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「三井リンクラボ柏の葉1」オープン ラボ&オフィス事業、初の「シーズ近接型」

2022.02.21 13:50

 三井不動産(東京都中央区)は、賃貸ラボ&オフィス事業「三井のラボ&オフィス」のシーズ近接型第一弾となる「三井リンクラボ柏の葉1」をオープンさせた。
 同社では賃貸ラボ&オフィス事業を、オフィスビル、住宅、商業施設、ホテル・リゾート、物流施設に続く新しいアセットクラスと位置づけ開発を続けてきた。今回開設したのは、新たな産業を生み出す種(シーズ=Seeds)となるような、将来性のある科学技術研究が集積する地。その第一弾として公・民・学連携の街づくりを推進する柏の葉スマートシティ内に設置され、最先端のシーズと触れあう機会を創出することで、日本のライフサイエンス分野の活性化を目指す。
 「三井リンクラボ柏の葉1」は敷地面積3611㎡、延床面積1万978㎡、貸付面積8227㎡。細菌、ウイルスなどの微生物、病原体等を取り扱う実験が可能で、疾患を起こす可能性があるが重大な災害となる可能性のない病原体を扱えるウェットラボを備える賃貸ビル。ウェットラボとは創薬や再生医療等の研究者が液体や気体等を使って実験を行う施設で、実験用局所排気を中央廊下天井側に集約。天井を貼らず、点検や追加工事がしやすい設計としている。また、実験専用の排気ダクト、空調室外機等の増設スペースも用意している。
 さらに、社内外のコミュニケーションを活発にする様々な共用部の仕掛けも用意。交流の場やサードプレイスとして機能し、社内外の活発なコミュニケーションを促するコミュニケーションラウンジや会議室を設置した。会議室は、テナントのほか、ライフサイエンスに関わる人や企業の組織・LINK-Jの会員も利用でき、最大48人収容可能。ミーティングやイベント開催など社内外の活発なコミュニケーションを促進する。さらに、コーヒーや軽食・ランチを提供するカフェも設置予定。
 同施設ではすでに入居者の誘致を進めており、今月には東京大学の研究室と民間企業が参画するオープンイノベーション拠点「FS CREATION」の入居・開設を予定。
 三井不動産では今後も引き続き「三井リンクラボ柏の葉1」への積極的な誘致を進めていくとともに、シーズ近接型をより強化するため、「三井のラボ&オフィス」を柏の葉エリアに増設していく予定。これらの取り組みを進めることで、柏の葉スマートシティの新産業創造の取り組みを加速させる。三井不動産とLINK-Jは、同事業を通じてライフサイエンス・イノベーションの創出を推進し、日本のライフサイエンス産業の発展に貢献していくとしている。

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