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三菱地所がシンガポールで進める複合開発が竣工 地上51階延床9万㎡超の超高層ビルが入居率93%でスタート

2022.02.14 10:54

 三菱地所(東京都千代田区)は、2017年よりシンガポール中心部で進めてきた大規模複合開発事業「CapitaSpring(旧Golden Shoe Car Park再開発プロジェクト)」が竣工したと発表した。
 同プロジェクトはシンガポールに拠点を置くアジア最大規模の不動産会社、キャピタランドグループ傘下のCapitaLand Developmentと、同社グループが運用するシンガポール証券取引所の上場REITと共同で進めてきたもの。同物件にはJPモルガングループ(米国)や三井住友銀行(東京都千代田区)が入居を予定しており、1月時点の入居率は93%となる。
 立地は「Raffles Place」駅至近。シンガポール中心市街でも有数のオフィスエリアに位置している。建物は敷地面積6100㎡、延床面積9万3400㎡、SRC造地上51階地下1階。オフィスを主体とし、サービスアパートメントや商業施設などを備えた超高層大規模複合施設となる。
 プレミアムグレードのオフィスフロアや、全館に配備されたIoTセンサーによる衛生管理、また駐車した車の位置を自分で検索できるサービスなど最新のテクノロジーを備えたワークプレイスをはじめ、キャピタランドグループが手掛けるサービスアパートメント、食堂屋台街などの飲食店舗等を通じ、新しい働き方・ライフスタイルを支援する。
 外構部は緑を取り入れた特徴的なファサードや、隣接街区や歩道との連動性を持たせたゆとりある屋外空間など、都市中心部で自然を感じることができる設計となっているほか、高効率なエネルギー利用、IoT技術を駆使したエネルギーや水利用面での建物効率化、豊富な植栽を備えた回遊空間「Green Oasis」や屋上庭園をはじめとした広大な緑化空間の実現により、シンガポール国内で最もメジャーな環境指標である「BCA Green Mark」で最上位の「Platinum」を取得している。
 三菱地所グループでは今回の事業で得た知見を生かし、東南アジア諸国での不動産開発を引き続き推進するとともに、日本国内での開発案件にも還元していく構えだ。

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