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旧ゆうぽうと跡地の大規模複合施設「五反田計画(仮称)」

2023.03.06 10:43

 日本郵政不動産(東京都千代田区)は東京都品川区の「旧ゆうぽうと」跡地で、大規模複合施設「五反田計画(仮称)」の開発を進めている。今年12月に竣工予定だ。
 JR「五反田」駅から徒歩5分、東急池上線「大崎広小路」駅からは徒歩1分の好立地で進行中。規模は地上20階地下3階で、延床面積は約6万9000㎡。敷地面積も約6700㎡と広く、用途は賃貸オフィスやシェアオフィス、ホテル「星野リゾート」、商業区画などを構築する。基準階は約1000坪。大規模スペースのニーズから最小35坪の小割オフィス、スタートアップ向けのシェアオフィスまで、様々な需要に応えることができる。ホールやフードホールなどの複合用途で企業のニーズ、多様な働き方にも対応可能だ。同社は多様な出会いと交流、新しい価値創造を促す次世代型の街の拠点を目指す。
 中でも注目の施設が、2階のシェアオフィス。シェアオフィスブランド「co―lab」を展開する春蒔(はるまき)プロジェクト(東京都渋谷区)が運営事業者と決まった。背景には、五反田プロジェクトのコンセプト「TOKYO,NEXT CREATION」が関係する。利用者や企業間での出会いと交流の中で、新しい価値が生まれることを目指しているからだ。加えて五反田では数年前から、スタートアップやITベンチャー等の集積が見られる。山手線沿線でありながら割安な賃料相場や大手IT企業が集まる渋谷にアクセスしやすいことなども影響し、アメリカのシリコンバレーになぞらえて「五反田バレー」と呼ばれるようにもなった。同社では企業が集結する五反田バレーで、様々なアイデアを持った企業・人材に利用してもらいたいとも考え、利便性の高いシェアオフィスを導入に至った。
 春蒔プロジェクトを選定した理由について開発第一部の川中泰弘氏は「クリエイター向けのシェアオフィスである『co―lab』を2003年より運営し、『co―lab渋谷キャスト』を始め実績豊富なこと、当プロジェクトのコンセプトに合致すること、などから運営を依頼しました」と語った。
 シェアオフィスは500坪超の空間に、コワーキングや個人利用できる専用デスク、ブース、3~30坪の個室を用意。フリーランスやスタートアップなどのニーズに応えたスペースを提供する。またプロジェクト単位で利用できるサービスなどにより多様な働き方に対応する。加えて館内およびエリア関係者と、多様な交流プログラムや公開空地(五反田の森)を利用した地域で参加できるイベントなどを盛り込むことで、コミュニケーションの活性化を促す。よりコラボレーションやイノベーションの機会を誘発する姿勢だ。オンオフ問わず利用される五反田バレー企業同士の交流の場も提供していく。

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