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「御堂筋ダイビル建替計画」着工

2022.02.28 11:34

 ダイビル(大阪市北区)は、「御堂筋ダイビル建替計画」の新築工事に着手し、起工式を執り行った。竣工は2024年初旬を予定している。
 立地は2020年12月末に閉館した「御堂筋ダイビル」の跡地。御堂筋では将来の側道廃止とそれに伴う歩道拡幅が計画されており、歩行者の増加などにより周辺街区のにぎわいが増していくものと期待されている。計画では敷地面積1577㎡、延床面積2万300㎡、鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)、地上20階地下1階の事務所・一部店舗用途のオフィスビルを建設する予定。
 外装には、旧ビルを想起させる鈍色の金属パネルを採用し、御堂筋のにぎわいや難波神社の緑を映し込むデザインとする。また、中高層部にはアースカラーの水平フィンを設置することで、眺望の確保と日射による環境負荷の抑制を両立するとともに、周辺環境と調和した自然美を感じる外装計画とする。
 1~3階はプレミアムフロアと位置づけ、1階には御堂筋ににぎわいを創出する店舗区画を配置。2階にはラウンジ、カフェ、テラスを設置。3階には貸会議室・小割オフィスゾーンを設ける。4~19階は主要用途であるオフィスゾーンとして、1フロア当たり200坪強のレイアウト効率に優れた無柱・整形空間を実現する。
 構造には制振ブレースやオイルダンパーを使った制振構造を採用し、強固な耐震性能を確保。JSCA(日本建築構造技術者協会)が定める耐震性能グレードにおいて「上級」に相当する。
 停電時への対応としては、72時間運転可能な非常用発電機を設置し、防災設備や照明、トイレなどの主要機能ならびに貸室の一部に電力供給ができる仕様としている。水害への対応として、電気室は最上階に設置。さらに、緊急排水槽設置等の対策により上下水道途絶時でもトイレの使用を可能にするなど、万一の災害に対しても十分配慮した計画。環境負荷対策としては、水平フィンを中高層部に取り付け、眺望を確保しつつ、日射による環境負荷を抑制する。フィンによる日射遮蔽のほか、自然換気システム・Low-e複層ガラスの採用など環境への取り組みを積極的に行い、「CASBEE 大阪みらい」で最高評価のSランクを取得予定。また、脱炭素に向けた取り組みの一つとして、CO2フリー電力を導入する予定。

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