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「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」着工

2021.12.13 14:47

日本橋のたもとに大規模複合施設を着工
 三井不動産(東京都中央区)と野村不動産(東京都新宿区)は7日、東京都中央区の日本橋のたもとで大規模な複合開発を実施する「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」に着手した。両社は地権者、保留床を取得する参加組合員ならびに事務局業務受託者として参画しており、2026年3月末の竣工を予定している。
 「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」は、日本橋の南詰、中央通り東側の街区を再開発するプロジェクト。A~Cの3街区で構成され、核となるC街区には敷地面積1万5560㎡、延床面積36万8700㎡、地上52階地下5階、高さ284mのメインタワーを建設する。オフィス、ホテル、居住施設、商業・MICE、ビジネス支援施設の6つの用途により構成された大規模ミクストユース施設で、地下1階で地下歩道を通じて東京メトロ銀座線・東西線「日本橋」駅に直結。新たに都営浅草線「日本橋」駅の改札を整備し、乗り換えることなく羽田空港へ約30分、成田空港へ約60分でアクセス可能となる。
 A街区には敷地面積2060㎡、延床面積6500㎡、地上4階地下1階のビルを建設し、業務施設、商業施設とする。開発地に立つ「日本橋野村ビル旧館」の風格ある外観を保存活用し、日本橋の伝統と文化を受け継ぎつつ地域全体の賑わい形成を図る。「日本橋野村ビル旧館」は、「自由様式」を標榜した建築家・安井武雄が設計し1930年に竣工した建物。三層構成を踏襲しながら柱型をなくし東洋風の意匠を纏わせた折衷様式のデザインで、貴重な近代建築物として中央区指定有形文化財に指定されている。
 B街区には、敷地面積1370㎡、延床面積5100㎡、地上7階地下2階のビルを建設。賑わいにつながる商業施設と約50戸の住戸とする予定だ。C街区と地上3階レベルでデッキにより接続するとともにA街区との一体感ある景観を醸成し、日本橋川の水辺空間にふさわしい街並み形成を行う。
 また、同プロジェクトでは、環境負荷低減への取り組みとして施設の省エネルギー化を推進。C街区オフィス部分においてZEB認証、C街区居住施設部分において「ZEH認証」、C街区全体で「DBJ Green Building認証」の取得を予定している。

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