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大成 アバター警備ロボット「ugo TSシリーズ」の本格商用化 新CM「自由な発想 ロボット警備編」もスタート

2021.11.15 11:02

 総合ビルサービスの大成(名古屋市中区)は、今月からアバター警備ロボット「ugo TSシリーズ」の本格商用化を開始。商用化に伴い、1日には事業戦略及び新CM発表会を開催した。
 事業戦略及び新CM発表会では、会の冒頭に代表取締役副社長の加藤憲博氏による会社説明のプレゼンテーションが行われた。まず減少を続ける日本の労働人口に着目。2020年時点で労働人口は7406万人(厚生労働省・令和2年版厚生労働白書より引用)とのことだが、20年後の2040年には5978万人まで減少すると推測されている。今後20年で1428万人の減少が想定され、月換算であると毎月6万人の働き手が減ってゆく状況だ。更に厳しいのは警備業界。同業界の有効求人倍率はここ数年停滞傾向にあり、コロナ禍で緩和されているものの現状6・20倍と深刻。今後働き手の減少に加え、採用競争の激化や人件費の上昇も見込まれる。同社はこれら課題の解決策としてDX化と最先端のロボット活用を挙げる。
 大成は警備業界の人手不足解決に向け、今年4月より「ugo TSシリーズ」を活用したDX警備ソリューションの運用を開始。そもそも警備ロボットの「ugo」は、ugo(東京都千代田区、旧Mira Robotics)が開発したアバターの警備ロボットで、2本のアームと高さ調整により遠隔で警備業務の「立哨業務」や「巡回業務」ができる。これまでの警備ロボットが平面移動しかできず、フロアを跨いだ上下階の移動が困難であった一方、同ロボットはアームを使用してEVの操作が可能。これにより上下階の移動が容易となった。まさに従来の単純なアバターロボットと完全自動化ロボットの利点双方を併せ持つ、次世代型ハイブリッドアバターロボットである。このugoを活用することで、警備員とロボットによるハイブリッドな警備業務を実現。実証実験では具体的な導入効果の検証やオフィスフロアでの自動巡回、フロア間エレベーター移動等で稼働精度を高めてきた。
 加藤氏は「警備ロボットをビルメンテナンスの現場に導入していくことで、警備業界の課題でもある人材不足の解消に取り組んでいきます。またugoだけでなく警備業務を一元管理できる情報プラットフォーム『T-Spider』を活用し、ビルごとでメンテナンス管理を一元化する、DXによるトータルソリューションも行っていきます」と語った。今回の本格商用化を機にビルオーナーや警備会社と連携し、同シリーズの導入数を増やし、業界全体の課題解決に努めてゆくとのことだ。
 また新CM発表会では、ゲストに新CMキャラクターの小芝風花さんとチョコレートプラネットさんが登場。小芝さんとチョコレートプラネットさんによるugoに関するクイズ対決や小芝さんの声が出る「世界に一台の小芝風花ugo」が登場するなど、会場では様々なサプライズが展開された。新CM「自由な発想 ロボット警備編」は11月1日から放映されている。

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