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設置型の社食サービス OFFICE DE YASAI

2021.07.19 12:16

冷蔵庫へ新鮮なサラダ 総菜・ご飯を届ける
 KOMPEITO(東京都渋谷区)は2014年から、設置型の社食サービス「OFFICE DE YASAI」を提供している。オフィスに設置した冷蔵庫(冷凍庫)へ、新鮮なサラダやカットフルーツ、惣菜・ご飯等を定期的に届けるサービスとして知られている。
 「OFFICE DE YASAI」は、企業の社食代わりや福利厚生として利用されている置き食品サービス。冷蔵の「オフィスでやさい」プランと冷凍の「オフィスでごはん」プランがあり、サラダやカットフルーツは冷蔵の「オフィスでやさい」のみで取り扱う。週1回(冷凍は月1回)~定期的に届くシステムで、好きなときに冷蔵庫(冷凍庫)から商品を取り出して1品100円からで購入できる。主な導入目的は「社員食堂の代わり」や「食事補助」であり、社食の運営時間外の補助や多店舗展開しているサービス業の店舗及び中小・零細企業等は、社食運営が規模的に難しいため食事補助として採用している。また中には「社員食堂を運営していたがリモートワークが増えたことで社食の運営が難しくなり代替えとして」や「ビル高層階にオフィスがある」、「周辺にお店が少ない」といった課題も影響して利用している。外食や買い物に不便な企業をはじめ、人材採用強化の施策や福利厚生の充実、社内のコミュニケーションを増やす意味でも採用件数は多い。
 セールス・マーケティンググループの小幡ますみ氏は「最大の特長は、生鮮(野菜・フルーツ)を届けられること。サラダやフルーツ、惣菜の他、ジュースやスムージー、ヨーグルト、サラダチキン、茹で卵等も提供しており、商品バリエーションも多く毎月商品の種類(味や食材)が変わるので、飽きずに利用できます。コンビニ等では200~300円する様な商品を従業員は100円で購入できるので、とても喜ばれています」と指摘した。実際、導入後の企業では従業員の健康意識が高まったことや外出による買い物の手間削減、社内のコミュニケーション機会の増加等が顕著になっている。健康的なサラダやフルーツの入った冷蔵庫が社内にあることで、健康的な食品を食べようという気になる、栄養バランスについて考える機会にもなっているとのこと。

自販機販売で食事提供 SALAD STAND
 またコロナ禍では「外食をしづらくなった」や「社食代わりを探す企業が増えた」など、食事における需要の変化が出ている。特にテレワークの採用企業が増えたことで、テレワークに適合した置き食品サービスのニーズが徐々に増えている。同社でも「オフィスでやさい forリモート」というリモートワークプランを用意。従業員の自宅へ直接商品を配送するサービスで、サラダや冷蔵惣菜、冷凍惣菜、農薬不使用野菜、コーヒー、冷凍スムージー等の各種セットメニューの中から好きなものを選んで注文できる。費用は企業と従業員で折半する形で、負担割合は企業によって設定可能だ。
 小幡氏は「『OFFICE DE YASAI』福利厚生という仕組み上、シェアオフィスやコワーキングスペース等での導入はハードルが高かったのですが、別のサービスで『SALAD STAND(サラダスタンド)』という有機野菜サラダの自販機販売を開始しました。AIセンサーを利用して自販機周りの人の通過数・滞留数を計測し、そこから得た情報と購買データ・賞味期限・時間を組み合わせて、ダイナミックプライシングを構築していきます。商品情報・在庫情報はクラウド上で確認・変更でき、フードロス削減を目指しています。当サービスは企業のオフィス内に限らず、ビルの共用部やシェアオフィス、商業施設、駅等も含めて設置を想定しております。現在初号機を秋葉原にあるシェアワーキングスペース『DMM.make AKIBA』にテスト的に設置しており、設置によって得たデータを自販機の開発や今後の設置先に生かしてまいります」と語った。

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