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防災の専門家が集いシンポジウム開催 「温故知新」で地域防災力向上を提案

2021.09.27 12:00

 令和防災研究所(東京都千代田区)は23日、千代田区神田駿河台の「御茶ノ水ソラシティ」において第3回シンポジウム「これからの地域防災の知恵~『温故創新』」を開催した。このイベントでは、教育や行政など、様々な立場における防災の専門家が集い、これからの時代の自然災害に対する事前の備えとして私たちができることや、最新技術を用いた災害対策の紹介などが行われた。

 自然災害の多い日本では、社会の様々な場での減災や社会全体の防災力向上を目指し、防災士制度が設けられている。令和防災研究所は、この防災士制度の創設の一翼を担ってきたメンバーが発起人と参画し、防災に関する研究の発展や防災士制度の更なる発展、そして国民の防災知識の啓発を目的に2019年に設立された。発起人は元東京都副知事の青山佾氏ら8名が名を連ねている。
 気候変動による災害の激甚化、頻発化する水害、切迫する巨大地震に対して、先人が培った知恵を発掘し「温故」として学びなおすことが重要である。そのうえで同協会は、未来に向けて現在の最新技術を加えた新たな暮らし方や住まい方を考案し、定着させていくという「創新」を進め、大災害の時代に対応しうる社会を実現する必要があるとして、「温故創新」をキーワードに今回のシンポジウムを開催した。
 当日は会場での聴講のほか、オンラインでのライブ配信も実施された。シンポジウムは2部構成となっており、第1部の基調講演・発表では同研究所の発起人メンバーである東京大学・加藤孝明教授、国士舘大学・中林啓修准教授、早坂義弘東京都議会議員らが登壇。シンポジウムのテーマとなっている「温故創新」の意義や、首都直下地震が発生する前に人々の間でできる準備や対策などが紹介された。
 次いで行われた第2部では、青山氏をコーディネーターとするパネルディスカッションを開催。第1部の登壇者に加え、東京大学・廣井悠教授ら計6名の論客をパネリストに迎え、同研究所が掲げる「温故創新」の発想に基づく地域防災のあり方と先進事例について、最新の知見を踏まえながらディスカッションが展開された。

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