を代表する文化拠点として今後も独自の魅力を発信し続ける。

 戦後の高度経済成長期からバブル期にかけて、和食をはじめ各国料理の名店が店舗を構え、バー・クラブなどもこぞって出店し「夜の街」としてのイメージが定着していた港区六本木。この頃から、木造住宅が密集し狭小な道路が都市インフラを阻害するとして課題となっていた六本木六丁目地区での大規模再開発の話が持ち上がり、森ビルやテレビ朝日を中心とする地権者によって検討が重ねられ、2000年に工事が着工。2003年4月に竣工し、同月25日に開業を迎えた。
 「六本木ヒルズ」は地上54階建ての「六本木ヒルズ森タワー」を主要施設とし、建物内はオフィスを中心に低層部には商業施設、高層部には展望台や美術館などの文化施設を配置。そのほか敷地内にはテレビ朝日本社ビルやホテル「グランドハイアット東京」、「六本木ヒルズレジデンス」などが所在している。
 六本木エリアでは2007年に国立新美術館が開館。「六本木ヒルズ」が切り開いた文化・芸術の風土は街に着実に根付いている。今月27~28日には、街全体を美術館に見立て、夜を徹してアートを楽しむ一夜限りのイベント「六本木アートナイト2023」が開催される。これに先立ち、「六本木ヒルズ」開業20周年を記念したインスタレーション「100 colors no.43『100色の記憶』」が、先月22日より「六本木ヒルズ森タワー」前の広場「66プラザ」において先行展示されている。
 この作品はフランス生まれの建築家・アーティストのエマニュエル・ムホー氏が手掛けたもので、50枚のアクリル板の両面に合計100色の西暦が刻まれている。西暦は同施設が開業した「2003」から現在の「2023」までが記されており、時の流れを表現。最も新しい「2023」は、新たな記憶として白色で表現されている。
 エマニュエル・ムホー氏は日本に事務所を構えて今年で20年。同じく20周年を迎えた「六本木ヒルズ」が、色あせないカラフルな記憶を胸に次のステージに進むよう願いが込められているという。夜には作品のライトアップも実施されているとのことで、施設を訪れた際には20年の歴史を感じさせる展示に足を止めてみてはいかがか。
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