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【日本橋名店 改修事例】室町砂場 2008年にバリアフリー工事 多くの人が来店できる工夫進める老舗

2022.03.22 11:47

 JR「神田」駅徒歩3分、東京メトロ銀座線「三越前」駅徒歩3分に立地する室町砂場は、1869年(明治2年)創業の天ざる・天もりそばの発祥の店。のど越しが良く癖がない更科そばを使ったざるそば、挽ぐるみ粉を使用したもりそばをはじめ、同店ならではの味は多くの人々から愛され続けている。
 そんな室町砂場では、1974年竣工の4階建ての自社ビル「砂場ビル」の老朽化に伴い、2008年に1、2階店舗のリニューアルを2~3カ月かけて実施した。
 代表取締役の村松毅氏は「リニューアルに際し、バリアフリー設備などを整えました。店舗入ってすぐの正面にはエレベーターを設置し、入り口前の段差もなくしました。各階には多目的トイレとスロープを設けたほか、普通のお座敷仕様だった2階の客室を、座りやすい掘りごたつとしています。これまで足の不自由なお客様のご来店の際には従業員用のエスカレーターをご案内していましたが、バックヤードは空間も狭く客席からも遠かったため、どうにかしたいという思いから改修に至りました。この改修ではそのほかにも2階のデシャップを隅から中央に配置したり、少人数でも和室が使えるように部屋割りを小さくして増やすなど、皆様に快適に食事をしていただけるようにレイアウトを変更しています。室町では再開発が進み、商業施設が次々に開業、賑わいの創出につながっていると感じています。お客様のニーズを大切に拾い、どなたでも室町砂場の味がお楽しみいただけるように、当店も変化をしています」と話す。
 今は春の季節商品として暖かいおそばにたけのこをぜいたくにのせた「たけのこそば」、おつまみでは「そらまめ」を提供中。3~5月前半までの期間限定メニューとなる。今だけの味を、ぜひ堪能してもらいたい。

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