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「(仮称)心斎橋プロジェクト」概要発表 地上28階、商業・オフィス・ホテルの複合ビル誕生へ

2022.05.16 11:35

 ヒューリック(東京都中央区)、竹中工務店(大阪市中央区)、JR西日本不動産開発(大阪市北区)、パルコ(東京都豊島区)の4社は、共同で推進している「(仮称)心斎橋プロジェクト」の計画概要を発表した。
 計画地は、大阪のメーンストリートである御堂筋と長堀通に面した心斎橋交差点に位置する視認性の高い立地。大阪メトロ御堂筋線・長堀鶴見緑地線「心斎橋」駅に直結している。
 計画では、延床面積4万6284㎡、敷地面積3289㎡、地上28階地下2階の店舗・宿泊施設・事務所からなるエリア最大級の複合施設を建設する。  地下2階~地上6階の店舗フロアには多様な用途の店舗を誘致し、心斎橋エリアの賑わい創出に貢献する計画としている。御堂筋・長堀通に面する連続したメゾネット店舗にはラグジュアリーブランドの誘致を計画しており、テナントの個性を生かしたファサードを形成することで、関西有数のショッピングストリートに新たな魅力を加える。
 8~14階には心斎橋エリアでも希少な駅直結のオフィスフロアを計画。1フロア約268坪から最小分割区画約24坪まで多様なニーズに対応可能なフロアプランで、エリア最高グレードの専有空間を提供する。8階のオフィスロビーは2層吹き抜けの開放的な空間として計画するとともに、御堂筋を望む屋外テラスと接続し、オフィスワーカーや来街者にゆとりとくつろぎを与える空間を提供する。
 16~28階にはヒューリックグループが運営する「ザ・ゲートホテル」の関西エリア旗艦店が、京都に続く関西2軒目として開業する。シリーズ最大の220を超える客室を有し、ゆったりと寛げる部屋を計画。地上約120mの最上階には、大阪の景色を一望できるルーフトップバーを設置する。
 建物は制振構造を採用し、制振デバイスおよび座屈補剛ブレースを設置することで、変形抑制・安全性向上および居住性向上を両立した計画。震度7クラスの地震が発生した場合においても人命の安全が確保でき、補修をすることで継続して建物を使用することが可能な耐震性能を確保した計画とする。
 外観コンセプトは心斎橋エリアの華やかな文化やイメージをこの場所に結晶化させ、時代を超えて場所の力を映し出す「Quartz」。高層部は上昇感を生み、ランドマーク性を強調するデザインとし、中層部、低層部はボリュームを分節させて街並みになじむデザインとすることで、心斎橋エリアの新たなシンボルにふさわしい発信力と調和を兼ね備えた外観を計画する。
 環境配慮としては、Low-e複層ペアガラスをはじめとする高断熱化等により、CO2排出量・一次エネルギー消費量を低減。加えて、太陽光発電、マイクロコージェネの導入など環境に配慮する。BCP対応としては、災害時の非常用発電機による電源確保、受水槽および雑用水槽によるトイレ給水の確保に加え、下水道破断に備えて排水槽を確保する計画とする。また、水害対策として電気室・通信機器室・防災センターを浸水レベル以上に配置する計画。  竣工は2026年2月を予定している。

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