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「渋谷」駅と青山通りをつなぐ高層ビルが着工 「渋谷二丁目17地区市街地再開発事業」本格スタート

2021.12.06 11:56

 「渋谷」駅東口エリアに、23階建ての高層ビルが誕生する。
 東急(東京都渋谷区)などが組合員として参加する渋谷二丁目17地区市街地再開発組合は12月1日に、「渋谷」駅東口エリアで「渋谷二丁目17地区第一種市街地再開発事業」の新築工事に着工した。開業は2024年度上期の予定。同事業は、「渋谷ヒカリエ」や青山通りに隣接する地上23階建ての複合施設で、敷地面積3460㎡、延床面積4万4500㎡。「渋谷」駅東口エリアの新たな賑わい拠点を目指すとともに、エリアの回遊性向上を図る。
 1~4階の低層部には商業機能などを配置し、敷地内の広場などと一体的に整備することで賑わいや憩いを創出する。5~23階は駅近接の利便性に優れたハイグレードオフィスとし、基準階面積約1325㎡、総賃貸面積2万4950㎡の貸床を提供する。
 「渋谷」駅とつながる多層かつ回遊性の高い歩行者ネットワークの構築も開発の主眼。「渋谷ヒカリエ」から青山通りまで、従来の坂道による移動を改善し、多層の歩行者通路をつなぐ立体的な動線を整備。広場空間や店舗等施設を配するとともに、建物壁面の後退によるゆとりある歩行空間を整備する。さらに災害時の徒歩帰宅者への情報提供と帰宅困難者の受け入れに寄与する空間も用意する。
 脱炭素に向けたサステナブルなまちづくりも目指し、省エネルギー施策を積極的に実施する。建築物省エネルギー性能評価制度(BELS)の建築物全体評価最高ランクである星5つ、さらに都内の超高層複合用途ビルでは初となる「ZEB Oriented」認証も取得した。
 工事期間中も建設現場の彩りや渋谷のまちの魅力向上に貢献するべく、「渋谷二丁目アートプロジェクト」と題した企画を実施する。組合構成員であるアートギャラリーNANZUKA(東京都渋谷区)や、同ギャラリーが所属する日本現代美術商協会(東京都千代田区)と協働し、NANZUKAなど8つのギャラリーから「都市の移り変わり」をテーマに8名のアーティストを選び、その作品を工事中の板囲いに掲出する。
 東急と再開発組合は同事業の推進を通じて、渋谷から青山エリアをつなぐ新たなネットワークを形成するとともに、多様な人々や文化の交流を促進することで「渋谷」駅東口エリアの活性化を目指すとしている。

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